チェックスター12、旭川
旭川空港で思いがけず遭遇した飛行検査のはなし。
この日、新千歳空港から飛来したのは航空局の飛行検査機 JA012G(525C)です。Citation CJ4といわれるこの機は、旭川空港にいったん着陸した後、10:30ごろ離陸しました。
この日の使用滑走路は16。無線からGSの飛行検査…と漏れ聞こえました。旭川のILSは滑走路34なので、追い風で進入することになります。しかも、この日は風がやや強め。
アメダス東神楽(位置は旭川空港)のデータを見てみましょう。
赤枠は、離陸から午前の飛行検査を終えるまで。ほぼ南の風です。風速7m/sは約14ノット、風速10m/sだと約19ノットになります。
CJ4は南に向かって離陸した後、すぐに反転して1本目のレベルランを実施。一定の高度で水平飛行して、GSパス角の幅を測定する検査です。このレベルランを2回、繰り返しました。
ILS の飛行検査方法は、コチラに図入りで書いてあります。
次に行ったのはローアプローチ。旭川GSの 3.0°パスに乗って滑走路上まで進入し、接地せずに上昇していきます。
これが、レベルラン2本とローアプローチ1本目の航跡です。
2本目のローアプローチは、航空灯火を点灯して実施。薄曇りの日中にカラフルな光が魅惑的です。中でも、特に明るく輝く白い光は連鎖式閃光灯(SFL)。写真では1灯しか光っていませんが、流れるように誘う光の眩しいこと!
縦に三段のオレンジ物体が立っているのが GSアンテナです。着陸する航空機に対して 3.0°の進入角を示す電波をここから発射しています。
その左の奥に見える球体(レーダー)は 仮設SSRです。その記事はコチラで。
この日の午前中、レベルランで計4本、ローアプローチで計4本進入した後に高度を上げ、チェックスター12は帯広空港へと向かいました。燃料補給を契約している空港が限られているためでしょう。
ここまでで、私は旭川を離れました。
帰宅してチェックスター12の午後の飛行航跡を確認したところ、帯広から再び旭川に戻って LOC飛行検査を行ったようです。一定の高度でローカライザーコースを横切るようにアーク(円弧)フライトし、コース幅を測定する飛行です。
「チェックスター(CKSTR)」とは、航空局の飛行検査機に付けられたコールサインです。JA008G~JA012G まで5機のサイテーションジェット CJ4 のうちの最新号機が JA012G。国土交通省が所有者として登録されたのは、2017年12月でした。
VOR/DME飛行検査のことは、こちらから。
※ 写真はすべて、2023年4月、やぶ悟空撮影
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