【映画感想】凶悪※ネタバレあり

友人に「リリー・フランキーの怪演がいい」と薦められて視聴。
いや、やはり悪役のリリー・フランキーは素晴らしい。狂ってる。
「そんな顔されちゃぁ興奮しちゃうじゃないか」というセリフがここまで真に迫る役者はそうそういない。

ただ、それ以上に狂っているのが山田孝之演じる藤井。時期的に勇者ヨシヒコの第二作と第三作の間なのでいつ「エッチなことしたんですよね？」と言うんじゃないかと笑いそうになったが、中盤から家庭の問題を置き去りにして取材していく様の狂気に演技は素晴らしく、どっぷり世界にハマってくる。目だけであそこまで演技できるのはすごい。家庭の問題から目を背ける時の目と事件を追っていく時の目が全然違う。多分、彼が一番狂ってる。

内容は実話をベースにして、淡々とした雰囲気だが、非常に胸糞悪い。個人的な事情で家族の絆が理解できないので、なぜ妻の人生を犠牲にして認知症の母親をホームに入れないのかが、理解できず、そこだけよくわからなかった。金銭的に問題があるようにも思えないし…取材に夢中になって正常な判断力を欠いていたか、単に藤井が狂っているのか。どちらかというと酒飲ませてじいさんを殺してくれと頼んだ家族のほうが理解できた。

じいさんに強制的に酒を呑ませるシーンは、ちょうど酒呑みながら視聴してたので気持ち悪くなってしまった。あそこのリリー・フランキー本当に良かった。狂ってる。

ところで監督の白石和彌氏は今度仮面ライダーBLACKのリブート作品の監督をされるそうで、今から楽しみです。