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BiSHと清掃員たちが星になれた夜 ~ 2023/4/22 PUNK SWiNDLE TOUR @沖縄 ~

2023年6月29日、東京ドームでのラストライブ「Bye-Bye Show for Never」をもって解散したBiSH。
その日を1年後に控えた2022年。
BiSHは4つのプロミスを掲げ、1月の頭から12月の暮れまで一切歩みを止めることなく、シングルのリリースやホールツアー、ライブハウスツアー、その他BiSH FESをはじめとしたイベントや大規模なワンマンライブをこなしてきた。

その中の1つである代々木第一体育館でのワンマン「世界で一番綺麗なBiSH」のアンコールにて解散日が発表されたわけだが、その2日後のライブハウスツアーのファイナル直後に発表されたのが、2023年のラストツアー「PUNK SWiNDLE TOUR」だ。
そこまででもかなり怒涛の日々だったのに、本当に直前の直前まで全国の清掃員に会いに、バイバイを言いに来てくれるんだなぁ…と目頭がアツくなると同時に、つくづくBiSHはライブバンドだなぁと思い知らされたものだ。

自分も例に漏れず、フェス(JAPAN JAM 2019)で何気なく目撃したBiSHのライブを観て引っ掛かり、どんどん気になっていって清掃員になった1人。
もちろん2023年も解散の直前までそうした外部のフェスやイベントにも出まくっていた。

彼女たちの一番の魅力はライブにこそある!ということと、そうして最後の最後まで輝き続けたBiSHラストツアーの記録や想い出を残しておきたく、ここに認めます。

3月8日の神奈川県民ホールからスタートとした「PUNK SWiNDLE TOUR」は、約3ヶ月ほどかけて全国を回り、5月25日のLINE CUBE SHIBUYAでファイナルを迎えるスケジュール。
…のはずだったが、3月下旬、アイナが頭部に大怪我を負ってしまい、いくつかの公演がスキップされてしまう自体に…。
ただ、命に関わるような大事には至らなかったようで、無事に4月8日の秋田公演からツアーは再開。
(本当に良かった。。)

スキップされた名古屋・仙台・高崎・千葉の4公演もなんと奇跡的にすべて振替公演が決まり、結果として本当に解散間際の4日前、6月25日までツアーを回ることとなった。
中でも今回は特に印象深かった4月22日の那覇公演初日を中心に振り返っていく。

まだ春とは思えない暑さに見舞われた4月の沖縄。
個人的にも高校の修学旅行以来、約15年ぶりに訪れることになったのだが、やっぱり他の地域とは違った雰囲気や空気をまとっていて、ゆったりした時間が流れているような気がする。

それでもBiSH解散までのカウントダウンが止まってくれることはなく、この日も迎えた開演時間。
会場が暗転すると同時に、工場なのか秘密基地なのか、はたまた宇宙船なのか…を模したセットからスモークが立ち込め、緊急事態を知らせるかのようなブザーが鳴り響く。
バンドメンバーが配置につき、ゆっくりと演奏を始めて高まっていく雰囲気の中、ステージ中央の自動ドアが開き、メンバーが1人1人歩いて入ってくる。

そしてそのまま6人が立ち位置につき、『サヨナラサラバ』からライブスタート。
緊張感を纏ったオープニングから始まるこの曲は強い覚悟に満ち溢れていたが、続く『GiANT KiLLERS』ではそれが一気に解き放たれることに。

このツアーでは途中の八王子公演から観客の声出しが可能となり、初のワンマンライブ参加が「REBOOT BiSH」だった自分としては、ついに満を持して声出し可能なBiSHのワンマンを体感することになるのだが、もうこのジャイキラの時点から地鳴りのように響く清掃員たちのコールに、全身が震えるような興奮を覚えた。

この曲が持つ一体感であったり、上がっていくテンション感はやっぱり清掃員の声あってこそだと実感するが、その熱を帯びたままさらに『ZENSHiN ZENREi』でライブは加速していく。
サビでメンバーに合わせて跳ねながら両手を旗のように上げまくっていたら、その時点で既に汗が止まらなくなる。

