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【ゲームレビュー】ダークヒーローと仲間たちの冒険『テイルズ オブ ヴェスペリア Definitive Edition』

ゲームの概要

PS3とXbox 360で発売された『テイルズ オブ ヴェスペリア』のグラフィックを向上させてリメイクしたリマスター版。本作は、『テイルズ オブ』シリーズの中でも最高クラスの人気を誇る作品であり、その魅力はストーリーと世界観、ゲームメカニクスの両面にあります。

ストーリーと世界観

本作の舞台は、古代文明の遺産である「ブラスティア」と呼ばれる装置によって支えられた世界です。ブラスティアは、世界に満ちるエネルギーを利用して、人々の生活を豊かにしています。しかし現在、ブラスティアの乱用によって、世界は危機に瀕しています。

そんな世界に住んでいるのが本作の主人公であるユーリ。彼は、元帝国騎士団の一兵士であったが、ある事件をきっかけに騎士団を脱退しました。その後、不思議な力を持つ貴族の令嬢エステルと出会い、相棒の犬ラピードとともに、彼女の使命を果たすために旅に出ることになります。旅を続ける中で、ユーリたちは世界の実情を知り、古代文明の遺産であるブラスティアという技術に依存する文明の危機に直面します。ユーリたちは新たに「ギルド」を作成し、仲間を集め、帝国と対峙することになりますが、果たしてその結末とは…。

ゲームメカニクスについて

本作のゲームメカニクスは、テイルズシリーズの特徴であるアクションバトルをベースに、さまざまな魅力的な要素が追加されています。バトルはリアルタイムで行われ、キャラクターの移動や攻撃、スキル、アイテムなどを自由に操作できます。本作では、オーバーリミッツというシステムが導入されており、これはバトル中に溜まるゲージを消費して発動できる特別な状態です。発動中は攻撃力や防御力が上がり、スキルの連続使用や秘奥義の発動などが可能になります。また、オーバーリミッツ中に特定の条件を満たすと、バーストアーツという強力な一撃を繰り出すことができます。これらのシステムは、バトルに緊張感と爽快感を与えるとともに、戦略性も高めます。

本作では、キャラクターの成長も重要な要素です。例えば、装備品にはスキルが付随していますが、装備品を長く使うことで、そのスキルを習得することができます。スキルには、攻撃力や防御力を上げるものや、バトル中に特殊な効果を発揮するものなど、さまざまな種類があります。スキルはラーニングすることで、武器を外してもキャラクターにセットすることができます。また、スキルの習得や組み合わせによって、新たなスキルや秘奥義を発動できる場合もあります。

良かったところ

本作の良かった点は以下の3つです。

キャラクターの魅力

本作に登場するのは、みな個性的で魅力的なキャラクターばかりです。主人公のユーリは、正義感が強く、行動力があるが、時には冷徹になるダークヒーロー。彼の相棒である犬のリピードは、忠誠心が高く、戦闘では強力なサポートをしてくれます。そして、ヒロインのエステルは、不思議な力を持つお姫様で、純真で優しいが、旅を通して成長していきます。その他にも、元帝国騎士のフレン、魔導士のリタ、海賊のパティ、クリティア族のジュディスなど、多彩なキャラクターがたくさん登場します。そうしたキャラクター同士の掛け合いやスキットも、本作の見どころの一つといえます。

バトルの爽快感

本作のバトルは、攻撃や防御、アイテムや術技などを自由に使って敵と戦うリアルタイムで行われるアクションバトルです。術技でオーバーリミッツという状態になると、連続で発動できるようになり、さらにフェイタルストライクという一撃必殺技も使えるようになります。これらの要素を組み合わせて、コンボを決めたり、敵の弱点を突いたりするのが、本作のバトルの醍醐味です。

やりこみ要素の豊富さ

本作は、ストーリーだけでなく、料理やミニゲーム、シークレットミッションなどのやりこみ要素も豊富です。料理は、回復や補助効果を得ることができるシステムで、レシピや食材を集めて、キャラクターごとに料理を作ることができます。また、バトルには、シークレットミッションという隠し要素があり、特定の条件を満たすと、ボスに対して追加ダメージを与えたり、レアアイテムを入手したりといったフィーチャーが盛り込まれています。

気になったところ

本作は、オリジナル版よりもグラフィックが綺麗にはなっているのですが、それでも、キャラクターのモデリングやテクスチャ、背景の細部などは、現代のゲームと比べると、XBOX360やPS3時代の作品だなぁと思ってしまいます。特に、カットシーンやアニメーションは、動きがぎこちなかったり、表情が乏しかったりする点は気になりました。これらの点は、リマスター版として、改善されて欲しかったところですね。


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