SVの対戦を分析してみる(1/3)

この記事はとても長くなっています。適度に読み飛ばすとか、好きなところだけ読むとかして、苦にならないやり方で読むことをおすすめしますし、記事中に書いてあることでもおれに質問してかまいません。そんなに興味を持ってくれるひとがいるかは分からないけど…
2023/10/25 22:48追記:一部表記を修正しました


はじめに

この記事は、対戦中の技選択や交代についてひとつひとつ考察しながら、どの場面でどう選択するべきだったか分析する記事です。
立ち回りでのミスが多いので、試合の流れをちゃんと振り返って、「どこで勝ちor負けが決まったのか」「この状況で別の選択をしていたらどうなったのか」を明らかにしておきたかったし、そういう試合の分析を好きなひとがいそうだと思った(現に自分はそういう記事を読みたい)から書いています。

使う構築について

読み飛ばしても差し支えありません(たぶん)。メンバーは選出画像でわかるし、極端な調整の個体もいないので。

ここに書いた構築がベースですが、大幅に変更を加えています。

パオジアン

とくせい:わざわいのつるぎ
せいかく:ようき
努力値:H4 / A252 / B0 / C0 / D0 / S252
もちもの:きあいのタスキ
テラスタイプ:こおり
つららおとし/ふいうち/せいなるつるぎ/ぜったいれいど
備考:ようき最速。
ぎんのおうかんを使い忘れる育成ミスで個体値が13-23-31-31-19-31でした。
テラスタイプは面倒なのでこおりのままですが、あくまたはひこうが望ましいです。

ハバタクカミ

とくせい:こだいかっせい
せいかく:おくびょう
努力値:H124 / A0 / B0 / C252 / D0 / S132
もちもの:ブーストエナジー
テラスタイプ:ゴースト
ムーンフォース/シャドーボール/マジカルフレイム/ちょうはつ
備考:すばやさはようき最速トドロクツキ抜き。
ぎんのおうかんを使い忘れる育成ミスで個体値28-22-19-5-24-9。

オーガポン(かまど)

とくせい:かたやぶり
せいかく:ようき
努力値:H4 / A252 / B0 / C0 / D0 / S252
もちもの:かまどのおめん
テラスタイプ:ほのお
ツタこんぼう/ウッドホーン/がんせきふうじ/つるぎのまい
備考:ようき最速。

カイリュー

とくせい:マルチスケイル
せいかく:いじっぱり
努力値:H100 / A252 / B0 / C0 / D0 / S156
もちもの:あつぞこブーツ
テラスタイプ:ノーマル
げきりん/じしん/しんそく/りゅうのまい
備考:すばやさはりゅうのまい後ようき最速オーガポン抜き。

ガブリアス

とくせい:さめはだ
せいかく:いじっぱり
努力値:H36 / A252 / B0 / C0 / D0 / S220
もちもの:いかさまダイス
テラスタイプ:はがね
スケイルショット/じしん/アイアンヘッド/つるぎのまい
備考:すばやさはおくびょう最速サーフゴー/いじっぱり準速ウーラオス抜き。

アーマーガア

とくせい:ミラーアーマー
せいかく:しんちょう
努力値:H252 / A0 / B4 / C0 / D252 / S0
もちもの:ゴツゴツメット
テラスタイプ:ドラゴン
アイアンヘッド/ボディプレス/てっぺき/はねやすめ
備考:すばやさは本来最遅が望ましいです(無振りディンルーの下からはねやすめできる)が、個体を間違えてS個体値31の個体を使っているため性格しんちょうにしています。

1戦目

大まかな試合の流れ

初手はバサギリ(相手)vsハバタクカミガブリアスに引くが、スケイルショット外しとさめはだの接触ダメージで有利・不利の関係が変わったため、再度ハバタクカミに交代し突破。クレセリア(相手)が出てきたが状況は変わらず、オーガポン礎(相手)との対面になる。ガブリアスはもはや受けられるHPでなく、ハバタクカミを捨てオーガポン竈で同速対決&択ゲーに挑むが、相手の特性:がんじょうを失念してテラスを切ってしまい、オーガポン竈のツタこんぼうをオーガポン礎(相手)に耐えられ、そのまま2タテされて負けた。