そしてここでメンバー紹介。
思えばここで今までは心の中で叫んでいた「ドロンチョ~!」「モモコ組~!」「無理無理~!」「リリンリン!」といったお決まりのレスポンスを声に出して叫ぶのも初めての経験だったので、やっと言えた~!という嬉しさがひとしお。

そしてチッチとリンリンがコザに行ったりタコスを味わったり、ハシヤスメが地元のコーヒーにこだわったカフェに行ったりと沖縄を満喫したことが話題に。
TwitterやInstagramでもそうだが、こうしたライブ以外のメンバーのオフの時間を垣間見れるのも実に嬉しい。

ライブが再開するとガラっとさわやかに雰囲気を変え『HiDE the BLUE』、そしてさらにBiSHには珍しくアイドルっぽさ溢れる『愛してると言ってくれ』と、ライブの中でもまた様々な表情を見せてくれる。

そして『I have no idea.』や『ぴょ』といったぶっ飛んだ選曲がまた続くと、やっぱりこれがBiSHだよな!と謎の安心感を覚えるが、それより驚くべきはここまでの数曲、特に『愛してると言ってくれ』や『I have no idea.』はコロナ禍以降に発表された曲にも関わらず、既に清掃員たちの合いの手コールが確立されていて、まるで昔からあった曲かのような一体感を醸し出していたこと。
声出しが解禁されてこの沖縄公演の時点ではまだ1ヶ月あまり、まだ数公演しか行われていない中で、いったいこうした合いの手は誰がいつ考えてどのように広まったのだろうか…。

続く『My landscape』『DiSTANCE』では静かな中にも沸々と燃え上がっていくような曲の壮大さを感じる流れでじっくり見入ってしまうが、こうした曲でのメンバーの表現力はライブの度に研ぎ澄まされているような気がする。
そしてまたそれに寄り添いながら一緒に盛り上がっていくバンドの演奏が毎度のことながら本当に良い!

今回もサポートを務めてくれているのはバンマスのKey.奈央さん率いる「FANTASTiC NAO BAND」で、公演によって一部のパートでメンバーの入れ替わりはあるものの、最近ではライブ後のLINE動画にも一緒に出てくれたりと、もはや7人目以降のBiSHのメンバーともいえるような一心同体さである。
自分もこのバンドがバックにいてくれるBiSHだからこそ好きだ!と思うところがマジである。

続く『ZUTTO』は12ヶ月連続リリースのラストを飾った曲だが、これまでBiSHがリリースしてきた全ての楽曲の集大成を感じさせるMVや振り付けが印象的。
ライブで観ると、バーっといろんなものがなだれ込んでくるような間奏でよりダイレクトにそれを感じて、途中から清掃員となった自分も走馬灯のようにそれまでのBiSHとの日々が蘇ってきてエモくなる。

そして流れるように『ア・ラ・モード』へ。
なるほどそうか、バンドの生演奏を伴ったライブだとこういう意外すぎる曲の繋ぎも違和感なくカッコよく連続させられるのか………と思いきや、

「ちょっと待ったァ~!!!」

と突然曲がストップ。
遮ったのはチッチで、「何でこんな大事なツアーでハシヤスメのソロ曲なんてやらなきゃいけないのよ!」と一蹴。
チッチ「"私はハシヤスメ派~♪"なんて言わせないからね!」
アユニ「言わせねぇよ!?」

なぜかここで我が家の杉山風に突っ込むアユニ。
そう、ここでいつの間にかコントが始まっていたのだ。

「『ア・ラ・モード』を止めてまでやる曲なんてある?もしそんなにいい曲があるというなら、楽屋にBiSHの全楽曲が書かれたパネルがあるから、みんなそれぞれ曲になり切ってケンカしてみてよ!」
とハシヤスメが謎の理論を持ち出し、はける他のメンバーたち。

そう、それぞれライブでやりたい曲になり切ってその魅力をプレゼンし、勝った曲を次にやろうというコンペだ。
「みんなも『ア・ラ・モード』聴きたいよね?」という問いかけで会場を沸かせながらハシヤスメが場を繋いでいると数分後、各楽曲のパネルを首から提げたメンバーたちが登場。

