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ここまできたことを称えましょう~UNITE#01 B'z × Mr.Children~

前回に続いてB'zについてのnote。
そこでも冒頭にチラっと触れましたが、ついに実現した、B'zとMr.ChildrenのUNITEについて、配信ライブのレポ的なやつを書きます。

ライブが行われたのは9月18日・19日の大阪城ホール。
抽選はすべて外れてしまい、一応当日の直前販売に挑むも見事に撃沈したので、どんなライブになるかなぁと見守るような気持ちでSNSの更新を待っていたら、TwitterにB'zとMr.Childrenの面々が並んだ城ホールでの写真がアップされ、それだけでも「ああ、この2組の共演が本当に実現したんだ…。」という実感でめちゃめちゃ嬉しくなった。

そして待ちに待った10月4日、配信当日。
仕事を終えて急いで帰宅し、配信ページを開くと、BGMでMr.ChildrenとB'zの曲が交互に流れていて、一気にテンションが上がるとともに、ようやく観られるのか…と気持ちが高まっていく。

まずミスチルがステージでライブをしている様子を観るのは、テレビ番組等を除くと、2019年にナゴヤドームで参加した「Against All GRAVITY」以来2年ぶりになる。
配信とはいえ、あまりに久しぶりのライブに期待と緊張が混ざったような、カオスでソワソワした感情で待っていたら、ついに開演。

会場内にこの企画のテーマソングである『UNITE』と思われる曲のインストが流れ始め、ステージ上部のモニターに「UNITE Mr.Children × B'z」と映し出されると、SEが切り替わり、スティックを高々と上げるJEN(Dr.鈴木英哉)を皮切りに、メンバーが登場。

もうこれまで何度聴いてきたか…という、一瞬で何の曲かが分かるイントロをSUNNYさん(サポートKey.)のピアノが奏でる『Tomorrow never knows』で、Mr.Childrenからライブがスタートした。
4人が、ステージの上で、演奏している。
ファンとなってから15年以上経つし、2019年まではほぼ毎年に近い形で彼らのライブに足を運び続けていた自分でも、その光景を観るのが久しぶりすぎて、まず感慨で胸がいっぱいだった。
ただこれまでのライブと違うのは、桜井さんが"果てしない闇の向こうに"と歌っても、客席から\Oh Oh-!/と返ってくることが無いということ。
それでも、会場中からたくさんの腕が上がり、割れんばかりの拍手が鳴り響く様子にはめちゃめちゃグッとくる。

それは次の『GIFT』でより一層強く感じられて、特にこの曲では"ラララ"のコール&レスポンスが当たり前だった中、「心の中で歌って!心で!」と桜井さんが言うと、会場が一つになったように手を左右に振る様子に、2曲目にして既に感無量で泣きそうだった。
特に今回は配信のため、ステージでのお客さんの様子もたくさん映してくれるのでその一体感がよく分かるし、時折ミスチルくんのリストバンドなど、Mr.Childrenグッズを身に付けた人達の姿が見えたのが、ここしばらくずっと見ていなかった光景なだけにまたグッときた。

続く『himawari』では、桜井さんが感情を爆発させたように激しくステップを踏み、それに呼応するように激しさを増す田原さんのギターソロで、一気に会場の空気を飲み込んでいく。
この曲が初めて披露された25周年ライブ「Thanksgiving25」では「みんなをコテンパンにしたいと思います!」と語っていたが、ここまでの選曲を含め、時代を彩ってきたキラーチューンを容赦なく畳み掛けるここまでのミスチルの流れは、序盤からB'zファンを食いにきてるな…と思わされるほどだった。

「どうもありがとう。初めての人もいるよね?僕らが、Mr.Childrenですっ!」と挨拶をする桜井さんの、溢れる笑顔と上ずる声からも感慨深げなのが分かるし、「B'zの皆さん、呼んでくれてありがとうございます!何よりマスク、ありがとね!窮屈でしょ?本っ当にどうもありがとう!そして何よりも、皆さんのあったかい拍手、本っ当にありがとう!」と、心から何度も感謝をしているのが伝わってきた。

