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トライセラトリビュートレビュー

以前、2020年の作品を振り返るnoteでも書かせてもらった「TRIBUTE TO TRICERATOPS」について。

Twitterでレビュー企画をやっているので、せっかくだから全曲の感想を改めて綴ってみようと思い、12曲についてツイートしたものをこちらでも1つに纏めてみましたという回です。
以前のnoteでは断片的に数曲しか語れなかったし、まだまだ語りたい!と思っていたので。

2020年、約2年半ぶりに活動を再開したTRICERATOPS。
それだけでも物凄く嬉しかったのに、最後の最後にとんでもなくハッピーなアルバムがリリースされることが発表された。

そう、トライセラのトリビュートアルバム。
奥田民生、スキマスイッチ、Base Ball Bear、OKAMOTO'S、山崎まさよし、LOVE PSYCHEDELICO、仲井戸"CHABO"麗市、KAN、UNISON SQUARE GARDEN、GRAPEVINE、Quattro Formaggi(TRICERATOPS+桜井和寿)、そしてシークレットトラックに小田和正というラインナップがそのとんでもないハッピーの一つで、個人的には大好きなバンドの曲を大好きなミュージシャンたちがカバーするという夢のような企画だなぁと、既にリリース前から歓喜に湧いていた。

いざ聴いてみるとどの曲もカバーしてくれたアーティストの味に合っているなぁと感じ、それはトライセラの曲たちに幅広い魅力があるからなんだなと再認識できた。

それではここから一曲ずつ、Twitterに投稿したものですが、レビューしていきます。

M1.奥田民生『ロケットに乗って』
原曲にかなり忠実なカバーだけど、もはや民生さんの曲になっているのが凄い。
むしろこの曲以外あり得なかったんじゃないかとすら思える説得力で、そのパワーはドーンと一曲目を飾るに相応しいなと!

M2. GRAPEVINE『2020』
演奏するバンドによってこんなにも曲の色が変わるのかと思ったカバーの一つ。
バインの渇いたような、憂いを帯びた感じのアレンジは、リアルにこのいろいろあった2020年を経て聴いたからこそ、グッと響くものがある。

M3. LOVE PSYCHEDELICO『New Lover』
こちらも元々デリコの曲なのでは?というぐらい、ぴったりハマったカバー。
トリビュートの中で唯一の女性ボーカルだけど、全く違和感が無いのはKUMIさんの表現力と同時に、改めてトライセラの曲たちの幅広さと深さを思い知らされる。

M4. スキマスイッチ『if』
最初は常田さんのピアノに乗せて大橋さんの歌だけでしっとりと、というのがとてもスキマらしくて好き。
2番から楽器隊が入っても軸はブレないのは流石、近年いろいろな曲をリスペクトを損なわずにカバーしながら、自分達流に昇華してきたお二人!

M5. Base Ball Bear『Raspberry』
ベボベは現在3ピースである前に昔トライセラをコピーしていたので、原曲リスペクトの直球カバーだけど、遜色どころか安心感すらあるのは、AL「C3」を経て、3ピースとしてメキメキ力をつけてるからこそ。
皆さん、3ピースのベボベも是非!

M6. OKAMOTO'S『Guatemala』
ロックで踊りたくなるような曲のイメージが強い彼らから、こんなにも原曲のイメージを崩さない、フワフワした世界観が出てくるなんて!と、オカモトズの表現力の広さを思い知らされた。
コーラスワークも素敵。

M7. UNISON SQUARE GARDEN『赤いゴーカート』
同じ3ピースバンドなのに全く違うスタイルなのが面白いユニゾンとトライセラ。
今回の『赤いゴーカート』カバーも原型と全然違うのに、Cメロからの畳み掛けと力強い歌にめちゃめちゃリスペクトを感じて泣きそうになった。

M8. 山崎まさよし『シラフの月』
この曲は哀愁漂うギターがたまらなく好きなんだけど、まさよしさんが弾くとより切なさと色気が増していて、最後にコーラスを重ねるアレンジも、歌詞の寂しさやたまらなさがより強く伝わってくる。

M9. 仲井戸"CHABO"麗市『New World』
野音でチャボさんとこの曲をセッションしてるのを観てシビれたので、2020年の最後、いろんな意味で新しい時代へ向かうタイミングで音源化してくれて嬉しかった。
セリフ調になる歌詞や、最後の"トライセラトップス"、カッコよすぎる…

M10. KAN『トランスフォーマー』
何故かきゃりーぱみゅぱみゅを意識したという、遊び心満載のKANさんならではのアレンジにニヤニヤが止まらなくて好き。それでいて原曲のギターの音もミックスしていたりと、ふと垣間見えるロックさとのバランスも面白い。

M11. Quattro Formaggi『ラストバラード』
『STAND BY ME』の和田さんのギターリフをヒントにミスチルの『未完』ができたように、今度は桜井さんが「SOUNDTRACKS」の音の実感を持ち込んだかのような温かみで、こうして互いに影響し合うのがトリビュートの魅力だなと実感。

M12. 和田唱 & 小田和正『Fever』
こちらも野音でサプライズで小田さんが出てきたときのライブを観て鳥肌立ちまくりだったので、今回またまさかのシークレットで驚きました!
やっぱり小田さんの曲であるかのような世界観に一気に変えてしまうコーラスワークが圧巻。

以上、12曲。
これら全曲のティザーはこちら。


トライセラと各アーティストどうしがリスペクトをもって影響し合う、そんな相思相愛を見ていると、ファンとしてもとても幸せな気持ちになる。
鬱屈した2020年の最後に、こんなハッピーな名盤に出会うことができて本当に良かった。

そして改めてこの12曲のオリジナルを聴き直してみたくもなって、プレイリストを作ってみたり。
そう、実はトリビュートって原曲の良さを再認識させてくれるというのももう一つの魅力なんだよね。

またさらに深くTRICERATOPSを好きになれたので、このトリビュート企画に感謝。
そしてトライセラと、カバーしてくれたミュージシャンの皆さんに敬意を。
いつかまた対バンや共演が観られたらいいな。

(レビュー企画のクオカード当たったらいいな…)