アユニ→『DEADMAN』
リンリン→『OTNK』
モモコ→『Primitive』
チッチ→『NON-TiE UP』
アイナ→『KiND PEOPLE』

ハシヤスメ「それでは、スタート!どなたか言いたいことありますか?」

リンリン「はい!私(OTNK)はハシヤスメさんがメンバーになってから初めてリリースされた、ハシヤスメさんのデビュー曲です!」

チッチ「はぁ?媚売ってんじゃねぇよ!こっち(NON-TiE UP)はなぁ、『HiDE the BLUE』や『Life is beautiful』の裏で、ゲリラでリリースしてんだよ!"鎮火ー!鎮火ー!"とか言ってるけど、こちとら"おっぱい舐めてろ チ○コシコってろ"だぞ!」

アユニ「しょうもねぇ~。こっち(DEADMAN)はメジャーデビューシングルなんだわ。だいたい今時どの曲も長過ぎなんだよ!こちとら99秒あれば事足りるんだわ!」

アイナ「はああ~…。あわわ~…。みんなぁ、優しくしましょ~。ちなみに私(KiND PEOPLE)はミュージックステーションに出たことがあります!」

モモコ「ちょっと皆さん、さっきから聞いてたら下ネタ言ったり、語彙力低いですよ。私(Primitive)はハシヤスメさんの初作詞曲ですから!」

アユニ「頭にサーターアンダギー2つも付けちゃって。」
(この日のモモコは頭にお団子が2つ付いたミッキーマウスのような髪型だった。)

モモコ「はぁ、何ですって!?意味わからないこと言って。ハシヤスメさん、私、この人(DEADMAN)になら勝てそうな気がしてきました!!」

ハシヤスメ「わかりました、そしたら『Primitive』さんと『DEADMAN』さんにはこれからハシヤスメにちなんだクイズ対決をしてもらいます!」

するとハシヤスメが今日何時に起きたか、沖縄で最初に何を食べたかという個人的すぎるクイズを出題していき、なぜかそれに「12時!」「タコライス!」どんどん回答していくPrimitiveモモコ。
終いには問題が読み上げられる前から「国際通り!」(何の問題だったか…)と食い気味に回答し、どういうわけかそれも正解(笑)

かくしてこの日は、最初から決まってただろ!という具合に『Primitive』が歌われることになった。
この曲は歌詞やタイトル、メロディーと、至るところで1期BiSの『primal.』がオマージュされており、加えて数少ないハシヤスメの作詞曲というだけあり、BiSHの楽曲の中でもかなり人気の高い曲。

奇しくも自分は去年この曲が披露されたREDLINEに参加し、またこのツアーの金沢公演にも参加しているためライブで聴く機会に恵まれたが、普段はなかなかやらないレア曲。
それにも関わらず、サビの素早い振り付けも完璧にこなしてみせる清掃員たちを見ていると、やはり皆にとって思い入れの深い曲であることがわかるからして、コンペも何も、最初からBiSHはこの曲をやりたかったのだろう。

もっと言うとオマージュ元の『Primal.』は、WACKを作り上げた渡辺淳之介氏の憧れであるTHE YELLOW MONKEYの『プライマル。』へのリスペクトが込められていることが、これまたタイトルや歌詞から明らかなので、イエモン→BiS→BiSHと、脈々と系譜が受け継がれている。
そしてBiSHもついに終わりを迎える。
また次にこのイズムを継いでいく者たちが現れるのだろうか。

そんなことを思いながらエモい気持ちになっていると、続いて『JAM』ではまた優しく心を落ち着かせてくれる。
"ずっとずっとずっと"
"きっときっときっと"
とBiSHと清掃員が手を差しのべ合うこの曲のラストシーンではいつもグッときてしまう。
BiSH唯一と言っていいアイナの歌割りが無い曲でもあるが、ラストの歌詞には無い彼女のシャウトがまたこの曲のメッセージを増幅させてくれるので、この人の表現力には本当に胸を打たれる。