コロナ禍でもミスチルとは別のユニットや形態でライブをする桜井さんはリアルや配信で何度か観てきたが、本当にこの人ほど、目の前の人、関わる人、観てくれている人を大切にし、感謝の意を表してくれるミュージシャンはいないよなぁと毎回感じさせられる。

そんな中、「次の曲に"手を繋いで僕らの現在(いま)が途切れない様に"という歌詞がありますが、今は皆で手を繋いだりすることはできないけど、心の中で手を繋いでこの会場が一つになればと思います。それがUNITE…」と語り、『口笛』へ。
かつてファンクラブの投票企画で1位を獲得したぐらいファンの人気が根強いこの曲だが、B'zファンの人たちをも優しく包み込むような歌と演奏が響いた。

「繋がれた気がするよ~。本当にあったかい。ありがとう。」と、ここでも感謝を告げながら、「僕らもそれなりに気負いを持ってやってきました!今回のUNITE、対決ともとれると思うんですけど、B'zさんみたいにロック色の強い選曲にすることもよぎりました。だって負けたくないんだもん…。でも何に勝つの?と。皆さんが日常で抱えてるモヤモヤや不安や嫌なことこそが、勝つべき相手ではないか!と思い直しました。」と語る桜井さん。

Against All GRAVITYで『Prelude』を演奏したときも、「音楽という乗り物に、ここにいるみんなを乗せて、悲しみや寂しさや退屈から、できるだけ遠い、遠い場所にみんなを連れていきたい」と語ってくれたのが記憶に新しいが、常にMr.Childrenはそういう気持ちでステージに立ち、音楽を届けてくれていたバンドだ。

「そこで、皆さんのイライラやモヤモヤを吹き飛ばすべく、お招きしましょう…松本さん!稲葉さん!」
するとついに、ついに同じステージに、Mr.ChildrenとB'zが並ぶ瞬間が訪れる。
ファン歴こそ自分はミスチルの方がやや長いが、両者ともずっと曲を聴き続け、ライブに足を運び続けてきた自分にとって、夢のような瞬間。

稲葉さんのMC。
「たくさん集まってくれてありがとうございます!嬉しいなぁ。Mr.Childrenには僕らから声をかけさせていただきましたが、本当にメンバー皆さんで考え、快く引き受けてくれました。そしてそのMr.Children、とにかく演奏も歌も最高で、感無量です!」

いやいやそんな言葉を稲葉さんから聞けるなんて、こっちが感無量です!という気持ちだが、ここでついに2組のセッションへ。
『Everything(It's you)』。
SUNNYさんのシンセがゆっくりと静かに響く中で、"世間知らずだった少年時代から…"と歌い出しの口火を切ったのは、なんと稲葉さんの方だった。

ずっと前から聴いてきたMr.Childrenのこの曲を、B'zの稲葉浩志が歌っている…。
もう始めは何が起きているのか分からず、これは現実なのか?と、目や耳を疑いつつも、鳥肌が止まらなかった。
もちろん桜井さんもアコギを弾きながら歌に加わり、交互に、時にハモり合う。

2番からはJENのカウントとともにバンドも演奏に加勢し、何より松本さんのギターが鳴くように響き始める。
別のバンドの中にいても音が際立つ、この人のギターの存在感たるや…。
そういう意味では稲葉さんも語尾を上げたりと、稲葉さんなりの歌い方が随所に表れていた。

そして間奏では田原→桜井とギターソロリレーが繰り広げられるのが通例のこの曲だが、ここも田原→松本という今回ならではの繋ぎに。
ここぞという見せ場だが、そんなタイミングで、しかも2年ぶりのライブにも関わらず、原曲とは違うシンプルなギターソロを敢えて披露する田原さんにまず驚かされたし、だからこそ次の松本さんの音を畳み掛けるようなギターソロはめちゃめちゃ映え、とんでもなくかっこよかった。

