人間ファーストの仕組み
社会の「仕組み」の中に私たちは生きています。それはそれは複雑な仕組みです。
法律を守らなきゃいけないというのに、法律を全部知っているという人が一体どれぐらいいるんでしょうか。
国家は、国の秩序を保つために国民に法を守らせます。そして、どうしても法律を守れない人を刑務所へ送ります。それだけの権力が彼らにはある。
でも、きっと私たちの多くは守るべきルールがいくつあって、具体的にそれが何なのかを理解していません。
それにも関わらず、私たちはルールを守る。どうして仕組みが機能しているのでしょうか。
きっと「悪いことをしたら捕まる」ぐらいのかなり単純な認識で理解しているのです。
法律を詳しくは理解していないけど、「それ法律違反だよ!」と言われると手錠をかけられることを想像し、止めておこうという気持ちになります。
悪いことをしたら捕まるというのが、もっとも簡単に理解できるもっとも恐ろしいことだから、心に刻み込んでいるのでしょう。
でも、たとえ秩序が保たれたとしても、「悪いことをしたら捕まるから法律を守る」というのは、何かいつのまにか飼い犬みたいになっていませんか。
国民という主人がいて、国民が暮らしやすくなるために国民の代表がルールをつくっているはずなのに、捕まらないためにルールを守っていくのであれば何かよく分からない感じがします。お上が国民を管理するためだったっけ。
立派な仕組みがあったところで、人は自分が覚えたいことを覚えたいようにしか覚えないのだということです。これは人に覚える能力が備わっていないというよりは「覚えたくない」というほうが近い気がします。断片的に情報を取り入れた結果、目的がすり替わっても気付かない。
いびつではあるけれど、仕組みがかろうじて機能しているのは国家のパワーがあるからこそです。権力、つまり、恐怖によって成立している。
しかし、「覚えたくない」「守りたくない」そんな仕組みは権力が弱まればあっという間に機能しなくなります。
私が小学校の頃の先生を思い出してみると、クラス統治のために、さまざまな独自ルールを設けていました。
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