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ちょっと古いBMWに、また乗ってみたら…

観光シーズンまっただ中の北海道。レンタカーは大人気で急な確保は難しい。案の定、市内のレンタカーはどこにも空きがなく、思いついて電話したのが BMW 320i を借りたことのある新千歳空港のレンタカー屋さん。

次は6気筒の325を借りて比べてみようと思っていたのだけれど残念ながら出払っていて、「あるよ」と言われたのが再び 320i でした。

▲ BMW 320i セダン(E90)


同じクルマ

それがこのクルマ。ナンバーも タバコ臭いのも同じ。レンタカーなので「わ」ナンバー(一部画像処理しています)です。


▲ 320iの走行距離

前回のメーターから、ほとんど進んでいませんでした。ほぼ2か月近くの間、この 320i を借りた人はいなかったようです。レンタカーが予約できなくて困っている方、穴場かもしれません。


▲ 車検ステッカー(検査標章)

この 320i の車検は来年の3月まで。ところで、ことし2023年7月3日から貼り付け位置が変わったようです。新しい貼り付け位置は、運転席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置、なのだと。これはすでにその位置に貼ってありました(一部画像処理しています)。


▲ 320i のドリンクホルダー

この季節、水分補給が欠かせません。左席の前に2つのドリンクホルダーが見えます。右がドライバー用だと思うのですが、これが引っかかっているようで出てこないのです。やむを得ず、室内幅いっぱいまで腕を伸ばすことになりました。


▲ 海霧で太陽が隠れてしまった渓谷の橋で

走り始めてすぐに気付いたほんの微かなゴロゴロ感、何だろう? 以前は気付かなかったなぁ。走行系の不具合などでなければいいのですが。

もしロードサービスを要請するときはチラシの「あんしんほっとライン」に電話して…と先ほど言われたことが、少しばかり引っ掛かります。

前回借りてこのクルマには少し慣れていたので、運転操作に戸惑いなどはなくドライブできました。ウインカーレバーを間違えることもありません。

じゃ、秘密の場所へと向かいます。


▲ 対向車だけでなく、ヒグマにも注意!

こんな急カーブの橋の上に駐車しちゃ危ないし迷惑だろ!と思ったかもしれません。実は、写真の辺りで道がなくなる場所。他のクルマが来る可能性は限りなく低いので、ちょっと止めて撮影しました。


タイヤを見て驚いた!

このあと高速道路に入ると、ほどなくゴロゴロ感が大きくなってはっきりと振動を感じるようになりました。ホイールバランスが取れていないのでしょうか? いちばん使う速度帯の 100~110km/hあたりで振動が大きいようです。共振して増幅することのないよう、慎重に速度を選びました。

高速走行は短めで止め、国道を外れた広い駐車スペースで足回りを確認してみます。ホイールとタイヤは前回と変わっていました。この前に借りたとき走行中に空気圧不足の警告メッセージが表示されたので、よく見ていたのです。(前回はダンロップのル・マンV、SILENT CORE。サイズは205/50R17で、2017年の早期に製造されたタイヤでした)


▲ 今回のタイヤとホイール、右前

今回 320i に装着してあったのは、ミシュランのパイロットHX MXM というタイヤ。サイズは前後4本とも225/50R16。製造年週を見て驚きました。3本が「3301」、1本が「3701」、つまり 22年も前の2001年(の33週と37週)に製造されたタイヤです。溝はまだ残っていますが、ゴムや接着剤がそんなに長くは持たないでしょう。硬化してしまっているのでは?

タイヤ全周をよく見ると、側面の汚れが均一でなく一部だけが白っぽく変色しています(上の写真の右上)。この部分が下になって長い間立てた状態で屋外保管されていた可能性がありそうです。そして、ゴムにはひび割れも見られました。


▲ タイヤの ひび

小さな亀裂が見えています。コーナーを攻めるような運転をするわけじゃないけど、これはちょっと怖いな。ゴロゴロ感や振動は、ホイールバランスだけじゃなくタイヤゴムの硬化なども影響しているんじゃないかな? ともあれ、バーストしなくてよかった。


今回の320i、まとめ

前回初めて BMW 320i を運転したときに味わった感動は、2度目なので当然でしょうが、少し薄れていました。2か月近く経ってはいたものの同じ車なので、まあ、そんなものかなと思っていました。でも、タイヤがかなり古いものに変わっていたことを知って、そのことが運転の感触に大きな影響を及ぼしたからではないのかと思うのです。改めて、足回りの重要性を思い知らされたということでしょう。

「タイヤは命を乗せている」(ブリヂストン)

かなり昔からこのコピーを繰り返し聞いてきて、確かにそうだよなと思い、自分の車のタイヤは価格だけでは選ばないようにしてきたつもりです。タイヤの溝さえ十分に残っていればいい…というものではありません。スリップサインにはまだ余裕があっても、数年も使えば雨に濡れた路面でずいぶん滑りやすくなっていることがはっきりと体感できるものです。

タイヤによってクルマの走行性能が変わる…ということは理屈では分かりますが、その違いってどの程度のものなのか、クルマ雑誌などを見ても疑問が残っていました。今回は12年前のクルマに22年前のタイヤという組み合わせで、図らずも6年前のタイヤと比較する状況になってしまいました。タイヤにとって良い環境で保管されていたのならまだしも、どうやらそうではなかったらしい古いタイヤでのロードインプレッション。素人ドライバーでも違いをはっきり感じたのですから、BMW 320i にマッチした最新のタイヤを履かせたら、ちょっと古い E90 でも もっと素晴らしい体感が得られたに違いありません。


▲ BMW 320i セダン(E90)


今回の走行距離は 235km。ハイオク給油は12.4リッターだったので、約19km/l という高燃費でした。えっ? そんなに燃費いいの? 信号の少ない郊外の道を選んだことや、マニュアルマードをあまり使わない(おとなしい)走行だったのが、この好結果を生んだのでしょうか。

タイヤはともかく、BMWのエンジンは前回同様にとても気持ち良く反応してくれました。願わくば、6気筒NAエンジンの感触も いつか味わってみたいものです。


※ 写真はすべて、2023年7月、やぶ悟空撮影
(一部画像処理しています)

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