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コミュニケーションツールが増えて忙しい

2020年現在、未だにテレアポの電話がかかってくることがあります。

電話回線が昭和とつながっているのでは?もしや時空が歪んでいるのかも?」と心配することだってあります。

頑張って売りたい気持ちは分かるけれど、こちらとしては、仕事の邪魔をされて突然何かを売りつけられようとしているわけですから「よし、絶対この会社からだけは買うまい!」という確固たる気持ちが湧いてきます。

また、丁重にお断りしたにも関わらず、後日同じ電話がかかかってくることもあります。丁寧に伝えても改善されないので、最近は営業電話の後はすぐに着信拒否の設定をしています。


コミュニケーションツールの変遷

テクノロジーの進化で、私たちが得たもの。それは機能。けれど、機能と同時に失ったものもあるのです。結論を言うと、それはシンプルさです。

現在までの流れを振り返ってみましょう。

手紙期:電話がなかった頃、きっと文通をしていました。多分、人類は手紙を書いていた。

電話期電話が普及すると、遠隔の人とリアルタイムで言葉のキャッチボールができるようになりました。電話と文通のカルチャーへ。あ、FAXとかいうやつも登場したのかな…。

電話最盛期:インターネットの登場で、メールが普及。電話、メール、手紙、FAXの四強時代。それでも、まだ序列がはっきりしていた気がします。電話は、センターの座を守り続けてきました。

地域格差期首都圏を中心に「メールでOK」のカルチャーが誕生しました。とはいえ、「メールは失礼」というマナーは根強く、特に地方では電話は不動のセンターポジション。

業界格差期IT業界を中心に、Slackなどチャットでコミュニケーションをはかるカルチャーが勃興。同時に「チャットの導入は厳しいので、せめてメールで」と多くの企業でメールの存在感が急激に高まったように思います。請求書を紙で郵送しないとNGという会社も多かったのですが、このあたりでpdfファイルをメールに添付すればOKという会社が一気に増えました。あと、FAXがほぼ滅亡しました。

⑥リモート期:昨今の地殻変動によるリモートワーク推しで、ここ数年でチャットが主流になるかもしれない。そんな流れになってきています。


電話時代の終焉?!

今、電話の価値が問い直すときが来ています。

かつて、丁寧で速い便利なツールと思われていた電話は、現代では思いやりのないツールになりつつありす。

かける側のタイミングでかけるということは、かけられる側の都合を無視した自己中心的なアクションと言わざるを得ないでしょう。

かけられる側は、強制的に仕事を一時停止し、相手都合の話に対応しなければなりません。チャットなら一区切りついてから返信すればよいけれど、電話は即時対応するしかなく、集中が途切れてしまう。

また、チャットなら5秒で済む話に1分ほど時間を割く必要があります。これでは生産性が下がりまくってしまいますね。

旧時代のホワイトカラーの多くが、「電話するのが仕事」みたいになってたんじゃないかと思えてしまうほど電話は重たいわけです。

現代のビジネスパーソンはジャグリングをしています。PCでカタカタしているだけに見えて、やっている業務は多岐に渡るのです。

時間との戦いを繰り広げるビジネスパーソンにとって、緊急時以外の電話は害悪と言わざるを得ません。

電話は、今や消化器と同じぐらい緊急時のツールと考えてちょうどよいと思うのです。


バリエーションという複雑性

電話嫌いの私が、ここまで好き勝手に書きましたが、実際にはコミュニケーションツールは人それぞれの「正解」があります。

そのバラつきこそ、現代のビジネスコミュニケーションの最も大きな課題の一つだと思います。

社内においてはツールを決めてしまえば簡単に済む話です。ただ、社外とのコミュニケーションツールまではなかなか限定できません。

以下の公式が成り立つのです。

これはチャットで、あれはメール、こういうときは電話で、ああいうときはビデオ通話。え?FAX?!(ちょっと勘弁してくださいよ)。あと、こういうときは直接会いに行ったほうが良いな」×「人」=「めっちゃカオス

バリエーションが増えると、機能は便利になるけれど、使い分ける複雑さが求められます。内容と相手に合わせて、適切なコミュニケーションツールを選んでいくセンスが求められるんですね。

コミュニケーションツールを選ぶセンスがないと、給料をもらいながらお客様に不快感をまき散らすだけの簡単なお仕事になってしまうわけです。契約が取れるわけがありません。

極端な話、80代のおばあさんとSlackでコミュニケーションしないですよね

何だったら適切なのか?伝える内容にもよるし、タイミングにもよる。何より、その人による。

一人ひとりに合わせて、適切なコミュニケーションツールを選択をしていくということ。

最適なコミュニケーションの方法を考えているうちに1日が終わってしまうほど、現代のビジネスパーソンは忙しいのです。

私たちは今、益々複雑になったコミュニケーション環境にいます。

追伸

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