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自分でオンライン通夜と葬儀を繋いだ反省点など

先般、近しい親戚を亡くしました。

亡くなったのは日本の保守的な気風の残る地。一時期は不幸と雖も県外の人間などとても入れない雰囲気でした。不幸中の幸いで、訃報が入った頃は著者の居住地のコロナ新規感染者数が減少傾向、慌ただしい話し合いの結果、通夜と葬儀が近親者で執り行われ行けることになりました。

その中でも本当にやむを得ず通夜と葬儀に駆け付けることが出来ない親戚が数名いました。その親戚はリモート操作に慣れており、そもそもは参列したい強い希望があったことから、オンラインで通夜と葬儀を繋いでみようと思い立ちました。訃報から通夜まで1日もない慌ただしさで喪主や葬儀社との確認、招待の送付を行いました。結果、何とか両日とも無事終えることが出来ました。

参考になるようなことを幾つか記載します。オンラインでの通夜や葬儀を検討されている方はご参考にして下さい。


◆システムについて

今回は私とオンライン参列希望者の使い慣れているzoomを利用しました。

◆Wi-Fiについて

市街地に位置する葬儀場にWi-Fiは飛んでいませんでした。そのため個人的に契約しているスマホプランのデータが結構余っていたのでタブレットに繋ぎました。通夜と葬式の法要はそれぞれ1時間ほど、プラスその後の食事会での親戚との挨拶やご遺体とのお別れなどで30分ほど繋いで合計約3時間、使ったパケは4GB強です。郊外の火葬場はフリーWiFiがあると掲示がありましたが繋がらず、電波も悪かったので早々に切り上げました。間に合えばレンタルポケットWi-Fiなど活用してもいいと思います。

◆葬儀社について

故人が積み立てていた葬儀社を使いました。オンライン葬儀には対応していませんでしたが、こちらの設置で実施する分には協力的でした。葬儀社から話が行っていたのか僧侶も特に嫌な顔をしませんでした。

◆マナーについて

近親者での通夜と葬儀なので、相手の姿が見えても大丈夫だろうということも含め先にも述べた通りzoomにしました。法要時にはオンライン参列者はミュートにしていました。

◆接続時間

開式15分前あたりから繋いでおくと音声確認など落ち着いて対応出来ます。zoomの無料プランだと40分くらいなので繋ぎ直す手間が生じます。相手から繋ぎ直すよう連絡が来ることがあるのでスマホはマナーモードは必須です。

◆アングルについて

前列中央の一般参列者席中央通路側にタブレットを設置しました。今回は横向きに設置しましたが読経、焼香、講話、挨拶とベストアングルが変わるので都度隣で少しずつ角度を変えていました。それが落ち着かなかったと若干張り詰めていた喪主からの苦情がありました。後から遠回しに謝られましたが、私も配慮が足りなかった反省もあります。カメラを動かさない前提なら、理想は後ろ中央の高い位置だと思いますが、置く場所も無く、あまり無理も言いにくかったので遠慮しました。儀式の部分は目立たないスマホで繋ぐだけでも良いのかも知れません。

◆服装について

オンライン参列者は大抵自宅です。喪服とまでいかなくても、カジュアル過ぎないフォーマルな格好をするよう言っておけば良かったと思いました。

◆他の役割との兼務

ご不幸は早く来た者ほど受付やご香典の管理など頼まれやすくなります。親族控室の金庫の有無の確認や、時には信頼できる親戚などに重複した役割をお願いすることも大事だと思いました。

◆参列者同志とのご挨拶

通夜や葬儀は長く会ったり連絡を取っていない親戚と話す絶好の機会でもあります。よって、オンライン参列者も式典前後に挨拶を要望され、またそれが良かったと感謝されました。儀式で繋ぐのが雰囲気的に難しい場合や操作に不慣れな方も、終了後に時間があるならご挨拶の時間を作ればそれだけでもいいのかも知れません。私は法要後は参列者の希望によりご遺影との対面、式場の撮影、並んでるアルバムの撮影、参列者にタブレットを回して貰っての参列者同士の挨拶、要望があればご遺体との対面並びにお別れのご挨拶などをして貰いました。

◆カメラワーク

zoomでもアウトカメラが使えることを後から知りました。一緒に移動するときはこれを使えば良かったと思いました。

◆音声

読経などはマイクを使っていましたが離れているのでどうしても音質は劣ります。そこはオンライン葬儀も行う専門の葬儀社ではありません。了承して貰いましょう。


上記を2日行い、私としての感想はオンライン通夜と葬儀をしたことを後悔するくらい「疲れた…」でした。でも結果から言えばやって良かったです。後々お手紙などで感謝もされ、やがては思い出に昇華していくと思います。

何事も安易になるのは好ましくありません。しかし長引くコロナ禍や不安定な世界情勢の中にもIT技術が進んでいる現在です。こんな葬儀のあり方もまたありだとは思いました。

故人とのお別れとなる儀式、やはり皆さんにとって感謝して頂ける形にしていくのに何より大切なのは「思いやりの心」だと思いました。システムやノウハウより、それが発揮出来たのはそれを遺してくれた故人自身の生前のご人徳によるものだったかも知れません。

願わくば、かけがえのないひとときを共有出来ますように。

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