「ありがとう」は魔法の言葉。本当に魔法がかかった話
会社にコーヒーメーカーがあるんです。私の部署が淹れているのですが、基本は私の担当です。コーヒーが切れたら最後に入れた人が作ることになっていますが、だいたい私が作っています。
でも、時々作ってくれる方がいます。
前の職場では、誰の担当でもない雑事をする人がいなくて仕方なくやっていました。なんでそんなこともできないんだ、なんでいつも私がやらなきゃいけないんだ。そう思っていたんです。
最後に飲んだ人、コーヒーを飲みたい人が作ることになっている。歴の長い同僚からはそう聞いていましたが、やっぱり面倒くさいし、新しく入った人たちは知らない。
それでも、作ってくれる誰かが存在することが本当にありがたくて、できているコーヒーポットに向かって「ありがとうございます」と小さく手を合わせています。
すると不思議なことに、コーヒーが作られていることが増えたのです。
やってくれる人たち、どなたか分からないがありがとう。
やってくれる人が増えたのか、これまでやってくれていた人たちのしてくれる回数が増えたのか。
忙しい職場なので邪魔にならないように小さい声で言っていたのに、どこかにちゃんと聞こえていたみたい。
「ありがとう」と言っていると、自分が飲んでいる時もより美味しく感じます。何より穏やかな気持ちで職場にいられます。
「『ありがとう』は魔法の言葉なんだよ」
私がつらかった時に友人がかけてくれた声がふと遠くから聞こえてきました。
小さなありがとうを見逃さず積み重ねていくと、きっといいことがある。そんな気がします。
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