白昼夢の青写真 クリア後の感想
はじめに
どーも。
今回は、Laplacianから発売されているSteam版「白昼夢の青写真」をクリアしたので、その感想を書いていきます。核心部分のネタバレは避けますが、
できるだけ何も知らない状態でプレイしていただきたいので、未プレイの方はご注意ください。
私自身、この作品をプレイした理由は、「なんか高評価のゲームらしい」という、ざっくりとした理由だけで、実際に何も知らないままプレイしました。しかし、それがかえって物語に没頭する結果となり、存分に楽しむことができました。
それでは、感想を書いていきたいと思います。
あらすじ
ゲームの流れとしては、プレイヤーはCASE-1からCASE-3の3つの物語を体験し、最後にCASE-0をプレイする構成です。それぞれのCASEでは異なる時代や背景が舞台となり、プレイヤーは異なる主人公として、それぞれ異なるヒロインとの恋愛模様を体験していきます。
全ての人に刺さる物語
ここでは、ゲーム全体を通した感想を書きます。
本作は、3つの物語と、最後のメインとなる1つの物語で構成されていますが、どれも非常に印象的で素晴らしい内容でした。
3つの物語は、言ってしまえば最後の物語を盛り上げるための「前座」にあたるのですが、そのどれもが前座とは思えないほど濃密なストーリーが展開されます。現代、中世、近未来といった異なる時代が舞台で、ヒロインも年下、同世代、年上と幅広い層が登場し、全く異なる恋愛模様を楽しめるため、飽きることなく楽しめます。
個人的には年上ヒロインの「桃ノ内すもも」が特にお気に入りですが、他のヒロインたちも非常に魅力的に描かれていて、全員に惹かれる部分がありました。
それぞれの物語のテーマもまったく異なり、
冴えない中年男性がこれまで逃げてきていたことに向き合う物語
貧乏酒場で働く青年の成り上がり物語
カメラマンを目指す少年の青春物語
といった形で、各ストーリーがプレイヤーを引き込みます。物語を読み終えた後には、良質な小説を読んだような余韻が残り、もっとこの世界に浸っていたい、終わってしまうのが惜しいと感じさせられました。
最後の物語では、これまでに提示されてきた謎が次々と解き明かされ、
3つの物語が1つの壮大なテーマに収束していきます。
衝撃的な展開が続く中、主人公とヒロインが、自分たちだけにできることを選ぶ姿に感動しました。
思い返すだけで涙が出てきます。
この物語には、明確な「悪人」はほとんど登場しません。
最初は狂気じみた行動に見えても、実はお互いのエゴとエゴがぶつかり合っていたということが後からわかります。どちらの言い分も理解できるので、悪とは何か、幸せとは何かを考えさせられる場面が多々ありました。
全体を通してエゴと愛、そしてやさしさが詰め込まれた物語だったと感じます。
個人的には、どのヒロインも、どの物語も非常に好きで、それぞれの魅力が際立っていたため、多くのプレイヤーに訴えかける要素があるのだと感じました。だからこそ、この作品が人気のある理由なのだと思います。
最後に
本当は各CASEについても感想を書こうと思いましたが、長くなりそうなので今回はここまでにします。
発売からかなり時間が経ち、今さらながらのプレイでしたが、本当に遊んでよかったです。素晴らしい体験をさせてくれたLaplacianに感謝しています。
また、シナリオライターの緒乃ワサビさんが最近小説を出版されたとのことなので、そちらの作品もぜひ読んでみたいと思います。
以上