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振り子のように揺れる社会で

ミクロ(個人)でごちゃごちゃやっていることが、最終的にマクロ(社会)で帳尻が合う。だから、みんな好きにすればよいと私は思っている。

ハンコ

一見よいことも誰かにとっては悪いことだ。たとえば、ハンコをなくそうという動きなんかは分かりやすい。

ここにきて「ハンコという悪しき習慣をやめて、電子署名へ!」と一斉に叫んでいる。ハンコがこの世から消えて無くなったところで、私は痛くもかゆくもない。さまざまな手続きが簡素化されるのは単純に嬉しい。一方、ハンコ業界の人からしてみれば、第三次世界大戦レベルの衝撃である。

それぞれに立場がある。「ハンコ業界の人がかわいそうだ、あんまりだ」と思う人もいるかもしれない。そのために一体何ができるだろう。ハンコを1つ買ってみたところで持続性がない。無意味とは言わないまでも気休めに過ぎない。利権でズブズブに保護する以外に今の規模を維持することはほぼ不可能である。どうすればよいのだろう。

問題だと思う人が「問題だ」と叫べばよい。それを受け、問題だと思った人は胸に止めたり、何か行動を起こせばよい。逆に、それを聞いて「うるさいな」と思ったなら距離を取ればとればよい。突き詰めれば、みんな自分の正義に生きているだけなのだから。

DX

ハンコに限った話ではない。もう少し大きな視点で見ると、今ビジネスシーンではDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれている。簡単にいえばデジタル化のことで、脱ハンコもこの中の一部に含まれる。

DXが進むと生産性が劇的に上がる人たちがいる。一方で、コンピュータ音痴の人たちは淘汰されることになる。コンピュータ音痴の人は年配者に多いだろう。再就職の難しい世代の人たちが、職を失ったり給料が下がったりするだろう。どの立場から見るかでまったく状況は変わる。年功序列、終身雇用の良くも悪くも安定的な構造は崩れ、下克上の不安定な実力社会へ。

社会全体で見たときに、あらゆる物事は振り子のように揺れている。振り子のように揺れるその影でたくさんの個人がそのトピックの犠牲になっている。

問題と問題はコインの表と裏

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