親ガチャに外れたくない。

最近世間で話題になっているらしい、親ガチャという言葉。
今の若い世代の間で生まれたらしく、お金が無い親や教養などの無い親から産まれたら人生終わってる、みたいなことらしい。

私は親になった今、その言葉が半分腹立たしくて、半分びくびくしている。

まず、親だって子供選べないじゃん?と言いたいのである。

いくら注意をしてもソファーで跳ね続け、挙げ句の果てにソファーの角に額を打ち付け泣き出す。
注意をしているのに手元のおもちゃにしか意識が無く、私の声などいつも脳ミソまで届かない。
食事に早々に飽きて、床に転がり始め、食べ終わるまでに毎食1時間は近い。
言い出したら親だってキリが無い。

それに、子供を産んだら今まで一人の女として生きてきた人間が、いきなり菩薩みたいな女神みたいなオーラは放てないし、いつか産まれてくるかもしれない子供の為に金持ちや秀才になろうと学生のうちから志して努力するなんてこと到底あり得ないのだ。

大体の母親はお腹で生命を宿し、育て、陣痛が来たら子を産む。
父親なんてお腹から出てきて初めて自分の子供の存在を認識する。
そこから親というものがはい!スタート!なのに、それまでの人生どうすりゃいいんじゃ、と叫びたい。
そりゃ頭が良くて金持ちで美人だったらどれだけ良かったか。
とうにいるはずのドラえもんが居ないこの世の中は、ずっと昔から全てがガチャガチャなのである。

だから親自身も親ガチャによって産み出され、その親もまた親ガチャから産み出されているのを忘れないで頂きたい。

それと同時に、いつか愛しい娘に
「親ガチャ外れて終わってる。」
と10年後の反抗期に冷たく言われるのをびくびく恐れていたりする自分がいて。

きっとその時は
「すまんね。」
としか口から出てこないんだろう。

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