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日記 ダンスしながら生き延びて

先日、「思い出野郎Aチームpresents”ソウルピクニック 2023”」に足を運んだ。

新型コロナの感染拡大に際して行われた「思い出野郎Aチーム presents ソウルピクニック・ファンディング」のリターンである思い出野郎Aチームの主催ライブのフリーパスを使う時がとうとうやってきた。コロナ禍まっただ中では「東京にライブ観に行ってきたよー」なんてに誰かに言おうもんならその場にただならぬ緊張感が走ってしまうような片田舎に住んでいるので、数ヶ月前からちょくちょくライブやらイベントやらに気軽に行けるようになってとても幸せな今日この頃である。

思い出野郎Aチームのライブを観るのは初めてだった。音源は「夜のすべて」しか聴いたことがない。あとはYouTubeでちょこちょこMVやライブ映像を観るくらい。正直メンバー編成もよく知らない。新しいアルバムが出ることをライブの2日くらい前に初めて知る。やばい。「ダンスに間に合う」でファンになってアルバムを延々リピートしていた割に全然このバンドを追えていなかったのである。会場までの道中慌ててサブスクで今まで出ている曲を予習する。どの曲も自分のテーマソングにしたい勢い。なんて最高なバンド。

ライブは終始ハッピーな空間で、自分の気持ちの高ぶりとリンクしてオーバー気味に聴こえてくる観客の歓声がすごくすごく嬉しかった。この人たちもこの曲で踊ることが必要な人たちなんだな、と思うと一つになれている気がした。

「踊ること」がテーマの曲ばかりだから、今まさに踊っている私のための曲。否が応でも感傷的にならざるを得ない。

人は楽しくても悲しくても踊る。私にとってダンスは苦しみの昇華だ。何も持ってない、無くしてばかりの私がありのままの自分を認めて生きられる瞬間だ。パーティーが終わることを予期して、このまま永遠にパーティーが続くようにと踊り続けるその祈りのような時間は痛みを伴うけど、それでも、踊らないよりはずっと良い。これからもずっとそうやって夜を越えるしか私に生き延びる術はないのだと思う。

このライブは、痛みとともに踊る私たちの居場所だったし、これからも、いつでもどこでも、そうであり続けてくれると思う。いつか喜びいっぱいにダンスができますように。


悲しみを笑い飛ばして 夜をぶっとばせ ソウルミュージック
僕は今夜君となら 全部笑える気がするんだ

笑い話の夜/思い出野郎Aチーム





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