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異質なものと危険なもの

朝からアポイントが入っていた。電車内、座席は埋まっていた。つり革につかまり立っている乗客もいた。それにも関わらず、一箇所だけ空いている席があった。

優先席だ。比較的広めの優先席に、1人の男性が座っている。隣には随分スペースが空いている。周りには人がいない。

優先席とは、高齢者・障害者・体調不良者・妊婦・子連れの方などの着席を優先する席である。

半径15メートル以内に誰もいない。優先されるべき人がいないのならと、私は空いていた優先席に腰かけた。「まったく、みんなお人好しだなぁ」などと思いながら。

異質な人

席に座ると、どこからともなくカチカチカチカチ…と音が聞こえる。隣の男性だ。電車の壁に指をあて、一定のリズムを刻んでいる。しばらくすると音が変わった。今度は窓でリズムを刻み始める。そして、ちょいちょいうめき声をあげる。

なるほど、ほかの乗客はそんな彼を警戒し15メートルの距離を空けていたのだ。

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