推定される相手のステータス

読み飛ばしても差し支えありません

バサギリ@きあいのタスキ?
とくせい:きれあじ
せいかく:ようき
努力値:S252 A252?(228<x) H0?(x<148) D0?(x<100)
テラスタイプ:不明
がんせきアックス/シザークロス/不明/不明
備考:こちらのガブリアス(S実数値150)を抜き、T1とT2で別のわざを使っている(=こだわりアイテム持ちではない)ため最速が確定。T1のガブリアスへの与ダメージ52は特性きれあじorちからずくでないと実現せず、T1でがんせきアックス使用時に追加効果が発生しているため特性きれあじで確定。
攻撃に性格補正がかかっておらず、かつ持ち物がタイプ強化系(0.7%以下)ではないと考えたとき、A努力値は228以上。
持ち物はこだわりスカーフ(30.7%)が除外され、与ダメージからとつげきチョッキ(10.7%)も除外されるため、きあいのタスキ(48.8%)が濃厚。

クレセリア@メンタルハーブ
とくせい:ふゆう
せいかく:不明
努力値:不明
テラスタイプ:不明
でんじは/不明/不明/不明

オーガポン@いしずえのめん
とくせい:がんじょう
せいかく:ようき
努力値:S252(248<x)
テラスタイプ:いわ
ツタこんぼう/不明/不明/不明
備考:S個体値9のハバタクカミ(S177)を抜いており、持ち物が固定のため、最速が確定。

選出

ハバタクカミ・オーガポン・ガブリアスを選出

相手のトドロクツキ・ヘイラッシャが先発されがちだったため、ハバタクカミを先発させました。クレセリアにも有利です。
控えのポケモンは、ハッサムへの打点があり、しかも構築上やや重いヘイラッシャとクレセリアを火力で突破できそうなオーガポン竈、残るオーガポン礎とバサギリに強いガブリアスを選びました。


振り返り:結果論でいえば、バサギリの先発を警戒すべきでした。スペック上そもそも先発で出てきやすいポケモンだと思います。相手から見ればこちらのカイリュー対策(実際にはあつぞこブーツ持ちで影響はない)に加え、タスキ持ち(48.8%)ならオーガポン竈を対面で倒しつつステルスロックを撒けるため、先発させるポケモンとしてかなり優先度が高かったはずで、実際にほかの試合でも先発されたことがあります。しかもこのパーティではガブリアスが最速バサギリと同速で、受けにくいです。
また、今回は出てきませんでしたが、仮にハッサムが先発されていたら初ターンから複雑な読みあいが予想され、バレットパンチでハバタクカミが倒されたり、こちらがオーガポン竈に交代したさいにとんぼがえりを打たれたりすれば苦しい展開になったでしょう。
これを踏まえて、ガブリアスを先発にすべきだったか考えます。ガブリアスはハバタクカミと比べ不利対面を引いた際のデメリットが大きいと考えていました(上述のようにヘイラッシャとクレセリアが重いうえ、トドロクツキには上から縛られる可能性がある)。が、トドロクツキはドラゴン技を持っていない個体が多く(55.2%*1)、ハチマキはたきおとすも耐えます。また、ドラゴン技もげきりんであれば裏からハバタクカミを出して1-1交換に持ち込めます。実は対面ではそこまで不利でもないようです。また、クレセリアはテラスタイプしだいで起点にでき、ヘイラッシャもある程度は削れるため、不利対面でも大きく不利になることはなさそうです。が、ガブリアス以外に相手のオーガポン礎を交代から受けられるポケモンがいないので、そのような使い方をするとサイクルが崩壊してしまいます(まさにこの試合のように)。結局、先発はガブリアスにするわけにはいかなさそうです。
そもそもこの構築は岩タイプの耐性持ちがガブリアスしかおらず、岩タイプのアタッカー2体(しかも2匹とも行動保証がある)を同時に相手どるのは困難です。選出・先発に問題があったかどうかわかりませんが、構築の時点で重い相手だということは間違いなさそうです。

