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文章脳の腕立てふせ(第二話)

第一話のおさらい

前回は、「 」(カギカッコ)を強調の目的で多用しないようにしましょうというお話でした。しかし、強調の「 」は麻薬ですから、ついつい増えてしまいます。増えすぎた「 」は削除せねばなりません。でも、文章そのままで「 」だけ削除しても、今度は物足りない文章になってしまいがちです。ここからがちょっとした文章修行ですが、「 」を削除した後は、自分が意図した強調をそこなわないよう、文章の前後を入れ替えたり、さらに文章全体をひっくり返したり、語尾を変えたりして文章全体を書き直す必要が生じます。それも推敲です。

!と?に使用制限禁則かけたら

ビックリマークは強調の意図で使われますね。しかし、これも「 」と同じく、今回は!と?を使わないようにしてみましょうという提案です。正式名称は何と呼ぶのでしたっけ。まあ、ビックリマークとクエスチョンマークでいいでしょう。これらも多用し始めると麻薬のように文章脳に効き、どんどん使う数が増えてしまいます。もちろん、読む側にとっては、!が付けば付くほど強調の意味が薄れてしまいます。

キャッチフレーズと「!」

特にキャッチフレーズや見出しに!を多用することは自制しなければなりません。例えばJRの名作キャッチフレーズにこういうものがありました。

そうだ
京都、
行こう。

これが以下のようになったらどうでしょうか。

そうだ!
京都、
行こう!

別に!を付けたからといって強調されてはいないでしょう。極端な例だと思われそうですが、基本は、スーパーの「大感謝祭開催中!」でも同じです。書いた側が思っているほど、意味は強くなっていないということです。

?も使わないようにしたら

クエスチョンマークは言うまでもなく疑問文の最後に付けますが、これも使わないようにしたらどうでしょう。

今までこのシリーズに書いた文を例文にしてみましょう。

例文1
でも、自分自身がnoteに書き始めて、忘れていた文章技術(というより文章作法かな)があったことを思い出し、久々に気を付けて書こうかなと思った次第です。よろしければ、ご一緒にやってみませんか。見出しにあるように、一回にひとつずつ。
例文2
さて今回は!と?を使わないようにしてみましょうという提案です。正式名称は何と呼ぶのでしたっけ。まあ、ビックリマークとクエスチョンマークでいいでしょう。

あまりいい例文ではなくて申し訳ないのですが、例文1では「一緒にやってみませんか。」を「一緒にやってみませんか?」に、例文2では「正式名称は何と呼ぶのでしたっけ。」を「正式名称は何と呼ぶのでしたっけ?」にしがちです。それ自体は間違いではないのですが、前後の文脈や語尾の納め方で「?」はつけなくても疑問文になることがお分かりいただけたと思います。もちろん「?」を使うことは間違いではないのですが、使わないという禁則をかけてみると、文章の練り方のレベルが上がる可能性は大いにあります。

最後に言い訳を

今回は最後に言い訳を書きましょう。「 」も「!」も「?」も使ってはいけないものではありません。使わないからと言っていい文章になるとは限りません。でも、自分で禁則をかけると、文章を練ったり推敲する必要が増えて、文章脳が少しでも鍛えられるかもしれません。次回は、伏字を使って意味が通じる文章は間違い、みたいなことを書く予定です。

文章脳の腕立て伏せ(第一話)はこちら


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