こうじゃなきゃいけない、のあれこれ。

日本にはなんだかんだで半年に1回のペースで帰っているのに、帰る度いつも色んなことにびっくりする。この国に住んでいたら今頃あちこちからのプレッシャーに押し潰されていたんじゃないかと思う。

年老いていくことはちっとも悪いことじゃない。若さを失うことも別に怖くない。私は自分の人生は30歳からだとなんとなくずっと思っていて、30歳からの人生どうしたいかとあれこれ考えるのが好きなんだけど、「もうすぐ30歳でおばさんじゃん!」と、まるで何か焦らなきゃいけないことのように言われて不思議だった。本当にどう反応していいかわからず、はぁそれで?という感じでぽかんとしていた。

結婚のことを聞かれるのも不思議だった。こっちでは結婚自体をしたいと思っている?という質問をされたことはあるけど、いつ結婚するの?と結婚する前提の質問をされたことはなくて、なんて答えていいかよくわからなかった。誰かが同じ質問されるのを見ていても、プライベートなことなのにいいのかな、嫌な思いをしていないかなとひやひやしてしまった。

私の人生は私の人生で、他の人と比べたって仕方がないし、結婚した方がいいとか子供はいた方がいいとか、この年齢ではこうするべきとか、そういうよくわからない価値観を私に押し付けないで欲しい。

他人に誰かと比べられるのも、自分で誰かと比べてしまうのも嫌で、でも私にとって日本はそういう場所だったなと思う。いつも完璧じゃなきゃいけなくて、私は全然完璧になれなくて。こうじゃなきゃいけないっていうあれこれが、とても苦手だった。上手くやれているだろうかと考えすぎて、結局何も出来なくなってしまう。

日本への気持ちはいつも複雑で、あんなに嫌だったのにこうやって出てしまえば良い部分にもたくさん気付くし、一時帰国の度、あぁこの国に住めたら楽しいだろうなと思う。でもどんなに日本が楽しい最高と思っても、絶対に戻りたいと心から思うことは今はない。

私をフォローしてくれる女の人達は、いつもなんだか辛そうで、それでも自由になりたいと思っていそうで。だから今、あの「世間の目」に苦しんでいる人達が、ちょっとでも楽になれるようなそういうことを、遠くにいるけど、書けたらいいなと思っている。