金沢と京都
金沢ってどんな街なんだろうと色々考える機会が多い。
金沢は小京都ではない。と言い出して、と言うか言われだしてからもう随分たつけれど、
京都にも金沢にも深い縁がある僕としては、確かに金沢に京都らしさはほとんど感じられない。
唯一、鴨川と犀川の雰囲気がなんとなく似ているかなあと思うくらいで。(鴨川と犀川の関係については面白い話があるのだけれどここでは触れない)
大雑把に京都は公家文化、金沢は武家文化という風に言われる。
公家文化の「雅」に対して、武家文化の「質実剛健」。
京都の公家文化って何だろう?
実際に今の京都のイメージの多くは、武家文化の原点である足利将軍家によって作られたものが多い。
臨済宗系の寺院、金閣寺、銀閣寺などなど。
いわゆる室町文化。
これは禅宗の影響を受けた武家文化が公家文化を吸収する形で作られた文化で、現在の日本建築につながる書院造、枯山水庭園、能・狂言、茶の湯、生け花、水墨画など、日本を代表する多くの文化が、室町時代の京都で生まれて発展した。
金沢の伝統文化の多くは、京都と同じように室町時代に開花した武家文化の系譜であることは間違いないだろう。
ということは、京都も金沢も同じ武家文化の線上にあるとも言える。
でも、京都と金沢は違うんだな。
1300年という歴史の積み重ねがある京都と前田利家入城から400年ほどの金沢を比べるのは酷な話で、京都には国宝の建物は72棟もあるのに対して、金沢には皆無。
それどころか、隣の富山県高岡に国宝瑞龍寺がある。
まあ、京都と金沢を比べるのが間違っているのであって、
京都では金沢のような豊富で新鮮な海の幸は望めないし、
京都は京都、金沢は金沢。
あー、京都に行きたい。
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