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#2i2 7th 黒ドレス衣装

2/12に公開された、株式会社ゼロイチファミリア HASHTAG RECORDS
#2i2 7th 黒ドレス衣装です。ナンバリングと黒ドレス衣装は仮称です。

今回の衣装の話の前に、少し?前置き的なことを。
毎度ながら長文乱文誤字脱字あります。ご了承ください。

ドレス型衣装は今回で4着目、1着目の4th ドレス衣装は記事を書きました。お時間あるときに良かったら読んでみてください。
興奮冷めやらぬうちに書いたんだなという感じがすこし恥ずかしい。

上の記事内主観100%の部分をざっくり振り返ります。衣装リリースのライブを見て、ものすごく驚いて、同じくらいのテンションで落ち込みました。ネガティブじゃない、ポジティブな落ち込み。
パフォーマンスを引き立てるためのギャップが衣装のオーダーデザインの目的であることは分かって作りましたが、その作用が思っていたよりずっと強く、ステージ上でまるで別物のように見えた。だから驚いた。もしオーダーがお任せに近い形だったら確実にあのデザインは提案できなかった。だから落ち込んだ。これらを感銘というのかも。

この後の、5th 白ドレス衣装(仮称)と6th ティアードドレス衣装(仮称)もデザインはほぼオーダー頂いたもので、デザインでの宮﨑の割合は少なく作るに専念していました。
4th公開の後、成果をどう回収すれば良いのか分からなくライブの映像を何度も見返していました。感銘を受けた理由は分かるけど、今後に生かせるような形で抽出出来ない。ここでの抽出は言語化です。上手く言語化出来ないので、それはそれで正しいとして、今回です。

本題。
オーダー内容、形はドレス型で、初期での色は黒&グレー。ただグレーは汗がしみてしまうので、打ち合わせて黒オンリーに変更しています。グレーがある段階ではコルセット部とペプラムはマットなスクエアレースの予定でしたが、黒オンリーではテクスチャーに緩急が欲しくなり2nd ライダース衣装で使用した光沢のあるジオメトリックレースを採用しました。光沢レースであれより#2i2に合う生地は無い。
メンバーカラーもオーダーです。他はお任せでした(デザインプレゼンはしています)。

ジオメトリックレース
2nd ライダース衣装

4th衣装リリース時のツイートを再度引用します。

本日公開された #2i2 の新衣装担当しました。シンプルなシルエット、濃紺、清楚感をメインにオーダーを頂きました。自分が仕込んだことを書く気になれないので今回はまず作った側の感想を。詳細は後日noteにて(公開日時未定)。

オーダーの意図はお聞きしていたものの個人的にその作用がとんでもなく強く見え、目に見える自分が仕込んだ物たちが霞んで見える。これまでとは全く別ベクトルのライブ映えをした衣装だなと思いました。

これは自分が衣装を担当させていただいているグループの中では#2i2 でしか表現できない物で、空間とか、空気を媒体にする物なので是非現場で感じて欲しいなと思います。

恥を忍んで書くともし自由度の高いオーダーだったらこの衣装は提案できませんでした。これまで自分が考えて来たこととベクトルが違うからね。よって自分が仕込んだ物を書こうと思えない。それよりも伝わって欲しいものがある。
とても勉強になりました。ありがとうございました。

https://twitter.com/4_23332/status/1469656557365633024?s=20

今回最終的なデザインは他のドレス型衣装同様にシンプルです。
再掲したツイートに書いてあることは未だにそう思っていますし、3着それぞれに良い部分はあれど、やっぱり4thが一番強く見えます。一番パフォーマンスで化ける。超かっこいい。
これは予想で多分正解、衣装の立場で#2i2に合わせたいと思うものが4thとライブから受け取れるものの中に多いからだと、本当に個人的な意見で恐縮ですがそう考えています。
だからそれらを自分の組み方で衣装に落としました。

追記。上で成果回収とか抽出、言語化が出来ずにそれはそれで正しいとしてと書きました。なかなか悔しく1年間どうにか出来ないかと考えていましたが引用したツイート記載の、これまで自分が考えて来たこととベクトルが違う#2i2でしか表現できない、空間とか、空気を媒体にする物、とするしかありませんでした。(これは事実かもしれないし単に自分の能力不足かも。)
だから自分の組み方で衣装に落とすに至りました。

4thに思う今の#2i2を飾るに相応しい強さは言葉からダイレクトに想像できる自分が作った2ndライダースに組み込んだようなもの達とは違います。(当時はベストだったと思う。)みなさんどう思いますか?自分は華やかさだと思いました。
よって今回の衣装テーマは、強く華やかに、です。

