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2つの推しグループに感謝を込めて

私には応援しているアイドルがいる。フィロソフィーのダンスとSexy Zoneだ。

各グループ、各メンバーについて好きなところはたくさんあるが、両グループに共通しているのは自己否定を伴わない形で向上心を持っているところだと思う。

自己否定の形を取らない向上心を持つのは難しい。「こんなんじゃダメだ」と歯を食いしばる。そんな頑張り方を、自分もよくしている。

でもSexy Zoneとフィロソフィーのダンスのメンバーは、向上心と「これまでがあって今があるのだ」という自己受容の両立が上手い。

最初から全員がオールウェイズポジティブピープルだったかというとたぶんそうではないだろう。フィロソフィーのダンスの奥津さんは所属していたバンドが解散したときのことを

人生それしかなかったので、そのときは死のうかと思いました(『U Got The Look』)

と振り返っていたし、Sexy Zoneの松島聡さんは

僕が本当の意味で100%自分に自信を持てるようになったのはきっと休養期間を終えてから(『MORE』2021年10月号)

と語っていた。

それでも今自信を持って輝いているのは、前を向いて走っているのは、アイドルとしてメンバーと走る覚悟があるからなのだろうなと思う。覚悟を決めているからこそ、現在の自分を過去から続く夢への途中として受け止められるし、その先にも向かっていけるのではないだろうか。

■フィロソフィーのダンスの覚悟

フィロソフィーのダンスはアイドル志望者を集めたグループではない。バンドマン、シンガーソングライター、アイドル、格ゲーの応援団が集まって、アイドルグループになった。

それでも各々が腹を括ってアイドルをやり、メンバーや楽曲を愛し、歌い、踊っている。

歌を辞めないために、どうにか歌って生きていくためには新しいことやらなきゃって。もう死ぬ気でやろうと思いました(奥津マリリ/『U Got The Look』)
続けても成功するか失敗するかわからないので不安だったんですけど、腹を括って始めたことだし、このグループの曲もメンバーも好きなので、どういう未来があるかわからないけど続けようと思っていました(日向ハル/『U Got The Look』)
アイドルであることは私たちの誇りだし、捨てたくないですね。(……)フィロソフィーのダンスは今後もアイドルの看板を背負って、たくさんの方に愛されるグループになりたいと思いますし、私たちをきっかけにアイドルというジャンルに興味を持ってくれる方も増やしていきたいです。(十束おとは/「フィロソフィーのダンスとボーダーレスなアイドル像を考える」
私はフィロソフィーのダンスを青春の1ページという気持ちではなく、ここまで来たら人生だと思ってやっているので。(佐藤まりあ/「フィロソフィーのダンスとボーダーレスなアイドル像を考える」

メンバーの十束おとはさんはアイドルを「誰かの人生にパワーとときめきを与えてくれる存在」と定義していたが、まさにそんな存在だ。フィロソフィーのダンスが「ここに間違ったステップなんてないんだ 誰のものでもない方法を踊れ」と歌うたびに、前に進む力をもらえる。個性的かつラブ&ピースなグループだと思う。

■Sexy Zoneの覚悟

Sexy Zoneもまた、予想外のメンバーが集まったグループらしい。新規なもので最近のインタビューから推察することしかできないが、「こんなはずじゃなかった」と思うメンバーもいたそうだ。

それでもSexy Zoneとして上を目指すことを決め、グループを愛していることが随所から伝わってくる。

このままだとグループはダメになる、自分にできることはなんなのか……。そこで、決意したんです。最年長である自分がしっかり引っ張っていこう、グループのことを、メンバーのことを、より多くの人に知ってもらうために自分が"入り口"になろうと。(中島健人/『MORE』2021年8月号
5人とファンのみんながハッピーであること。それ以上多くのことは望まない。(菊池風磨/『QLAP!』2021年11月号)
僕は人生をかけてSexy Zoneをやっているから、それは誰にも止められないと思いますよ。(佐藤勝利/『bis』2021年3月号
僕にとってはSexy Zoneって"当たり前"な存在なんです。考えない日はないし、夢にも出てくるし、家族との会話にも出てくる。(松島聡/『MORE』2021年11月10月号
ボクがSexy Zoneが大好きなのは、そういうところ! (……)"喜怒哀楽"がわかりやすくて、人間らしい。(マリウス葉/『WiNK UP』2019年6号号)

紆余曲折があったからこそ、それぞれが自分らしく幸せでいるという大前提を大事にしているなあと思う。5本の道が集まって、一つの大きな道になっているようなグループに見える。POP×STEP!? TOUR 2020での「RUN」の演出は、グループのことを知った今だからこそ胸を打つ。


■両グループのファンとして思うこと

夢に向かって走っている姿はとてつもなく眩しい。そして自分もああなりたいと思う。もちろん、別に歌って踊りたいわけではない。自分も腹を括って、小さくてもいいからこれだと思えるものを見つけたいという話だ。

社会人3年目が近づいているものの、何が好きなのか、何が強みなのか、いまだによく分からないままだ。推しに恥じない社会人であるために手は抜かずに頑張ってはいる。でも、何かひとつ覚悟を決められている感覚はない。

こんな自分でいいのだろうかと悩みは尽きないが、「まだ愛しきれない それでもいいよ」と歌うフィロソフィーのダンスと「どんな君だってそれでいいよ」と歌うSexy Zoneに支えられながらなんとか前を向いている。

いい推しの日によせて、いつもありがとうの気持ちを込めて。自分らしく、愛を込めて、ハッピーに。そんな人たちに出会えてよかったです。