ライブはいよいよ終盤へ。
ここからの4曲『スパーク』『プロミスザスター』『サラバかな』『beautifulさ』はもはや、これまでのBiSHの歴史の中で数え切れないほどライブを彩り育ってきた曲たちであるが、ここ数年封じられていた声出しが解禁されたことによる清掃員たちのエネルギーの解放が一番強く感じられ、その合いの手1つ1つに泣きそうになってしまった…。

特に『サラバかな』の、
"その手を離さないよう"
で起こる大合唱と、
\BiSH行くぞー!!!!!!!/
は、これから解散後も何度も思い出しては背中を押してくれる気がする。
それぐらい凄まじいパワーに満ちていた。

そしていよいよ本編ラスト、『Bye-Bye Show』。
先程もTHE YELLOW MONKEYについて触れたが、なんとこの曲ではそのイエモン・吉井和哉さんが作詞・作曲を手掛けてくれた。
ツアー当初からアイナは、桜の花びらがヒラヒラと舞うような振付をもって「東京ドームまでこの曲を育てていきたい!」と語っていたが、この那覇公演の時点でもう既に会場いっぱいに見事な桜が咲き誇っていた。

BiSからずっと受け継がれてきたものの1つとして、アルファベットのiを小文字で表記するというものがある。
そんなBiSHの特徴やこれまで繋いできた歴史とかけて、

"ほら あんなに小さなiが大きくなった"

と表現した吉井さんの歌詞は本当に見事だ!と感動したが、小さなライブハウスから始まったBiSHは全国のホール会場を回った後、満員の東京ドームで大団円を迎えることになる。
ちょうどこの日、「Bye-Bye Show for Never」のチケット一般発売があり、ソールドアウトしたということも喜びや感謝と共に触れられたが、まさかここまで愛が拡がって大きくなるんて。

実際に桜の花びらを模した紙吹雪も舞う美しい光景の中、笑顔で"バイバイしよう"と歌い、メンバー1人1人が清掃員たちをじっと見つめるようにした後、ゆっくりと背を向け、オープニング時に入って来たドアへと帰っていく。
そんな6人を称え、見送るようなNAOバンドの演奏は、やがてメンバー全員がドアの向こうへ姿を消しても鳴り止まない。
この原曲よりも長くなったアウトロのアレンジがまた、別れを惜しむ我々清掃員の気持ちを代弁してくれているようでたまらなくグッときた。
そうして高まって高まって、桜吹雪が落ち切ると同時にピタリと音は止んだ。

本当にバイバイする時が来てしまうんだなぁ…と切なくなるが、もちろんまだ解散まで時間は僅かに残されている。
後悔しないようにと、すぐさま\アンコール!アンコール!/の声が上がる。
この那覇公演に関してはここで、カチャーシーのような手拍子や合いの手、指笛もあちこちから響いてきたのが実に独特で印象的だった。

再びやがて訪れたメンバーが配置につき、奈央さんのピアノに乗せチッチがゆっくりと歌い出したのは『オーケストラ』。
声出しが解禁された後でもここは全清掃員が固唾を飲んで見守り聴き入る。
そしてバンドの演奏が一気に展開し他のメンバーが歌い出すと、爆発したようにコールを上げまくる清掃員。
BiSHの解散が決まってからこの曲の歌詞の響き方が一気に変わったが、こうして交わし合った声は"忘れはしないよ"と言わんばかり。

そして、メンバー1人1人が思いの丈を述べる。冒頭述べたように、自分も15年ぶりに訪れた沖縄だったが、BiSHは何度も何度も足繁く通い、ライブを続けてきた。
その度、どうしたって他とは違うゆったりとした空気と暖かさに溢れていて、特別で、大好きな場所だ!と皆が語っていたのが印象的だった。

そしてこの日チケットが完売した東京ドームのライブに来れない人、この日のライブがBiSHと過ごす最後の時間になるかもしれない人もいるであろうことにも触れ、だからこそライブの終わりまで、しっかりと届け切ることを誓ってくれた。

