のりたま物語 ハカセ師匠とのりたまくん 第五話 約束の日
この物語は、フィクションです。
登場人物
ハカセ師匠 … 藝人、漫才師、玉さんの相棒、のりたまくんの師匠
のりたまくん … ハカセ師匠の弟子
玉さん … 藝人、漫才師、ハカセの相棒
男「そいつは嬉しい話を聞いたね。男に二言は無いよな。」
ハカセ「誰に向かって言ってんだよ。」
男は背中を向けて、手を振って歩きながら言った。
男「じゃあ、また今度ゆっくり話そうやー。…相棒ぅー。」
ハカセ「あぁ、またなー。…相棒ぅー。」
のりたま「ハカセ…邪魔しちゃ悪いと思って黙ってたら、挨拶もしないで終わっちゃいました。申し訳ありません!」
ハカセ「まぁ、いいんだよ。確かに入る隙間がなかったよね。」
のりたま「相棒と仰られてましたが…。」
ハカセ「うん。ボクの相棒の玉ちゃんだよ。のりたまくんは、『玉さん』と呼びなさい。」
のりたま「はい!」
2人は高円寺に戻り、銭湯に向かった。
ハカセ「ふぅ。気持ちいいねぇ。」
のりたま「さっきの話し、どうされるんですか?」
ハカセ「なにが?」
のりたま「いや、浅草でハカセの相棒に会ったじゃないですか。玉さんに。あの感じ、浅草で漫才できると思ってますよ。」
ハカセ「おー。それはねー。確かにそんな気がした。」
のりたま「やるんですか?」
ハカセ「相棒が待ってくれてんだよー。そりゃあ、藝人冥利に尽きるってもんだよ。」
のりたま「ハカセ…あんまり無理をしてはいけませんよ。」
ハカセ「ありがとう。でもね。こういう無理はいいもんだよー!もう…さっきから、相棒とこんな漫才したらどうかな〜とかさ、そんなことばっかり考えて、いっつも相棒がそばに居るみたいだもん!」
玉さん「いるよ。」
のりたま「いますよ。」
ハカセ「えぇぇぇー!!!」
のりたま「すごい冗舌でしたね。」
玉さん「すごい冗舌だったな。」
ハカセ「え!?いつ?いつから?」
玉さん「えー?俺が風呂入ってたらさー。入ってくんだもん!こっちがびっくりしちゃったよー。」
ハカセ「なんで声かけないのよ!」
玉さん「だってよー。さっき、ちょっとカッコつけて別れたとこだったからよー。そりゃー、まー。恥ずかしいだろー。」
ハカセ「えー…。まぁ、たしかに…。んー?ちょっと待って!のりたまくん!キミは悪いぞ!あー!なかなかの悪だぞぉー!これはいけませんよぉー!なんで教えてくれなかったのぉー?」
のりたま「そんな…ひどいじゃないですか!ボクはただ…ハカセが直ぐ近くに…玉さんが居るのに…気付かずに語ってる姿が……だんだん面白くなってきてブハハハハハハ!」
玉さん「ブハハハハハハ!」
ハカセ「のりたまくん!ちょっとそこの熱湯の浴槽に正座しなさい!」
のりたま「はい!」
ハカセ「えーっとですね!師匠が!!全裸の時に恥ずかしめちゃダメ!!」
玉さん「え?全裸の時じゃなくてもダメだろ?」
ハカセ「あ!!あぶな!そうだぞ!ダメだろ!分かりましたか!?のりたまくん!?」
のりたま「はい!じゃあ、水風呂に…。」
ずわぁっぱぁーん。
のりたまは、ゆっくりと水風呂に浸かった。
のひたま「ふぅひぃー!!」
ハカセ「おまっ!なっ!なにをいい感じに気持ちよくなってんの!?羨ましいなぁ!!…ボクもやろ!!玉ちゃんもやろう!!」
玉さん「おっしゃ!やろう!!!」
3人は銭湯を満喫した。
玉さん「いやぁ〜。珍しく空いてたし、最高だったな〜。」
ハカセ「うん!銭湯は裏切らないねぇ〜。」
のりたま「気持ちのいい銭湯のおかげで、ちょっと健康になりました。」
玉さん「だな。じゃあ、楽しかったよ!また。漫才のことは今度ゆっくり話そう。」
ハカセ「あぁ、そうだな。今日は楽しかったよ。また!」
ハカセ師匠と玉さんは、がっしりと握手をした。
のりたまくんは、嬉しそうに見つめていた。
玉さんは、どこかへ帰って行った。
のりたま「…行っちゃいましたね。」
ハカセ「うん。また、直ぐに会えるよ…。メシでも食べる?」
のりたま「いいですね!」
ハカセ師匠とのりたまくんは、ご飯を食べて帰ることにした。
ハカセ師匠とのりたまくん
第六話へ つづく
エンディングテーマソング
アサヤン
KeepWalking
作詞 のりたま
作曲 のりたま
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