見出し画像

ダサい自分を引き受けること。

思えば私の人生はくだらない自意識との闘いなのではないかという気がする。

好きなものを好きと言うのが苦手。やりたいことをやりたいと素直に言えない。そんなに知っているわけじゃない、私より詳しい人はたくさんいる、才能があるわけじゃないと言い訳する。周りになんて言われるのか、どんな目で見られるのか気になって何も出来ない。向いてないと言われたらすぐ諦める。

だから英語を勉強する、留学するって決めたときも、周りにほとんど言わなかった。否定されるのが嫌だったし、ちっとも喋れないのにそんなことを言うのが恥ずかしくて。

ロンドンに留学していた頃、素直に好きなものを好きと言い、自分の夢を追いかける若い子たちに会った。眩しかった。決して簡単な夢じゃない、でも自分のことを信じてて。私は英語が喋れるようになりたいという、たったそれだけのことさえ素直に言えなかったのに。

初めて会ったとき18歳で、ファッションと写真が好き、写真家になりたいと言っていた女の子は、今年アシスタントを辞めて独立した。今だって悩んでもがいてるけど、あの頃と変わらず好きなことにまっすぐで、その姿に私はいつも励まされている。

ねぇ好きなことを好きだと言って、例えダサくたって上手くできなくたって、それを受け入れていかないと前には進めないんだよ。

プログラミングはずっとやりたいと思っていた。2年前、プライベートのMacbookをAirじゃなくてProにしたのは、いつかプログラミングを勉強するときに便利なんじゃないかと思ったから。でも恥ずかしくて誰にも言っていなかった。何が恥ずかしいのかという感じだけど、自分には無理だと思われるのが嫌だった。

ダブリンにいた頃ずっとパリでの仕事を探してて、見つからなくて、自分には何の価値もないんじゃないかと鬱になって、友達と話して、ピンと来た。プログラミング勉強しよう、キャリア変えよう。ずっとやりたかったことじゃん。どん詰まりの時だからこそ、何かを変えるチャンスだと思った。

というわけで仕事を辞めてフルタイムでフロントエンドの勉強を始めてから7ヶ月経った。予定ではすでに仕事が見つかっているはずなのに、見つかっていない。このまま見つからなかったら?と考えると鬱になるし、あまり人には話したくなかった。かっこ悪いから。7ヶ月も毎日勉強してまだ無職かよ。でも超どうでもよくなってしまった。私、まじ必死だから。周りにどう思われようと本当にどうでもいい、仕事を見つけるんだ!!!!

最近この世で最も苦手なネットワーキングをしている。誰も知っている人がいないミートアップに行った。たまたま隣に座った女の人が新しく立ち上げた会社のCTOをやっていて、コミュニティの色んな人を知っていて、私に紹介してくれた。それが仕事に繋がったわけじゃないけど、それでも超大きな一歩だ。彼女は外国人かつ女でマイノリティの私をめちゃめちゃ応援してくれている。なんだそりゃと思う。本当になんでもない私を、無条件に親切にしてくれる人がいるなんて。私もいつかこの恩を他の誰かに返すんだ。

上手くいくことばかりじゃない。初めて行ったカンファレンスではなかなか話す人が見つからなくて、隣の人とちょっと話した以外、夜の飲み会までほぼ誰とも話せなくて死にそうだった。それを助けてくれたのもそのCTOの女性で、でもいつまでも彼女に頼ってばかりはいられないし、知らない人に話しかける術を身に付けなければと思っている。

本当は仕事が見つかってから、綺麗なサクセスストーリーを書きたかった。特に隠してもなかったけど、積極的に言ってもいなかった。だってダサいんもん。全然綺麗なコードを書けないし、7ヶ月も勉強してるのに知らないことがありすぎる。かっこよくいたかった。でもそんなの、まじくだらないしどうでもいいなと思った。「ダッセェくらいなんだよ我慢しろよ!」を読んで、本当にそう思った。ダサくていいじゃん。好きなこと追いかけて何が悪いんだ。失敗するつもりはない。だって諦めない。

今は同じようにDeveloperになるために勉強している人たちとチームを組んでコードを書くChinguというコミュニティに参加している。前回初めて参加してものすごく勉強になったので、今回も参加していて、先週末新しいチームが発表になったばかり。このオーガナイザーのChanceも信じられないくらい親切で、私にベストなチームは何かを考えて経験あるエンジニアと一緒のチームにしてくれたので、本当に感謝している。同じようにプログラミング勉強している人いたらおいでよChingu、みんな優しいよ、ここで経験積んで仕事を見つけた人たくさんいるよ。

29歳になったから、ダサい自分を認めることにした。今書いてて超すっきりしている。ここからがスタートなんだ。これからはダサい自分を超オープンにして生きていきたいと思っています。あなたにもダサい自分はいますか?もし誰にも言えないダサい自分がいたら、こっそり私に教えてください、例え一人だけでも誰かに言うことは大きな一歩になる。きっと清々しい気持ちになるから。ダサい自分を認めた私は、ダサいあなたを笑ったりしないよ。