自分がBiSHに惹かれるのはやっぱりここだ。
どんな瞬間にも全力で、一途で、時には感情を溢れさせる等身大な姿。
だからこそ、『ALL YOU NEED IS LOVE』では溢れんばかりの愛がステージから客席に全方向に向かってくるし、清掃員たちも心で繋がって肩を組み、それをBiSHに返す。

そして「まだまだ終われないよなぁ!?」とチッチが呼び掛け、また清掃員が\ウオオ~!!/と雄叫びを上げるように応えると、ラストに叫んだ曲名は『BiSH -星が瞬く夜に-』。
キラキラと放たれた銀テープに負けないように、まだそんなに残っていたのか…というエネルギーをBiSHと清掃員が互いに放出し合ってホール一面に瞬く星になり、ライブは幕を閉じた。

- 4/22 BiSH PUNK SWiNDLE TOUR @ 那覇文化芸術劇場なはーと セットリスト -

01.サヨナラサラバ
02.GiANT KiLLERS
03.ZENSHiN ZENREi
04.HiDE the BLUE
05.愛してると言ってくれ
06.I have no idea.
07.ぴょ
08.My landscape
09.DiSTANCE
10.ZUTTO
11.Primitive
12.JAM 
13.スパーク
14.プロミスザスター
15.サラバかな
16.beautifulさ
17.Bye-Bye Show
en1.オーケストラ
en2.ALL YOU NEED IS LOVE
en3.BiSH -星が瞬く夜に-

アイナが休養から復帰して2週間が経ってのライブだったが、それまでは歌割りの一部を他のメンバーに譲り、時にはステージの端っこで踊っていたという。
しかしこの日からはまた元通りの歌割りとフォーメーションで1公演やり切ってみせた。
那覇公演は、アイナ・ジ・エンドが完全復活を果たした公演でもあったのだ。

メンバー6人とも、ライブ後もしばらくステージに残り、清掃員たちとの別れを惜しむように端から端まで駆け寄り手を振ってくれたりしていたが、そんな中で突然アイナがステージ中央でキレッキレのカンフーダンスを踊り出したのには、思わず笑ってしまった。
本当に元気になって良かった。
東京ドームのその日までどうか、互いに元気に生きて悔いなくバイバイしたい。
そう強く誓ったライブだった。

そして大きな大きなi(愛)で割れんばかりの拍手に送られメンバーがステージを後にすると、会場にはBGMが流れ始める。
これは開演前にも流れていたのだが、おそらくメンバーセレクトの曲たちだろうか。
ケツメイシの『さくら』など、別れの季節にちなんだ曲が多かったが、この日の終演後、一番最初に流れたのはMr.Childrenの『星になれたら』だった。

"さようなら 会えなくなるけど さみしくなんかないよ"

まさか、ここにきて大好きなミスチルの歌詞に胸を打たれるとは…。
自分がBiSHに出会う遥か前から、BiSHのみならずこうして時には遠征し数多くのライブに足を運ぶきっかけになったバンドが何を隠そう、他でもないMr.Childrenなのだ。

BiSHを観に沖縄まで来ようとしたのは、実は今回が初めてではない。
2年前、2021年の夏に沖縄アリーナで開催されるはずだった「BiSH SPARKS」にも行く予定った。
コロナの脅威にやられ当アリーナ公演は中止になってしまったので、今回、ようやく沖縄にたくさんの清掃員が集まることができたし、個人的にも2年越しにリベンジが果たせた。
しかも、清掃員みんなの声も届けることができた。
本当にパワーがみなぎったし、震えるくらいに感動した。

解散前ラストの沖縄でそうした悔いを清算できたからこそかけがえのない想い出になったし、だからこそ『星になれたら』の歌詞が一層グッと響いたのだ。

これを書いている今、BiSH解散直後の寂しさの中に自分はいる。
東京ドームでのあまりに感動的で楽しかった夜もまた改めて振り返りたいが、

"そのうちきっと 大きな声で 笑える日が来るから"

と桜井さんも歌ってくれているように、この沖縄での夜も「良かったよなぁ」と笑える日が来るはず。