四段昇段審査を受けてきました。

おはこんばんちは。

4/24(日)は山梨県甲府市にて地域連合審査が行われるため、山梨まで遠征してまいりました。今回はそのときのことを自分の思いを綴りながら書き記したいと思います。

自分にとって昇段審査というのは私が弓道を修めるにあたっての大きな目標のひとつであります。古来より「正射必中」と書物、または口伝にて継がれてきたことですが、私はこの考えを信仰しています。これは競技という的中こそ全て、という環境に身を置いてなお信じてきたことです。中学1年生のころ先輩が美しく弓を引き絞り見事に的を射抜くその姿が目に焼き付いてから、私のこの信仰心は一時も揺らいだことはありません。その信仰心をもって日々の稽古に励んでおりますから、この昇段審査はその稽古の成果が白日の下に晒され公式に評価を受けるとても重要な場なのです。実力で上り詰めた最終地点が「教士八段」と言われています(と認識しています)が、これを認許していただくことが私の弓道の大きな目標です。
今思うと、弓道を始めた中学生の頃からこの審査については随分と無茶をしてきたと思います。私の住む千葉県では、当時中学生には一級、高校生は弐段までしか認許しないという妙な決まり事がありました。私はこの暗黙の了解が大嫌いでした。なぜ学生というだけで取得できる段位が決められてしまうのか甚だ疑問だったからです。そんな思春期の子供(実際そうでした)のような考えを持っていた私は、中学生で初段、高校生で参段の審査に積極的に受審していました。誰も文句が言えないくらい美しく弓を引ければ、絶対に合格できる。そう盲信していたからです。
結果として中学生では初段に合格することはできませんでしたが、高校生ではなんと参段に合格できてしまいました。中学生のときから培ってきた知識や経験、高校生で道場がないなりに工夫して実践してきた練習が結果を結んだような気がして、人生で1番喜んだ1日だったかもしれません。千葉県で高校生が参段に合格することは10数年ぶりの快挙だったらしく、周りの知り合いの方たちにも老若男女問わず驚かれました。私自身は学校に道場がなくても工夫すれば上達できるんだということを体現できたことが大きな自信になりました。
それだけ思い入れのある段位でしたのである種、責任のようなものも少なからず感じていました。参段を取得したことで有頂天になっては絶対にいけないと思いましたし、段位に恥じない振舞いを求められていると思いました。これで自分の浅はかな考えや軽率な行動が露呈した場合、「やはり高校生には参段を認めるべきではなかった」と思われてもしょうがないからです。盲目的に学生だからここまでというラインを引かれてしまうことが大嫌いだった私にとって、この責任感は非常に強く背中にのしかかっていました。そのためか大学生のときに四段の審査を受けようと思っていたのですが、まだまだ自分は未熟のような気が拭えず、高校生までと同じように積極的に受審する事ができませんでした(1度受審しましたが見事不合格でした)。
射技、体配、的中率、知識、思想をじっくりと練り続けること参段取得から9年、四段の再受審を決心しました。参段として修めるべきであろう様々なことを稽古してきたつもりです。「君はもう参段でやるべきことは全て修了しています」と認めていただき、自分自身の中の「弓道」の建設を進める大きな一歩を踏み出せるか?今回の昇段審査にはそんな気持ちで臨んでいました。これまで段位に恥じない振舞いをすることができていたのか、その評価をいただく場でもありました。
今回の四段審査は23名と非常に少なく、自分の順番は比較的早く回ってきました。連合審査でしたので周りには他地域の方々ばかりでしたが、不思議と悪いアウェー感はなくむしろ初めての道場で弓を引ける喜びが勝っていました。広い道場には大きな垜に的が5つ、ある種不自然に揃ってかかっていて、審査員が5人と射手が4人のみ。観覧はできない道場なのでもの寂しさすら感じました。私は大前に立ち、後ろには3人の4人立ちでした。かれこれ選考会から練習できておらず的前は1週間ぶりでしたが、なんとか束中し無事合格することができました。合格者は私を含め2名で、合格率は約8.7%でした(合格定員はないのであくまで参考です)。
合格を知ったとき、初めに感じたのは安堵でした。参段の稽古するべき項目が明確に決まっているわけではなかったので試行錯誤の日々でしたから、合格をいただくことでそれを認めていただけたような気持ちになりました。帰り道になってようやくじわじわと喜びが込み上げてきました。 そして今は五段、六段ともっと上を取得したいという思いで胸がいっぱいです。
合格の喜びは昨日まで、今日からは四段としての稽古を粛々と始め、五段の合格に向けて邁進していきます。目標は1年後の審査での合格です。国体や連盟での稽古を積み、五段に相応しい品格のある射手になるべく一つ一つ丁寧に経験と知識を積み上げてまいります。

ーーーー以下、メモですーーーー
場所:小瀬スポーツ公園弓道場
第4駐車場が1番弓道場に近く、第1駐車場は遠い(徒歩7分くらい、後悔した)
かなり混む。
控え室:第2武道場
その他
・靴箱あり
・自販機あり
・コンビニは徒歩10分のところにあり
・巻藁は2つ
・直前まで道場に入れない、見ることも難しい
・床は滑りすぎず、滑らなさすぎず

控え室の様子

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