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手仕事手仕事手仕事、ってやっぱ好き

私には世話になった師匠がいて、その人は作家ではありません。
作家の母親を支えながら刺し子の魅力を世界に伝えたいともがくただの人間です。
立派でもないし、強くも無い。
ちょっと頭がよくて、弁が立って、商売が上手くて、暑苦しい人です。
民藝品ともてはやされ美術品と名が付き、正義と美徳の象徴のように担がれて儲けのために使われる刺し子にいつも怒っていました。

刺し子って、単に布に針を通していくだけの作業です。
誰にでもできることです。
でも、針目にその人が現れるんだってよく言ってました。
師匠が凄いのは針目に込められた人間の想いを大事にしてること。
あとは、弱いのに頑張ってることです。

ただ最初は、東洋カープの絵柄の刺し子キットを試しに買って運針も何も分からないけどすごく楽しかったってだけなのに、ずるずる刺し子の世界に引きずられて。

師匠にも、刺し子を残した先人にも大きな大きな借りを作ったというか背負わされたっていうか、なんか手仕事の運命を勝手に担ってしまった感じがする〜

大事なことがここにあるから忘れないでっていう大きな想いを受け取ってしまって
目を背けながら暮らすにはあまりにも心に深く食い込んでて、
手仕事がもたらすものが何かを知ってしまったし。(後に引けなくなったのは全部師匠のせいだうらむぜ。)

想像を現実にすること
創造って、本当に苦しいし楽しい。
芸術とか才能とかなんとか区別する前に
それは人間の商いっていうか普通に当たり前な営みだと思ってる。
ん〜
なんていうか、作って売るって特別なことじゃないよってこと。
超絶地道で大変なことはそれなりにあるけど、面倒で億劫なことばかりだけど、
自分の中にある感性を信じて、それを表現して、人に評価されて普通に満たされる。

材料を仕入れる、
作ったものを売る、
売ったものを運ぶ、
買ったものを人に見せる
作ることに関わる全ての過程で、人の心もお金も動く。

ただ作って売っていくら手元に残ったっていうだけじゃないのが商売の面白いところで、
自分の創り出したものでその循環を間近に感じながらまた次の創作に打ち込めるっていうのが手仕事の面白いところ。
です!


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