*1 確率は100-(げきりん、スケイルショットの採用率の和)%。同時に採用している個体はいないとみなした。

試合の推移

ターン0

相手 バサギリが登場。
自分 ハバタクカミが登場。ブーストエナジーでこだいかっせいが発動し、すばやさが上昇。

ターン1

自分 ハバタクカミからガブリアスに交代。
相手 バサギリががんせきアックスを使う。ガブリアスに52ダメージ(残り136/188HP)。ガブリアスのさめはだでバサギリに接触ダメージ。場にステルスロックが撒かれる。

タスキ持ちを予想すると不利な対面で、素直に交代しました。


振り返り:問題なし。結果論でもタスキ(48.8%)が濃厚です。

ターン2

スケショ外しには気をつけよう

相手 バサギリがシザークロスを使う。ガブリアスに114ダメージ(残り22/188HP)。ガブリアスのさめはだでバサギリに接触ダメージ。
自分 ガブリアスがスケイルショットを使うが、外れる。

相手の後続にトドロクツキやオーガポン礎がいると考え、じしんではなくスケイルショットを選びました。


振り返り:スケイルショットはおそらく正しい選択ですが、目の前のS関係を意識して打つべきでした(同速対決で、無振りでも耐えられる可能性があるため)。結果論でいえば、命中100のじしんを選択するのが正解でした(もっとも、この状況で打つべきではない)。

ターン3

自分 ガブリアスからハバタクカミに交代。とがった岩が食いこむ(残り126/144HP)。
相手 バサギリがシザークロスを使う。ハバタクカミに51ダメージ(残り75/144HP)。

ガブリアスはもはやバサギリを倒せなくなりました。そのかわりに相手のタスキが消えハバタクカミで倒せるようになったため、交代を選択しました。


振り返り:倒せないと考えていましたが、実際には同速対決でした(気づいていなかった)。こちらのHPが大きく削れているため、相手がガブリアスよりバサギリのほうが速いと考えていればがんせきアックスが安定択でした。それを踏まえれば、ここは安全にハバタクカミを繰り出すため、あわよくば同速対決を制して突破するため居座るべきでした。

ターン4

自分 ハバタクカミがムーンフォースを使う。バサギリを倒す。
相手 クレセリアを繰り出す。

無難にムーンフォースを選択しました。


振り返り:ここの選択は問題なし。しかし、チョッキ(10.7%)の場合や低乱数を引いた場合耐えられてしまうので、やはりT3ではガブリアスが居座るべきでした。今回はぎんのおうかんを使い忘れたせいでよりリスキーでした。

ターン5

双方なにもせずに終わったターン、若干気まずい

自分 ハバタクカミがちょうはつを使う。クレセリアのメンタルハーブが発動し、ちょうはつの効果が解ける。
相手 クレセリアがでんじはを使うが、外れる。

安定択のちょうはつを選択しました。


振り返り:問題なし。結果論ではシャドーボールですが、メンタルハーブ(9.6%)をほかの情報から予想することは無理でしょう。

ターン6

相手 クレセリアからオーガポン礎に交代。
自分 ハバタクカミがちょうはつを使う。

引き続き安定択のちょうはつを選択しました。


振り返り:クレセリアのでんじはが外れたことで盤面上は同じ状況ですが、ハバタクカミがちょうはつを持っているという情報が相手に伝わったことが異なり、それは意識するべきでした。ただしこの時点では相手のラスト1匹がトドロクツキである可能性もあり、そうなればでんじはを打たれた瞬間負けがほぼ確定するため、やはりちょうはつが安定択だったと考えます。結果論からいえば、ここでシャドーボールを選択していれば勝てていた可能性があります。ラスト1匹がトドロクツキかオーガポンか(ハッサムならT4にクレセリアではなくハッサムを出しているはずで、バサギリ・クレセリアが選出されている状況でヘイラッシャも選出されているとは考えにくく、合理的に考えれば2択の状況)に加えクレセリアが居座ってくるかを見極めなければならず、かなり読みの難しい局面だといえます。読者はこの場面でどうするか、自論があればおれに教えてください。

