常松祐介

建築史研究 / 著書『リノベーション名建築の旅』/ 東京大学博士課程在籍 / 日本近代…

常松祐介

建築史研究 / 著書『リノベーション名建築の旅』/ 東京大学博士課程在籍 / 日本近代建築史 // 東大寺学園 / 藤井恵介研→川添善行研→加藤耕一研 / オランダwessel de jonge architectenインターン / 第13回出版甲子園グランプリ

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〈動員-交易-地縁〉現代都市の考古学

 14世紀にエジプトを訪れた一人のヨーロッパ人は、こう記している。「ひとつのピラミッドの中腹に、表層の石をはがし、下へころがり落としている石工たちを我々はみとめた。…この表層の石をはぎとる作業は、千年以上も前から始まっているということだ。」  ピラミッドは主に近隣から切り出された石灰岩からなるが、かつてその表装は赤や白の花崗岩で覆われていた。この巨大な人工の「山」からは、有史以来絶えず、特に利用価値の高い花崗岩が「採石」されていたのだ。  ピラミッドが立地する下エジプトでは、

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