見出し画像

原稿用紙

 原稿用紙を買った。エッセイを書くためだ。手書きで作成しているZINEに掲載する予定のエッセイを書く際、パソコンに打ち込むのが億劫になった結果「久しぶりに原稿用紙に書いてみるか〜」と小学生ぶりに書店で購入した。
 鉛筆を持つこと自体久しぶりだ。消しゴムも。
カリカリと心地よい音と共に、粉が舞う。
しばらく書き進めると、右手の小指側面に黒い跡が残る。漢字ドリルをこなしていた頃が懐かしい。

原稿用紙は、読書感想文を書く際に使用していたが、その内容はとてもお粗末なものだった。本の一部を抜粋し、「すごいと思いました」や「いいと思いました」で締めくくる。懐かしい。
 そのころに比べると表現の幅も多少なりとも増えた。大人になったなぁと感慨深くなる。

便利な世の中になり、世に溢れていたものは、パソコンやスマートフォンがその役割を担うようになった。ただ物事には一長一短がある。餅は餅屋ではないが、原稿書くなら原稿用紙。何かに行き詰まった時は、そのギアから変えてみてもいいのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?