ターン7

HP144に違和感を持て

相手 オーガポンがツタこんぼうを使う。ハバタクカミを倒す。
自分 オーガポン竈を繰り出す。とがった岩が食いこむ(残り117/155HP)。

ハバタクカミとガブリアスのどちらを捨てるか考え、相手のSが遅ければガブリアスで勝てるため、ハバタクカミを捨てることにしました。ムーンフォースを選択しましたが、先に倒されてしまいました。


振り返り:ぎんのおうかんを使っていれば抜けていました。単純きわまるミスでした。

ターン8

自分 オーガポン竈がほのおテラスタルし、おもかげやどしで攻撃が1段階上がる。オーガポン竈がツタこんぼうを使う。オーガポン礎のがんじょうが発動する。
相手 オーガポン礎がツタこんぼうを使う。オーガポン竈を倒す。ちょうはつの効果が解ける。
自分 ガブリアスを繰り出す。とがった岩が食いこむ(残り11/188HP)。

同速対決で、相手がテラスタルすればウッドホーンで倒さなければならず、しなければツタこんぼうで倒さなければならない択ゲーの状況になりました。ほとんどじゃんけんですが、相手がテラスタルを切らなさそうな気がしたため、テラスタルを切り、ツタこんぼうを選択しました。


振り返り:同速対決に勝ったにもかかわらず、相手の特性:がんじょうを失念していたせいで誤ってテラスタルを切ってしまいました。明らかにプレイングのミスです。
この択についてはさまざまな選択肢を考えましたが、やはりオーガポン礎がテラスを切るかどうかのじゃんけんで、五分五分にしかならないように思います。相手のテラスの有無にかかわらず同速対決で負ければ対戦も負け、同速対決で勝ってテラスのじゃんけんを制してようやく勝ちですから、この局面での勝率は(ほぼ)25%ということになります。とても幸運でした。テラス切って台無しにしましたが
2023/10/25 22:48追記:テラス前のオーガポン竈のツタこんぼうでは急所に当たらないと倒せないため、択という表現は適当ではありませんでした。同速対決に勝ち、さらに急所に当てないといけないので、勝率は6.25%しかありません。順当に負けです。チェックが甘すぎる

ターン9

がんじょう忘れ恥ずかしかった

相手 オーガポン礎がツタこんぼうを使う。ガブリアスを倒す。

まとめ

結果としては出し負け・運負け・育成のミス・プレイングのミスの複合で負けたということになります(ミスだらけだな…)。
出し負けは選出の欄で述べた通り、そもそも構築段階で岩タイプが重く、選出自体に問題があったかはわかりません(もっとよい選出があったかもしれないが、あまりに分岐が多すぎてシミュレーションは困難)。構築についても、そもそも環境に岩タイプのアタッカーが少なく、汎用性を削ってまで構築を組みなおすべきかはわかりません。
他方で、この選出でもプレイングのミスがなければ問題なく勝てたので、このようなミスを減らしていきたいですね。そんな適当な締め方でいいのか?
それとこの記事を書いた感想ですが、文字起こしも文章を考えるのもかなり時間がかかったので、もう少し楽なやり方でやろうと思います。これだと長続きしないと思うので。ちょっと色気を出してきれいな文を書こうとした結果が↑上なんですが、なんだか違和感のある文章になった気がします。普段からネットミームに頼りすぎているせいで語尾がまったくしっくりきません。自分の文章力の低さをまざまざと見せつけられる1日になりました…


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