デザインの詳細を書きます。
詳細ですが、強く華やかにをつくるために~のような書き方は説明的すぎるので避けています。

まずはメンバーカラー関連。メンバーカラーはトップス前身頃上部とスカート裾に配置しています。これは目が向きやすいであろう部分と、衣装として見せ場(動きの大きい)部分にあたります。そのうえで華やかな印象の装飾で入れています。
前身頃上部は静止画やバストアップのアー写や自撮りでフレームに入る想定でもあります。
スカート裾はドレス衣装の一番の強みであるスカートの動きをより大きく見せるために色を入れています。
この良い動きをするスカート生地は4thと5thでも採用した二重織りのサテン、ではなく同じような特性の少し薄い別の種類の生地を採用しています。厚さは少し違う程度ですが、今回の方がそこそこ軽い。4thと5thは面の動き、今回は振り子のイメージです。振り子の線が面に、球をメンバーカラーパーツの様相。重力下で動きを作る主従関係の親がメンバーカラーパーツ、子がスカートです。面的な動きよりも、裾に引っ張られた振り子的な動きの方がメンバーカラーも目立ちパフォーマンス映えする予想での仕様です。
このスカートの様相がまさに出ている写真を撮られている方がいたので引用させて頂きます。(ライブでの見え方や動きを意識して作っているのもあり自分が作った衣装のライブ写真大好きなので皆さんが撮影したものを普段から探して見させていただいています。ありがとうございます。)

元の生地でも裾を重くすれば行けそう。ただ重い生地は厚くギャザー部分が固くなって動きが悪くなることを懸念しての仕様です。

余談。メンバーカラーに使える色展開がある生地は意外と少なく、しかも今回裾に使う生地の条件は薄くなくある程度の光沢と張りととろみのある、ギャザーかけても動きの良い生地でした。なかなか無い。重要なパーツなのでギリギリまでサンプル取り寄せたり探しに行ったり生地選考続けていたためスカートの方が先に生地を決めています。とはいえ元の生地より重いギャザー裾を上記の条件クリアして作れる生地はないだろうという前提です。結局無かった。
ギャザーはプリーツのような重ねの仕様と違い、言ってしまえば細かい皺の連続の様なものですが、縫い合わせる場合つぶれるので細かーく見るとプリーツ同様に生地は3重同等かそれ以上に重なっています。
またスカートとギャザーパーツの縫い代はスカート側に倒してステッチで止めた方が安定しますが、ステッチ入れるとすこし固くなるのでプレスのみとしています。デザインとしてコルセット部とペプラム以外ステッチいれたくなかったのもあります。

フラメンコの衣装みたいとのツイートみかけて、直接的なイメージではありませんが、競技ダンスをはじめいろいろなダンスでの衣装の動きを映像を見ていて、そこから来ているスカートのデザインと生地選びであるのは確かです。

トップス前身頃上部、メンバーカラーパーツを含む装飾はレースモチーフで、ミシンで縫い付けています。

グレーも含め白以外染色で色を作っています。先に生地のことでも書きましたが、同じ資材種の中で理想の色を探すことは、このような装飾資材だとさらに難しいです。色より形を優先。
メンバーカラーの物はコットン、グレーはポリエステル(記載無しだったけど多分あってる)です。黄色はスムーズに入って、赤は2回染めて、紫は赤より青よりの2パターン作って良い色を重ね初め。
スカート裾のメンバーカラーパーツの紫のみ既存展開の物が赤寄りの紫で、青よりの物が欲しかったので染で作っています。ちなみにメーカー表記でレースと同じ色でそめたらレースよりかなり青よりの紫になりました(やり直した)。多分ポリエステルだから。若干赤寄りでそめたら同じくらいの青寄りの紫。化繊は寒色寄りに染まるのかな。染に関してはあまり詳しくないので分からない。

次はコルセット部とペプラムです。
コルセット部、正しくはフェイクレイヤーのコルセット風切り替えです。
今回はよりコルセット部を装飾パーツとして扱っています。そのためのコルセットと同生地でのペプラムです。フェイクですがペプラムにも前開きを作っています。
ペプラムはタック仕様で、タック位置はコルセットの切り替え線に準じています。初期案ではタックなしのフレア形でしたが、ジオメトリックレースの生地感と柄に合わせて生地方向を固定で使えるタックに変更しています。元は可愛い、変更後はかっこいい寄り。タックや広幅のプリーツが似合う生地です。
これまでより装飾パーツとして扱っていると書きましたが、トップスのレースモチーフとスカート裾のギャザーパーツをドレス型の上に乗せる装飾とするとコルセット部とペプラムはドレス型を強化する装飾で他二つとは役割の違う装飾です。
上で書いた緩急が欲しくなり光沢にした、の緩急が欲しい理由はこのためです。色彩コントラスト(緩急)が上、同色のテクスチャーコントラスト(緩急)が下。
とはいえベースの黒生地が非光沢で、ジオメトリックレースだけでなくレースとギャザーも光沢のある資材なので装飾はテクスチャーの光沢の点ですべて同じ土俵にもあります。
色のみ、テクスチャーのみ、資材の雰囲気のみ等、それぞれと全体両方で組む感じ。マクロとミクロ。
これらを使って強く華やかに、な印象を目指しています。
今回トップス、コルセット部、スカート裾ベースに乗せている素材が異なるのですが、バラバラな印象にならないのはここで調整かけているからです(予想)。重要だけど感覚頼りです。
何度も衣装記事で書いていた、引きと寄りで組むのもこれの一部。分かりやすい部分での今回の引きは色彩、寄りはテクスチャー。シンプルであるほど気を使います。超簡単に崩れます。
このあたりが前置きで書いた自分の組み方の部分です。


今回はここまでになります。ありがとうございました。


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