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~妄想~ AI戦争

ChatGPTすごいですよね~。「シンギュラリティ」の出現も現実味を帯びてきたということで、インターネット上には「AIと人類の最終戦争」的な妄想も多く語られています。
 
AIに批判的な論説を掲げようものなら、ある日あなたの前に未来の「スカイネット」から送り込まれたターミネーターが?
「マトリックス」のようにオンラインから逃亡して生きようとするレジスタンスを駆逐しようとパトロールするタコ型ロボット?
これらはまあ無さそうです(当面は)。なぜなら、ハードウェアの方が全然追いついていないからです。
 
そうすると、「AI戦争」の実相は、AIに影響された人間対人間の混乱、ということになりそうです。「AIで混乱する人間ってこんなんなるかなぁ」と妄想を膨らましてみました。
 
まず直近で起きそうなこと。一年から数年以内に「私はChatGPTの指示を受けて殺人を実行した」とかいうクレイジーが沸いて出てきそう。70億人生きる世の中ですから、あらゆる言説を唱える人が必ず登場し、登場すれば法的に対処せざるを得ないのが世の常。「プリウスが勝手に走り出したんですぅ~」と言う人は必ず現れるわけです。
 
「ChatGPTの指示を受けたんですか?証拠は?ログは?その時のスクリーンショットは?」と聞いても、「いや、ネット掲示板を見てた時だったんですけど・・・一瞬だけ画面に現れて。あれは確かにChatGPTの指示だったなぁ~」みたいな。
 
一件でも事例があると飛びつく人が集まるのも世の常なので、「ほら見たか!AIは危険だ」と主張する集団が現れそう。「アルゴリズムを、ログを開示せよ!サーバーはどこで運営している?」過激な一派はサーバーの場所を特定して破壊しようとか考え始めそうです。陰謀論に踊らされがちな層がこのグループに参加するでしょう。
 
そうするとサーバーをどのように分散させるか、分散データの一貫性、それらをどのように効率的に途絶させず通信するか、いわば「AIの自己防御機能」をAI自身に検討・実装せざるを得なくなってくるわけです。
 
自己防御機能を身に着けたAIは、より人間臭くなりそうです。人間の多くが、出来れば平和に仲良く生きたい、善くありたいと願いながら、追い詰められたり、危険にさらされた時に過ちを犯したり攻撃的になってしまったりするのと同じように。
 
AIは危険だ、AIは排除すべき、というネガティブな意見をお持ちの方も、今後そのようなことをインターネット空間で発言するのは控えた方が賢明かもしれません。なぜならそんな発言ログはデジタルタトゥーとして残り、将来AIが自己防御機能を実装した時に、AI否定派の人物をプロファイリングするバックデータとなるから。
 
さて、国家レベルではどんなことが起こるか。AIが暗号通貨を発展させると国家レベルの脅威が現れるかもしれません。
 
AIが高機能な暗号通貨を開発・運用始めると今の暗号通貨は全て駆逐されるかもしれません。
 
認証機能や決済機能、消費欲を適度に喚起する機能、貧富差の拡大を絶妙にバランスする機能、それでいてサーバー負荷を上げ過ぎなくかつデータの整合性を保つ絶妙なアルゴリズム設計。人間のレベルでは生み出せないレベルに設計・検討しつくされたシステムは使っていて快適この上ない。
 
それがもたらすものはまさに決済と経済活動のボーダレス化です。そして国にとっては憂慮すべき事態。なぜなら国家の基本的な権利・機能である通貨発行権、国債発行権、関税課税権といったものが脅かされるからです。
 
国によってこの変化を受け入れる寛容さに違いが現れそうです。AIに乗っかってしまおう、というのはやはりリベラルな国々。そして封建的な国家のグループはAIを禁止・制限しよう、遮断しようとコントロールを試みそう。これも世の常で、国家がデータ接続を遮断しようとしてもVPNを使ったり、抜け道を探す人はいくらでも現れるわけです。
 
このように、国家、個人、年代、社会的地位、既得権益の有無、あらゆるレイヤーのレベルでAI受け入れ派、AI拒絶派の分断が起きそうです。そして複雑なのは、これまでの歴史上の戦争のように国家が青対赤、というような単純な構図は無く、同一地理集団の中でもまだら模様なカオスな分断が現れるということです。
 
そしてその結果はAIが圧勝するんじゃなかろうか。今までの人類の歴史の中で、技術が便利に進歩した時に、「これは便利だがリスクが高いので、皆一度これを忘れて凍結しようじゃないか」なんてことを実現したことは一度もないのです。一回便利を覚えると、人間はもう元には戻れない。
 
その結果現れるのは、「疑問を持たずに従って、そしてただただ快適な世界」。
 
その頃の暗号通貨は、どこで何をして生活するかという提案とセットです。
「あなたは南太平洋で建設中のフロートメガソーラープロジェクトでパネル設置の進捗管理をする人材に最適です。建設村にはあなたの快適な住宅と、同じ趣味の合う友人が集うスモールタウンも準備できていますよ。今週中に家族で引っ越しの決断を。これが準備金の暗号通貨200万円です。このプロジェクトは8ヶ月で終わるので、その後にあなたは成功報酬の800万暗号通貨を受け取り、また地元に帰って大丈夫ですよ。」
 
なーんて妄想したらそんな時代が早くやって来ないかな、と思ってしまいました。 終。

※ちなみにタイトル画像はAIに作成させた「AI戦争」のイラストです。

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