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第8話 ポーズを取ってポーズを取る

セクション1 テレビのグルメレポート

日本のTVショーでグルメレポートをよく見かけると平和だな~と感じます。好感度タレントの代名詞的な仕事です。だからこそ深夜帯では、これから売れたい芸人やアイドルがグルメレポに挑戦して、大変な恥をさらしています。そんな姿をいつも面白がって見ています。

#008-01 テレビに映るグルメ

コメントの仕方にはどうやら必勝ルールがあるらしく、グルメレポーターの彦摩呂さんが各所で明かしています。「B級グルメは目を開ける、高級グルメは目を閉じる」。極めてシンプルで誰にでも真似できますが物凄く納得ですね。タレントのローラさんのYouTubeチャンネルでもコラボ解説動画があがってます。

芸能人でもなければグルメレポートは人生で数回しか求められないでしょう。でもテクニックの本質部分は日常でも使えそうに思えました。

<セクション2>からはそんな食レポから応用できそうなことを探っていきます。

セクション2  A級グルメとB級グルメ

食レポの技術を整理します。ざっくりこんな感じです、

「A級グルメでは目を閉じて静かに唸る。湯船に身体を深くを沈め、1日の疲れが癒えるいくように。」

「B級グルメでは目を見開いて素直な感情を表す。活気あるの空気感のまま見るものを店の中に呼び込む。」

#008-02 A級温泉B級活気

ところで、あなたはA級グルメとB級グルメならどちらが好きですか?

僕はB級グルメです。何故かと言えば90パーセント美味しいことが確定しているからです。A級グルメは口に合えばとびっきりでしょうが、そうでないことも多々。『フォアグラ』なんかは鴨×レバー×脂と3つが掛け合わさってるので、相当にハードルが高いです。お上品に盛り付けた『なます』も『昆布巻き』も、美味しいかと聞かれればノーコメントでお願いします。

ということでB級グルメなら想像の味だけども、違うことなく昨日も今日も明日も旨い。だから「うまい!」と意識もなしに声が漏れて叫ぶわけです。A級グルメは期待外れに美味しくないと感じたとしても不味いなんてとてもじゃないけど言えないし、どこかに自分の気づいていない美味しさがあるのかもしれないと思いを反芻します。逆にA級が自分の味覚にピタと嵌って、物凄く美味しいと感じたときであっても、安っぽい叫びは憚られるわけです。

勝手に決めつけますが、A級とB級はこのようなものという前提で<セクション3>へ進めます。

セクション3 日常の中のコメント力


いまからグルメの話を越えていくために、今度はレポートの面を注視します。普段の生活でのレポートとは、つまりコメント力のことです。

僕も含めて皆さん、あらゆる場面でコメントを求められます。

#008-03 質問責め

#008-04 この服にあってる?

こんな質問が飛んできたらノーバウンドで返すこともあれば、頭をひねらないとないと出てこないこともあります。

斬新な試みとして、<セクション4>では相手の質問をA級とB級に振り分けてみようと思います。そうするとコメントの仕方もおのずと変わってきます。

セクション4 コメントの難易度2パターン

#008-05 質問責め

相手との仲がカジュアルだったり、すでに考えが固まっているときは即答できます。言い換えると『想定内』だったから、何かを意識するまでもなく口から飛び出た反応です。B級グルメですね。

#008-06 B級コメント

では次は真反対を考えましょう。緊張感が漂っていたり、考えを持ち合わせていなかったために返答に淀んでしまう。相手が間違っていても角が立たない言い方で気付かせたい。こんな『想定外』はA級グルメと呼べそうです。

#008-07 A級コメント

返答をチカラ技で逃げ切ろうという面もあり、単純に高価とか高品質というのとはズレがあります。

<セクション5>ではA級グルメには2つの場合があったことと、そもそも何でA級と呼ばれるのかを考えてみます。

セクション5 本当の自分と他人からみた様子

コメントを求められるときに、相手の投げかけた質問をA級B級に分けました。

A級グルメは極端な2つに振れるようなことを言いました。
「不味い。値段の割に期待外れ。」
「極上の美味しさ。」

この2パターンです。ところが不思議なことにこれに反応するコメントは似たものになります。目をつぶってしばらく唸りながら考えます。

「どうしたら『美味しくない』以外のコメントになるだろうか」
「安っぽいコメントはできない。この極上の味を表現できる言葉はどれだ。」

だからコメントを求められたひとは声に出さずに頭の中で葛藤します。
「考える時間が欲しい…。」

#008-08 高級グルメテレビ

一方でコメントを待っている人は何を考えているでしょうか。じっくりと味わっているレポータ―を眺めながら思います。

「さすがA級グルメだけあるんだな。複雑に絡んで味わいが深いに違いない。」

お互いの立場からの捉え方を考えたとき、意外な関係性がありそうです。<セクション6>で明確化してみましょう。

セクション6 高級グルメだと思わせる

A級グルメを食レポするときは、目を見開いて即答するなんて間違ってもしてはいけません。軽々しく見られて失礼な奴だと思われてしまいます。逆に目を閉じてじっくりと唸っていると、A級に相応しいだけの対応をしていると好意的に捉えてくれます。

#008-09 高級レストラン

詰まるところはこうです。コメントを求められた側は困っているからこそ時間がかかります。しかし返答を待っている側は逆です。時間がかかっていることで丁重に扱われていると捉えてくれます。

グルメから普段の生活に話を移しても同じようなものです。<セクション7>で総括します。

セクション7 コメントに困らない方法

意見を求められた時にコメントをするのが苦手だという人は相当数いると思います。その逆で得意だというひとは稀有なのでこの中にいたら挙手して貰えますか?是非とも教えを乞いたいです。

ですが苦手であったとしても、A級とB級の区別を考えると光明を見出せそうです。自分が想定できていた問いかけに対しては言わずもがな、そのまま直ぐに返答すればいいだけです。一方で想定できていなかった問いかけに対しては、しばらく時間を取って返答すればいいのです。

#008-10 丁重な扱い

こちらとしては、問いかけの内容が『想定に届いていないレベル』だから困っていることがあります。あるいは『想定を超えてきた』から気の利いた返しをしないといけないと思って、それにプレッシャーを感じていることもあります。

でもそれらの対応を同じものにすると決めていても、自分以外にはどちらも丁重な扱いだと思わせることができます。自信を持って時間を取りましょう!時間があれば気の利いたコメントが思いつけそうじゃありませんか?

<セクション8>で提言するので、確認してお開きにします。

セクション8 必勝ルール

#008-11 必勝ルール

これが僕の考えた必勝ルールです。大袈裟なものではないけども、人前で余裕が持てるポジティブシンキングです。


タイトルはダブルミーニングです。
『考えている風を装って時間を稼ごう。』
『時間をかけることで考えている風に見せよう。』

だから名付けました、
ポーズを取ってポーズを取る

第8話 ポーズを取ってポーズを取る

おわり//

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