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自責と天気の間に。選択肢を増やす

25年ほど前に始まった会社員人生の前半は、高度成長期の終焉後かつヒット商品がなかったため、売るべき自社ビールが簡単には売れなかった。「成績が悪いのを天気のせいにするな」。'個人モデル'と言う考え方は知らなかったが、この上層部からの発言をそのまま受け入れられずに合理的でないと感じた記憶がある。上から落ちてきた予算達成だけのためでなく、ゲーム感覚で1ケースでも多く売ることを楽しんでいた自分からすると、何も行動が変わらず、自分にとっての活動の選択肢は増えないし、結果も変わらないと思ったからだ。

ただ、今から思うと、上層部の気持ちもわかるようになってきた。無意識に自分より他責にしたい人間の弱さを考えるに、多くの人は天候のせいにして自分ができることの選択肢を狭めてしまう。そうではないと思っていた、自分もそういうところはもちろんあったのだろう。

ただ、企業の世界では'他責にしない'という美徳がこの成長しない20年の間に浸透しすぎたのかもしれない。さらに選択肢を増やすという観点で踏み込んで考えると、自責だけでは解決しようとするあまり、それ以外を天気のような人間では如何ともし難いものとみなしてしまってたような気がする。

自責と天気の間に、自分を超えたシステム=社会全体の責任で変えれることがたくさんある。

自分の責任の範囲にももちろんやるべきことは残されているだろうが、選択肢を増やすためには自分の力だけでは及ばない社会のいびつさに対する目線から見てみることも重要だと思うようになってきた。

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