メモ #010 やる気の存在と矛盾

1. 話題のツイート

少し前に、こんなtweetが話題になったらしい。このツイートについて深堀りしたい。

リョウ
@Ryoot13

衝撃。「やる気なんて存在しない」東京大学教授の池谷裕二氏によると「やる気」という言葉はやる気のない人間によって創作されたもの。人間は行動を起こすからやる気が出てくる生き物だと。結論→やる気出すなんて概念は要らない。アレコレ考えずとにかくやれって話し。今日も行動していきましょう。

2.いじわるに厳密に読む

ざっくりの意味は、皆んなが受け取った通りだと思う。「やる気が出てきたらやるなんて言ってないで、いっぺんやってみろ」ってこと。

でもここ以降はカジュアルなツィートだと言わずに、言葉を正確につかんでみたい。

このツイートには「やる気」というワードが5回登場する。

衝撃。「やる気なんて存在しない」東京大学教授の池谷裕二氏によると「やる気」という言葉はやる気のない人間によって創作されたもの。人間は行動を起こすからやる気が出てくる生き物だと。結論→やる気出すなんて概念は要らない。アレコレ考えずとにかくやれって話し。今日も行動していきましょう。

3. 文章の矛盾

ざっくり拾うけど、この文章は矛盾してる。「やる気という概念が存在しない」といいながら「やる気のある人間」と、「やる気のない人間」が存在するといって、その2者を区別をしている。つまり「概念としてのやる気を想定している」ので矛盾している。

なぜこんなことになるのか。おそらく「やる気」というワードが複数の用法で使われているからだ。

4. 言葉のラベルを2タイプに分ける

一旦ごまかさせてもらうけど、こういう風に書き換えると、読みやすくなるんじゃないかな?

衝撃。「やる気なんて存在しない」東京大学教授の池谷裕二氏によると「やる気」という言葉は意欲のない人間によって創作されたもの。人間は行動を起こすからや意欲が出てくる生き物だと。結論→やる気出すなんて概念は要らない。アレコレ考えずとにかくやれって話し。今日も行動していきましょう。

「やる気」「意欲」に書き換えたところで、ただの置き換えだ。辞書的な定義も一切無視している。だから本当は意味がない。

5. 2タイプに分けた理由

結論をいうと、「やる気」という言葉が2つの用法を兼任していたと考えると整理される。

少しでもイメージしやすくなるように、「やる気」「意欲」という言葉に無理やり分けてみたい。

行動を起こす前が「やる気」で行動を起こした後が「意欲」。こんな感じに考えてみよう。

6. 行動実現に向けて

卵か先かヒヨコが先かの話がある。しかしドミノの最初の一歩は「行動」だという話。

行動を起こした後に「意欲」が沸いてくる。その沸いてきた「意欲」が次の行動を起こす原動力になる。こうして「行動」と「意欲」が好循環を生み出す。

しかしである。一度たりとも行動を起こしていない時点では、この「意欲」というのは持てない。なので一度も行動を起こしていない段階では、何かしらの原動力もない。「やる気」に有るも無いもない。こういった話をリョウさんはしたかったのだと思う。

7. 振り返り

あらためて、全体の議論を振り返る。「やる気」とか「意欲」とかラベルを使って説明したが、別にワードは何でもよかった。ただ、一歩目の行動の前と後では、明確に区別しよう。

「あなたがまだ行動の前段階にいるなら、有るとか無いとかどうこうの話じゃないよ!」って教訓。

ちなみにこの話は、若いビジネスパーソンの新たなスキル磨きのような文脈からきていたみたい。でも色々と応用できそうだね。

おわり//


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