2020年7月~12月に見た舞台メモ

去年の後半は前半よりさらにうろ覚え。『チルスとマンス』は何となく書いたし、コトリ会議は座談会の書きおこしを書いたのでここでは省きます。

文学座『大空の虹を見ると私の心は躍る 』
8月7日(金)、8日(土)金沢市民劇場例会
区画整理で廃館になる映画館が舞台。登場人物は館主、館主の息子、息子の彼氏、近所に住む女性、着ぐるみを着ている映写技師、従業員の女性、先代の館主。それぞれが介護、LGBTQ、いじめ、自殺、そもそも舞台である映画館が立ち退きをするという問題等、様々だ。それぞれの問題をあまり否定せず希望が持てる形で表現されている部分が多かったと思う。ただ、登場人物のテンポの良い口喧嘩のような場面では人格を無視するような言葉を使った言い合いが何度かあって、聞いていて居心地が悪かった。センシティブな話の中に、気兼ねなく言い合えるちょっとした息抜きのとしてこのやり取りを利用していたことがとても気になった。
この例会は2例会中止後の例会で、席はどの会場も一つ置きだった。自主的に不参加を選んだ会員も多かった。

文学座『大空の虹を見ると私の心は躍る 』
作:鄭 義信
演出:松本祐子
http://www.bungakuza.com/oozora20/index.html


劇団民藝『送り火』
10月2日、4日(金沢市民劇場例会)
しっとり日色ともゑを堪能できる雰囲気のいい芝居。
近所の腰の曲がった嫌味なおばあさんがサイコーでした(おそらく役者は船坂博子)。

作:ナガイヒデミ 
演出:兒玉庸策
補演出:中島裕一郎

吉沢 照:日色ともゑ
吉沢圭介 :塩田泰久
長尾康太 :小杉勇二
長尾泰子 :仙北谷和子
吉沢光恵 :船坂博子





ミュージカル『生きる』オーバードホール
11月2日観劇
村井良大は地元で見る機会が比較的多い。名前を見るとつい飛びついてしまう。今回は主役渡辺勘治の息子役だった。見ていてなんだかイラっとくる息子だった。とてもいい芝居。小説家のキャストでどちらを見ようかとても悩んだ。新納慎也は2015年のミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』以来、小西遼生は2012年の『道化の瞳』以来だろうか。どちらも見たくて相当悩んだが最終的にどうやって決めたのか忘れた。新納はとてもいい小説家だった。明るくてちょっとお調子者。小西の方はきっと違う小説家だっただろう。やっぱり両方見たかった。今もまだ気になってしょうがない。主演の市村正親はものすごくおじいちゃんだった。くたびれた感じがすごかった。市村のこういう芝居は初めて見た。

ミュージカル『生きる』オーバードホール

脚本・歌詞:高橋知伽江
演出:宮本亞門

渡辺勘治:市村正親(11/3 鹿賀丈史)
渡辺光男:村井良大
小説家:新納慎也(11/3 小西遼生)
小田切とよ:May’n/渡辺一枝:唯月ふうか(11/3は配役を入替え)
助役:山西惇
川口竜也 佐藤 誓 重田千穂子 治田敦 林アキラ 松原剛志 上野聖太 鎌田誠樹 砂塚健斗 高木裕和 福山康平 飯野めぐみ あべこ 彩橋みゆ 五十嵐可絵 石井亜早実 河合篤子 中西彩加 竹内真里
高橋勝典 市川喬之
2020年11月2日(月)18:30(こちらの公演を見ました)
    11月3日(火・祝)13:00
https://www.issei.ne.jp/2019/12/2020110201/



劇団青年座『横濱短篇ホテル』
12月6日(日)、7日(月)金沢市民劇場例会
1970年から現代まで、短篇で綴ったストーリー。
1995年まではクレジットされているが最後のストーリーは何年の出来事なのか明記されていない。
テンポがよく進む短篇同士が、どのように繋がっているのか考えながら見るのがとても楽しかった。

劇団青年座『横濱短篇ホテル』
作:マキノノゾミ
演出:宮田慶子
キャスト:
加門良  横堀悦夫  津田真澄   野々村のん  石母田史朗
小豆畑雅一  三枝玲奈  前田聖太  松川真也  中野亮輔
伊東潤  橋本菜摘  田邉稚菜  角田萌果



その他、金沢市民芸術村の「げきみる」を観劇。
今年は10作品中Youtube配信作品が3本、配信と劇場上演のどちらも行った作品が1本あった。こちらは劇評講座で受講者が劇評を上げているのでここでは割愛。
https://www.geimura.com/drama/gekimiru2020/

また、ネット配信の作品も何本か見たが感想等を書くまでには至らず。
これまで見る機会がなかったような作品も配信されるようになったことはとても嬉しい。今年に入って見たものは何か書き残しておきたいと思う。
ただ、どうしてもこれまで見ていたジャンルに偏ってしまう。
良さや見方がわかっているものとそうでないもの(理解ができていないもの)とでは、配信を見るという行動に起こすとき大きな差が出てしまっている。

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