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ホスピタリティケア①起源

 僕の勤めているThe Harmony Inc.は認知症に特化したデイサービスと老人ホームの運営、認知症コミュニケーションロボットの開発と販売をおこなっています。
 そのうちのデイサービスと老人ホームの事業を担っているのが、僕が責任者をしているケア事業部です。
 
 実は介護事業を始めた当初は認知症に特化したサービスをやるつもりは全然なかったらしいのですが、目の前のゲスト様(The Harmony Inc.ではご利用者様のことをゲスト様とお呼びします)に対して真摯に関わっていたら、当時お付き合いのあったケアマネジャーさんから「ハーモニーさんって認知症のケアをしっかりしてくれるよね」と言ってもらったことがきっかけで、「自分たちのケアは認知症の人たちのケアに向いているんだ」と気付かせてもらい、そこから認知症に特化したサービスを突き詰めていこうと方針転換した経緯があります。

 そしてその認知症ケアは時間とともにますます錬磨され、他の事業所さんでは対応困難だと言われた中重度の認知症の方々を数多く紹介していただけるようになりました。
 この蓄積した認知症ケアのノウハウはロボット開発にも活かされています。

 もちろんこれからも更なるクオリティの向上を目指して錬磨し続けるのですが、とりあえず一旦今日まで築き上げてきたThe Harmony Inc.独自の認知症ケアメソッドを『ホスピタリティケア』として体系化しましたので、これから何回かに分けてご紹介させていただきます。

デイサービスでの風景

ホスピタリティケアとは

 ホスピタリティケアとは、当社代表の高橋が起業前にボランティアで様々な介護施設を回っていたときに、入浴介助をまるで流れ作業のように扱っていたり、ご利用者様を個人名で呼ばず「おじいちゃん」「おばあちゃん」と十把一絡げに呼んだり、タメ口を使ったりする介護現場に衝撃を受け、きちんとお客(ゲスト)様としてご利用者様に接する介護サービスを提供したいという強い想いから、自身が大手飲食企業でサービスリーダーを務めた経験を活かし、ホスピタリティの視点と技術を介護現場に取り入れたものです。

 またホスピタリティの視点・技術だけではなく、認知症のゲスト様と日々向き合い続ける中で「ありのままを受け入れる」という価値観が現場のメンバーの間から育まれてきました。

 介護業界ではよく「その人らしさ」という言葉が使われます。それはとても素晴らしい概念ですが「その人らしさ」からケアが始まると、ともすれば介護者が考える・介護者にとって都合のいい「その人らしさ=こうあるべき」を押し付ける危険性があります。そうではなく認知症もその症状も全部合わせてゲスト様ご本人であるという「ありのまま」をまず受け入れるところからケアを始めることが大切だという価値観が生まれ、それがケアの軸となっていきました。

 このホスピタリティの視点と技術、そしてケアの軸が合わさった統合的なケアが、The Harmony Inc.が実践しているホスピタリティケアです。


 次回は「ホスピタリティの視点と技術」についてご紹介させていただきます。

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