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千歳VOR/DME、リニューアル

機器の更新のため、しばらく休んでいた「千歳VOR/DMECHE)」が今週復活しました。そのお話しです。

VOR : VHF Omni-directional radio Range、超短波全方向式無線標識施設
DME : Distance Measuring Equipment、距離測定装置


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▲ 千歳VOR/DMEの位置(国土地理院の空中写真=2018年8月6日撮影=に加筆)

新千歳空港/千歳飛行場から、南の方に少し離れた苫小牧市に設置されている航空保安無線施設が「千歳VOR/DME」です。航空機に対して VORが方位情報を、DMEが距離情報を提供します。24時間365日休みなく電波を発射しているので、十数年の連続使用で衰えてきた機器やアンテナなどを新しくすることになりました。

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▲ 千歳VOR/DMEサイト(Googleマップに加筆)

Googleの撮影時期は不明ですが、サイト内の全体配置が分かります。VOR/DME局舎は低い位置に建っています。VORの電波を監視するためのモニタアンテナが3方位にあります。

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▲ 千歳VOR/DME(2020年11月26日撮影)

更新前年の状態です。巨大な円盤状のカウンターポイズを東側から撮りました。その上に白いVORアンテナ群が見えます。DMEアンテナは中央の高い位置に立つオレンジ色の棒、VORのモニタアンテナは2本だけ見えています。

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今年2021年、「千歳VOR/DME更新工事」が行われました。その入札公告には、「千歳VOR/DME装置の老朽化に伴う機器更新およびこれに係る付帯設備の設置・撤去を行うほか、千歳仮設VOR/DMEの撤去を行う。」と概要の説明がありました。どうでもいいことですが、VORは VOR-91型からVOR-07B型に、DMEはDME-91A型からDME-91E型になるようです。

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▲ AIP Supplement Number131, 2021年8月12日

当初、千歳VOR/DMECHE)の電波が止まるのは2021年9月8日までの予定でした(AIP SUP NR031/21)が、その後10月6日までに延長されました。重要な無線施設なので、電波が止まる工事期間中は代わりの施設が用意されました。それが「樽前VOR/DMETME)」です。入札公告の千歳仮設VOR/DMEというのは、樽前VOR/DME(TME)のこと。それについては、こちらの記事をご覧ください。


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▲ 千歳VOR/DME(2021年6月22日撮影)

木々の葉が生い茂って見にくくなりましたが、カウンターポイズ上のアンテナがすべて撤去されたようです。VORモニタアンテナも支柱だけになっています。背後の山は、支笏湖の南にそびえる風不死岳ふっぷしだけ

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▲ 千歳VOR/DME(2021年7月3日撮影)

この日、新しいVORキャリアアンテナのドームが設置され、その上にDMEアンテナが立っているのが木の陰に見えました。VORサイドバンドアンテナはまだ支柱だけです。

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▲ 千歳VOR/DME(2021年9月27日撮影)

VORアンテナが取り付けられ、きれいに並んでいました。以前の白色からオレンジ色に変わったのは、監視カメラで着雪状況が見やすいように…なのだと。アポロチョコのように尖っているのは雪が落ちやすいように。

千歳VOR/DMEサイトに近付けないので、局舎周りがどう変わったのかは確認できていません。発電装置の入札公告には、「千歳VOR/DME局舎の撤去計画に伴う発電装置のシェルター化を行い、…」という記載がありました。ということは、これまでの局舎は撤去されるんでしょうね。

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▲ 飛行検査機JA012G(2021年9月14日撮影)

9月中旬の新千歳空港で、航空局の飛行検査機サイテーションCJ4JA012G)が飛行しているのを見かけました。千歳VOR/DMEが機器の更新を終えて試験電波を発射し、そのフライトチェック中なのかもしれません。このころ、北海道内をあちこち飛行しているようでした。

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▲ 飛行点検機U125(2021年10月6日撮影=冒頭の写真も)

10月のこの日は更新工事の最終日。7日00時00分JSTから千歳VOR/DMEの運用が再開されます。航空自衛隊の飛行点検機U12529-3041)が千歳飛行場(RJCJ)への進入を繰り返していました。F-15の発着を避けながら、1836の両側から進入しています。管制官も「反対側からU125が進入…」と、0119を使う航空機に注意喚起していました。こちらも千歳VOR/DMEに関する進入/出発ルートの最終チェックだったのかも?

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※ 特記のない写真はすべて、やぶ悟空撮影


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