#132 ずっとメシ誘ってきそうな人
週末の仕事終わりにヤマダが喫煙所でタバコを吸っていると部長が現れた。
「お疲れさまです。」
ヤマダは頭を下げる。
「あー、お疲れ!いやー今週も長かったね!」
部長はそう言いながらタバコの火を付けた。
「最近どうだい?ゴルフ行けてる?」
「いや、忙しくてあんまり行けてないんですよね。」
「そうか、俺もなんだよ。やっぱり行っておかないとな。腕鈍っちゃうからな。」
「そうですね。」
その後も2人は軽い世間話をしながら、タバコをくゆらせた。そして部長が吸い殻を灰皿に入れた時、ヤマダに尋ねた。
「どうだ。お腹すいてるか?」
「あ、はい。」
ヤマダは笑顔で返事をした。
「そうか。いやー俺もさ、お腹空いてんだよなぁ。」
部長はそう言いながらお腹をさすった。
「いやー、なんでお腹って空いちゃうんだろうな?」
ヤマダはその質問に笑って首を傾げた。
「結構お腹すいてる?」
部長は再びヤマダに尋ねた。
「はい。もうめちゃめちゃ腹減ってるんで、どっかでメシ食って帰りたいですね!」
「そうか!やっぱり仕事終わった後ってお腹空いちゃうよな!なんでなんだろうな!」
「...なんでなんですかね?」
ヤマダは歯痒さを感じながら再び首を傾げた。
「何食いたい?」
「え?」
ヤマダは部長の真意がわからず困惑した。
「だから、何食いたい?」
「あー、駅前の中華料理屋あるじゃないですか!あそこのチャーハン食べたいですね!」
「あー、あそこのチャーハン美味しいよな!俺も食べたいな!」
「ホントですか!」
ヤマダが目を輝かせると部長は言った。
「じゃあ、おつかれ!」
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