見出し画像

ドキドキ時々散文

■なんかね、ふわっとね。今のわたしには恐らく書くことが必要であると感じたので、少しずつ書いてみようと思います。ばかみたいに積んだ本。不幸顔して聴く音楽。くたばってる花束。酔っても吸っても寝ても満たされなくて、むしろ手に入れたかったものから離れている気がしていて、平らに言うなら焦燥感を、凸的に言うなら虚しさを、凹的に言うなら馬鹿馬鹿しさを感じてる。こんなことなら、早く早く早く酔っ払ってどうしようもなくなりたい。酔ってるから仕方ないのねって見下ろされたい。わたし、どこ間違えてたのだろう。何に近寄って行ってるのかな。雨が降ってる。凹凸平ら、平等に雨は降るから、雨って優しさなのかも。わたしの涙で花は咲かない。平等じゃない。優しくない。投げ捨てた空箱。怨念で潰した空き缶。くしゃくしゃの紙切れ。落ちたイヤホンからの音楽。そんな目で見下ろしたりしないで。わたしのこと必要と思ってよ、見て、って、恐れなくターン。スカートが舞う。ふわっとね、なんだかね。

■素敵だと思ってた人「何か質問はある?」面接かと思うわ。事前に教えといてよこの時間のこと。予想だにしなかった。けっこう焦って切羽詰まって、黙った。聞きたいことだらけなはずだった。小学校の時好きだった教科はなんですか、好きな季節はなんですか、最近見た夢はetc。これだけ浮かんでも唇同士が頑固。誰も舌なんて入れてこないのに情けない。唇を舐める。互いを解る/知る というのはこんな簡単な質問で可能になることじゃなくて、同じものを見て、聴いて、触れて。そういうことから生じる、相互性のあるものだったんだと思う。わたしの傾向的には。そりゃわたしだって解って欲しい。解って欲しいから文を書く。喋る。笑う。泣く。質問ないならもういいよって言われそうで、怖くなって舌を回した。好きになりそう。好きになりたい。好きになって欲しい。わたしもこういう努力をサボってばかりいた。「わたしのこと好きですか?」言えない。

■晴れてて絶望した。晴れてたら行動しなきゃいけない気がしてしんどい。てめーだけだよなんもやってねぇの、って言われそうで昨日のお酒が胃の中でぐるぐる回る。めちゃくちゃに気持ち悪い。お酒なんて飲むものじゃない。意味ない。思いながらも絶対にまた飲む。やってられない。わたしがお酒に弱いのは、アル中にならないために遺伝子操作されたんじゃないか?素質はあると思う。最低な男子寮みたいな灰皿を見て考える。無性にジャックダニエルが飲みたい。コーラを入れてどぼどぼと氷を落とすとコーラが跳ねて、黒いラベルとわたしに付与される。堕落のレッテル。随分前に知らないお兄さんが奢ってくれた知らないハイボールを思い出す。胡椒入れると良いって言っていた。慣れてないんだよこういうの、言いながらわたしを奥に座らせた。新宿のHUB。思い出したらまた気持ち悪くなってきて、外はまだ晴れていて、引き続き絶望。

■謝れよって思ったことない。謝りたいとは生きているあいだずっと思ってるが。遅刻してきても、まあ「この人にとってわたしはその程度だったんだな」と思うしひどいことされても「あ〜おっけい。」と思う。怒るけど、というか恐らく短気だけど、謝って欲しいとは思ってない。わたしにとっての怒りは 何したらいいか分からない困惑 が1番近いんだと思う。言葉が出てこない。どうしたらいいのかわからない。嫌な気持ちで、傷つけられた気がして、楽しくない。怖い。助けて。そう思って、怒る。だから謝られても意味がわからない。というか、すべての謝罪ってポーズでは?違うか。色んな方向から殴られそうだからやめておく。こんなこと言ったってわたしはずっと謝りたいと思ってる。すべてに。反省してるってポーズなのかもね。誰も怒ることすらしてくれてないのに。謝れなんて誰も思ってくれてない。ひどいことしてるのはわたしなのに。怒って、お前のせいだって言ってくれたら楽になるのに。 誰も言ってくれない。なぜなら、わたしの人生はわたしの責任だから。人を殺したくなる人の気持ちがわかる。怒られたい。謝らせてください。

■なにかになれるかも!と思っていたときがあっただろうか。なにかになれるかもってどういうことだろうか。名前として誰かに覚えられるとか、名前として残っているとか、それが一方通行として残っているかどうかじゃないか。当人側は知らないのに、知らないところで誰かに残っていることだ。そして、その数が多ければ多いほど、「なにか」である気がする。つまり、消費された数なのかもしれない。消費されたい願望、と言うと、果てしなくダサくてしょうもなくて、あまりに程度の低い願望な気がする。でも、もし誰かがこれを、今までの文字を読んで、「矢原小春」を消費していたら。わたしは泣いてしまう気がする。生きている意味すら見出してしまう気がする。消費されたい。あなたの身体の中を流れたい。文字を。苦しさを。あなたのなかに還元して欲しい。あなたの中に「矢原小春」を作って。過去の嫌なことも今の辛いことも苦しみも、わたしに押し付けて、いつか忘れてください。泣かせてくださいよ。こんなこと言ったって、なんにもなれない。入水自殺には浅い川が、春風で荒れる。泣けずに、朽ちる。なんでもないよ。

