のりたま物語 ハカセ師匠とのりたまくん 第一話 ん?
この物語は、フィクションです。
登場人物の紹介
ハカセ師匠 … 漫才師、のりたまくんの師匠
のりたまくん … ハカセ師匠に無理やり弟子入りをせがんだ男
ハカセ「はぁ。」
ハカセはため息を吐いた。
のりたま「ハカセ、どうかされましたか?」
ハカセ「いやね。ちょっと、気持ちが落ち込んじゃってね。」
のりたま「そうですか…まぁ、うつ病の休養中ですからね…。気持ちはわかりますよ…。ボクもそうですから…。」
ハカセ「…それにしても、のりたまくんも変わってるよね。休養中のボクのところに来て、弟子になりたい!…なんてさ。」
のりたま「はい。自分でも思い切ったな!のりたま!思い切ったな!…と思います。」
ハカセ「あ、そう…。」
のりたま「ふふ…ほんでもって、ボクもうつ病だって言うねところがね…。」
ハカセ「そう!そこなのよ!あれ?ちょっと待って!そう考えると…一番思い切ってるの…ボクじゃない!?休養中に弟子を取りましたぁ!うつ病らしいです!って凄いよね。あ、いや、今こういうこと言ったら何か言われちゃうのかな…。でもさ、なんかこう…凄いよね!」
のりたま「はい!凄いと思います!」
ハカセ「……あー!なんか、ちょっと元気出て来たなー。」
のりたま「え?どこでですか?キッカケが分かりませんでした。」
ハカセ「うん。まぁ、本人が一番分かってないんだから、のりたまくんも分からないよ。」
のりたま「そんなに難しいやつなんですかぁ。流石ですね…。」
ハカセ「関心するところでもないんだけどね。あれ?少しだけアホなの?」
のりたま「ありがとうございます!」
ハカセ「ありがとうございます?あ、今のが答えね。ありがとうございます。」
のりたま「ん?」
ハカセ「ふふ!…んー。…あー。…あのー。のりたまくん。…傷つかないで聞いてほしい。」
のりたま「ん?なんでしょうか。」
ハカセ「それ!ふふ。のりたまくんね。『ん?』ってなる時に…ふふ…その、ちょっとだけシャクれるのを…やめてもらっても良いですか?…ふふ!」
のりたま「ん?そんなことしてます?」
ハカセ「それじゃん!」
のりたま「すいません。」
ハカセ「うわぁ〜。どうしよう。これ、ずっとおもしろくなっちゃうかも。怖い。怖い。」
のりたま「ん?何がですか?」
ハカセ「やめろって!『ん?』をやめてって!ふふふ。」
のりたま「すみません。」
ハカセ「はー……。今日は、何をしようか。なんか散歩にでも行きたい気持ちになってきたよ。」
のりたま「え?外に出られるんですか!?」
ハカセ「……………。」
ハカセ師匠は黙ったまま、のりたまくんをジッと睨んでいる。
のりたま(?…な、なんだろう?)
ハカセ「のりたまくん…。ちょっと、そこに正座しなさい。」
のりたま「は、はい!」
ハカセ「いいかい?今のところはね。ボクが、『散歩にでも行きたい気持ちになってきたよ。』と言ったら、『え?外に出られるんですか?』…ではなくて、他にもあったと思うよ…考えてみて…。」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
のりたま「…ん?外に出られるんですか?」
ハカセ「そう!それ!その今の感覚を絶対に忘れちゃダメだよ!って、ちょっと待って!その顔やめて!え!?なんで!?その顔で固まる必要ってある?今、真面目な話しをしてましたよね?シャクれて固まっちゃダメよ!」
のりたま「すぅいませぇん。」
ハカセ「おい。おい。まだなの?ずっとなの?」
のりたま「もちょの顔が…わからにゃくにゃりましぃちゃ。」(元の顔が分からなくなりました)
ハカセ「おい!大変だ!救急車!救急車ぁー!」
ハカセ師匠とのりたまくん
第二話へ つづく
エンディングテーマソング
アサヤン
KeepWalking
作詞 のりたま
作曲 のりたま