見出し画像

『 闇期 1 』

そろそろ、スピンオフから本流に戻ることにします。

今、実際にプライベートで心が病んでるのに、

「過去の闇期」について書くとは
なんとも言えないモチベーションだが

毒を食らわば皿まで、な感じで書きましょう。

木更津に帰り、1か月ほど市内 祇園と言う場所で

仮住まいさせてもらった。

その頃、母には"連れ合い"(簡単に言えば彼氏)がいて

アパートが決まるまで、そこにいさせてもらった。

母から、「これから仕事どうするの?」と聞かれ

「職安に行って、探す」と答えた。

すると、母は

「だったら、もう決めてあるから大丈夫」と言い

「どうゆうこと?」と聞いた。

連れ合いのSさんの紹介で、印刷会社で働けるように手配してあるとのこと。

「何か困るの?」と聞かれ

僕は、「とりあえず行ってみるよ」と了承。

翌日朝8時に「協和カラー印刷」という印刷会社に行った。

Sさんの友人だという"Hさん"が

「おまえが喜美恵さんの息子か」と言われ、

一緒に、各部署に挨拶に行った。

「今日から、こちらでお世話になる
猪鼻といいます。よろしくお願いします。」

と、順番に挨拶をすすめると

あれ? 知った顔が…

「もしかして、酒井先輩ですか?」と聞くと

「おまえ、確か姉高にいたよな。」と

偶然の再会をはたす。

当時、特に親しかったわけではなくて、

僕が二年のとき、酒井先輩は三年で

体育祭の応援団で一緒だったのだ。

その話しをすると、酒井さんはすぐに思い出し

後輩の入社を喜んでくれた。

そのあと、紆余曲折があり、結局 Hさんのはからいで

酒井さんのいる「軽印刷」の部署に移動。

簡単に言うと、名刺、ハガキ、封筒などの

小さいものを印刷する部署。

先輩、後輩のノリで、意気投合し、

先輩は、大のギャンブル好きで、毎日仕事帰りにパチンコ屋に行っていた。

当然、僕も誘われるようになり

毎日、先輩と一緒にpm 5:30にタイムカードを押し

パチンコ屋に向かった。

終わると、勝った方のおごりで、居酒屋で何杯か飲みアパートに帰る。

朱に交われば赤くなる

とは、まさにこのことで、生活はどんどん乱れる。

書くのを忘れたが、すぐにアパートは決まり

木更津での、一人暮らしを始めていた。

酒井さんの勤務は酷くて、気が向かないと休む。

気が向くと、昼過ぎに出社。

そんなことも当たり前になっていた。

そして、それが許される会社でもあった。

毎日、油とインクにまみれて

機械を動かして、印刷物を刷るだけの日々。

なんの達成感や、充実感もなく

ただ、一日、一日と時間だけが過ぎて行った。

紺色の作業着と、ジーパンも、油とインクの染みでいつも汚かった。

そして、その格好で、パチンコ屋にいく。

帰りにコンビニで、弁当を買う。

お金を払う手を見られるのが嫌で

店員さんに渡すときも、おつりを受けとるときも、

できるだけ見られないように気をつけた。

※ 印刷をしたことある方はわかると思うが、
爪の周りや、シワのある部分のインクは
洗ってもなかなか取れない。

酒井さんと遊ぶのは楽しかった。

カラオケ行ったり、焼肉行ったり…。

でも、僕の中で、何かわからない、良くない不安を感じた。

答えは簡単だった。

このまま、ここにいると

自分の人生は終わる。

僕は翌日、自分の思いを酒井さんに伝えた。

酒井さんは、少し寂しそうだったが、わかってくれた。

僕は、そのまま社長のところに行き

退社の意を伝えた。

社長は、「猪鼻くんには、ここは向いてないよ」

「辞めるのはいつでもいいからね。」と、優しく

了承してくれた。

結局、その会社は一年で辞めることとなり、

そして、僕の人生は、またふり出しに戻った。

つづく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?