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Photo by
yamoyamori
チョコボール
チョコボールが大好きな子どもだった。というか、チョコボールを開封した時の”当たり”に夢中になっていたんだと思う。銀のエンゼルなら5枚、金のエンゼルなら1枚、集めたものを葉書に貼って送ると、キョロちゃんの缶詰が当たるという、なんとも子どもごころをくすぐられる仕掛けがあった。
おばあちゃんに協力してもらいながら(母方のおばあちゃんは山登りが好きで、よくチョコボールを携帯していた)、なんとか銀のエンゼルを5枚集め、キョロちゃんの缶詰を手に入れた時は、天にも昇る気持ちだった。
今思えば、中に入っていたのはキーホルダーや積み木、置物などで、ずば抜けて面白いものはなかったとは思う。当時の私はそんなことも関係なしに、達成感でいっぱいだった。
もう一つ、チョコボールで思い出されるのは、小学一年生の時のこと。
”チョコボール いちご味”を食べ終わった後、箱にイチゴの香りが永遠残っていることを発見した私は、当時大好きだった恐竜のイラストを描いた紙を箱に貼り付け、
”外装に恐竜があしらわれたイチゴの香り箱”なるものを発明した。くちばしを開けて、中から香りを楽しむ仕掛けだ。
学校に持っていき、ウキウキしながら友人に渡し、反応を伺うも、早々になんじゃこりゃ的なことを言われ自信をなくし、早々にゴミ箱行きとなった。
こうして人はだんだんとつくる楽しみを忘れ、社会によって作られた楽しみでしか幸せを感じられなくなる。金にならないもの、金にならない人間はゴミ箱行きとなる。
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