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刀剣乱舞無双プレイして、改めて歴史について考えた。刀剣乱舞はずいぶん深い所まで掘り進んでいるなという話。

※ネタバレありです※

無双本丸の刀剣男士は歴史を守っているのではなかった。
刀ステ綺伝で獅子王が言う物語への出陣に近いかもしれない。

刀剣乱舞無双の5章〜最終章で、彼らが出陣していたのが「夢の世界」だったという事実が明らかになる。
豊臣の存続を願い、豊臣秀次を生存させ、関ヶ原〜大坂の陣の流れを逆転させたいという想い。それは面影という刀剣男士の抜け落ちた一部による夢だった。
だから、そこにあるのは歴史ではなく、いくら正そうとしてもどこかに歪みが生じる。

1章〜4章まで、ちょっとストレスを残したままで進んでいくのはこういう訳だったんですね。

無双本丸は、過去に襲撃を受けた際に審神者と多くの仲間を失い、時の政府からの指令を受けることもなく長い間漂流していた、ということが会話から推し計れる。(ただ審神者は行方不明になっているだけ、らしい)
そこへ突然こんのすけが現れて、特別な調査として出陣要請が入る。

後に明らかになるのが、その出陣先は夢の世界であり、それは歴史とは関係のないもので、いくら勝っても歴史は守られず、目的は出陣した刀剣男士を全滅させることだったという真実。
時の政府がどこまで知っていたか、は、最後通信が途絶えてしまったため、わからない。
これもいい仕掛けですね…。

さて、無双の世界観、刀剣乱舞のなかでは特殊だなというのが第一印象でした。

でも、原案ゲームの特命調査や、刀ステの円環の話についてあらためて考えたとき、無双のこれも新たなひとつの視点なのでは…と思い始めた。

特命調査で訪れる「放棄された世界」は、歴史改変が著しく進んだために正史から切り離された時間軸。
刀ステによるとそれは、過去に刀剣男士が敗北した歴史であり、ループして始まりも終わりもない世界とのことなので、夢とは成り立ちは違うけれども、どこへも辿り着かないという点では共通している。

その世界で刀剣男士が戦って勝ち取るものとは一体なんなのか。
正史への影響を最小限に、という理由ももちろんあるけれども、ステ本丸の審神者(と、ごにょごにょたち)は、その終わりなくループする世界を、独自に、刀剣男士の物語を強くするという目的に利用しようとしているらしい。
レベル上げ、と言っちゃうとあれなんですけどもw

そもそも、我々のいう「歴史」ってなんなんだ、と、もう一度考えさせられる。

刀ステ天伝では「歴史と諸説」の関係、无伝では「実在するかしないか」について掘り下げられている。
そういえば映画刀剣乱舞も、誰もが知っている歴史が実は違った、という切り口でしたね。

綺伝でも、実在したかわからない刀から生まれた刀剣男士もいる、というセリフがある。
かたや諸説とも呼べない、「无なる逸話」から生まれた真田十勇士という存在も无伝で登場して、刀剣男士との境界線についても考えさせられた。
それこそがまさに「逸話」「物語」の強さであると、刀ステでは示されている。

では彼らの「本能」とはなんなのか。
正しい歴史とはなんなのか。
私たちが知っているのは、歴史なんでしょうか。

歴史上の、といわれる人物たちにとっては過去は現在であり、刀剣男士たちにとっては未来が現在なんだ。

刀剣男士は史実を守る、ではない。
「刀剣男士は歴史を守る」にしたところに、この深みがある。

刀剣乱舞、歴史好きから見ても、まだまだ味がしますwww


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