 ■文字にしたら全部嘘になる。薄くなる。だから話したくない。そんなに浅いこと考えてない。わたしはこれで火がついた。文字舐めんな。言語舐めんな。お前が言語をサボってるだけだろ顔出せよ。と思いながら、そういうことあるよねぇ。と語尾を伸ばした。なるべく火を消そうと、ねえ〜〜〜〜と、息を吐き出す。薄まるのは価値ではなく、思想だ。あなたの頭の中にあるだけでは思想であり続けるだけで、何にもならない。伝わらない。それどころか、いつか消える。わたしが息を吹かなくたって、無風の春だって、いつか消える。この怒りも、書かなければいつか消える。怒ったことも忘れる。火が燃え続けることは有り得ない。だから、書く。伝える。価値が下がろうが薄まろうが、わたしが怒ったことも、あなたを愛したことも、あの子を傷付けたことも、全部全部残しておいたらいい。率直に素直に愛せよ。正面見て、使える言葉全部使え、ボケ。小春は大人だな。言われてわたしの火は消えた。そんなことないよ、まだ22だし。くすくす笑う。言葉なんてわたしたちには、いらないよね。そしてキス。言葉にしたら全部嘘になってる。

■矢原さんには尖りが足りてない。最後まで傷付かないと。携帯投げた。なんだよそれ。わたしに1円も出してくれないくせに、なんでそんなことサラッと言えるんだろうか。マジで、本気で、真剣に、真面目に、正気を疑う。わたしはプロじゃないしなんならアマでもないし趣味ですらない。ハッキリ言ってわたしの文章はオナニー。浮かんでくる言葉を記さないと死ぬ病気みたいなものなんだと思う。それに向かって足りないまだできるって、医者か?精子見て「まだ出るよね」ってこと?えっろ。怒ってるってことは図星だったはずだ。尖り切れない。怖い。あと、傷付き続けられない。誰かを加害者にするのも被害者になるのも嫌でたまらない。いくらでもお金を出すからわたしを研いで欲しい。研ぎ澄まされて、傷付けている自覚すら失いたい。頭を踏まれて、謝れよって、お前が悪いんだよって言われたい。傷付けることも傷付くこともできない。尖れない。柔らかくもなれない。尖るどころか、ひとりで気持ち良くもなれない。病気ですね。次の方どうぞ。

■読み返してたら震えた。とてつもなく気持ち悪いのに、構成的に自分好み過ぎて、興奮した。創作やエッセイではないただの散文は、想像するまでもなく需要がない。見ることすら無意味。評価とか感想とかそういうのは果てしなく逆にある。だから自由だ。ハナから逃げ道が用意されてる。こんなの誰も読むわけないし、意味もオチも良さもない。言葉遊びもしょぼい。入れる意味の無い氷。あの子の笑顔が脳裏。笑うことすらやめた居酒屋。帰ってもバレないだろうな。つらい。みたいな、そういう散文。読まれなくてもいいんだよ。嘘です。読まれたら嬉しい。言葉にするって言うのは、作るって造るって創るっていうのは、気付いてないだけで見て欲しいだけだから。ふわっとした軽い絶望の中で、何にもなれずに嘘になりきれない言葉を押す。ね、ほら。尖りきってない。縋ってる。ダサくていいから書きたい。わたしはあなたに謝りたい。謝らせたい。お前が悪いんだよじゃなくて、君でいいんだよって言われたい。居酒屋であの子が帰った。震えて泣く。そんな自分が気持ちいい。需要ない、情けない。

■誰だって興味持たれたい。陶酔されたい。カルト宗教って全員「いつかわたしも崇拝されるかも」って思ってるでしょ。違うのかな。善行積んだら神に、天使に、仏に、ブッタになれるんじゃないの?救われる側から救う側になれるから、みんな必死こいてお金積んで唱えて走ってる。神は流さない汗を涙を血をだらだら垂らして。撒き散らして。わたしも神になりたい。助けてください救ってください。手を伸ばされてその手を踏みたい。そんなので助けて貰えると思うなよって。興味持たれたい。でも本当は神になんてなりたくなくてただ抱きしめて欲しいだけで、全部解ってるから大丈夫だよって、頭を撫でられたい。全部解ってるから大丈夫だよって抱きしめたい。甘い匂いで頭がクラクラする。恋愛って互いを神にするみたいなどうしようもない堕落。墜落。転落。恋をしすぎたわたしは神になれない。むしろ、もうなり過ぎた。なのに、まだまだ足りない。ないないないないないない。じょいふるかよ、いきものがかりかよ。どう?わたしに興味持った?好きになってくれる?わたしのこと、神様にしてくれる?ねえ、神様になってくれる?

■海辺でヨガしてる女が嫌い。全部が理解できない。海辺で?ヨガ?はい?家でYouTube流しながらやれよ。もしくは教室通えよ。海は好きだけど、女の子は好きだけど、ヨガは意味分からない。ヨガって何?調べたら「宗教的行政」だった。ちょっと引いた。普通に、引きずり込まれそうで引いた。呼吸だし瞑想だし身体。そう思うと調べるまでもなく宗教だ。海だし。海って宗教って感じが、する。海は怖いし好きだ。流されて溺れて苦しめられて、それでもあの美しさに雄大さに無限を感じる。痺れて動けなくなりそうになる。だから恐れて大声を出したり潜ったり食べたり、する。女の子の前でもそうなる。美しくて儚くて壊れそうでなのに突っぱねてくる。わたしのことどうしようもなくさせようとしてくる気がする。彼女の一言で狂いそうになる。でもきっと、そんなつもりなんてひとつもない。わたしのことなんて見てていない。海も彼女も。被害妄想。これすら宗教みたいだ。ならいっそ狂って忘れたい。ビール飲みたい。教室とか通えない。海辺でヨガする女になりたい。自分のこと完璧に嫌いになりたい。

お読みいただきありがとうございます。あなたの指先一本、一度のスキで救われています。