そしてラストは\ステェェェェェエエエイ!/と、桜井さん・稲葉さんが声を張り上げユニゾンする。
もうなんて、至高のアレンジなのだろう……。
それ以上言葉にならなかった。
桜井さんも歌い終えた後思わず「最高でしょ?」と漏らすほど。

「引き続きこの最高のバンドをお楽しみください。」
と稲葉さんが粋な言葉を残して歴史的なセッションタイムが終わり、またここからの後半戦でミスチルはガラリと選曲のテイストを変えてきたのだが、これがまた見事に引き込まれた。

B'zファンの方々にもきっと直近で耳馴染みがあるのではないかという、レモンサワーのCMで今でも流れまくっている『others』。
歌詞を読み解くと不穏な男女の関係を歌っていることが分かるが、そんな歌詞さえも、今まで交わることのなかったB'zとMr.Childrenという禁断の関係を歌っているようで、観てるこちらも先程のセッションには"時間(とき)が止まった"ような心地よさがあったので、その余韻を代弁してくれていた。

続いてまた何の曲が来るのだろう…と焦らされるようなSEから始まった『DANCING SHOES』では思わず「おお!」と声を上げてしまった。
『others』もそうだったが、ここで最新アルバム「SOUNDTRACKS」からライブ初披露である。
張り上げる桜井さんの歌声に乗せ、SUNNYさんだけでなく、田原さんやJENもコーラスを畳み掛けてくるサビの爽快感がたまらない。

そして1つ前のアルバム「重力と呼吸」からは『SINGLES』。
ツアー当時はアコギを弾き、鍵盤を世武裕子さんに任せていたSUNNYさんも今回は鍵盤に徹するという、最少編成でのこの曲もまたシャープに感じられて良い。

続けざまにJENがカウントを刻むと、再び「SOUNDTRACKS」から、こちらもライブ初披露の『Brand new planet』へ。
もはや、初のB'zとの共演でこの曲をやることの意味を勝手に感じてグッときてしまうし、初めてMVを観たときは暗い部屋で4人だけでひっそりとこの曲を演奏していたのが、今はパッと輝く照明に照らされた大阪城ホールで、たくさんの人たちが腕を上げ見守る中で演奏している。
その光景があまりに感動的だった。

ライブ前半は、皆が知っているであろう名曲やライブ定番曲を繰り出し、これまでのMr.Childrenを存分に見せつけたのに対し、後半からはここまで最新曲を次々と畳み掛け、ロンドンでのレコーディングを経て帰ってきた今のMr.Childrenを見せてくれた、このコントラストが本当に良かった。
これからもまだまだ行くよ!という確かな意思表示を感じたし、単純にずっとライブで演奏できていなかった「SOUNDTRACKS」の曲たちをやりたくてたまらなかったのかもしれない。

「Mr.Childrenでしたー!」
と充実感たっぷりの表情で桜井さんが叫ぶと、ラストは『innocent world』。
これがまたあまりに名演すぎて…。
この曲はまたこれまでのミスチル史に欠かせないアンセムで、サビや、もっというとAメロBメロまで観客が歌うというのが定番だったが、今回は何十年ぶりかという貴重さの、全パート桜井さんが歌うバージョン。
でも、会場中で皆が左右に腕を振る壮観は一切変わらないし、間奏から大サビにかけ、ドラムセットに集まりJENの方を向き演奏し歌う、田原さん・桜井さん・ナカケーの、その菱形の図を見た瞬間にはもう泣きそうだった。

2年ぶりのライブ、観てるこちらも最初は緊張したが、終わってみれば、新旧のMr.Childrenを惜しまず出し切ってくれて、もはやワンマンライブを一つ観終わったような感覚にさせてくれた、完璧な大団円だった。

「本当にどうもありがとう。次会うときはマスクも外して一緒に歌ってやろうね!みんな頑張ってー!!」
もうこの桜井さんの一言だけで、また日常へ戻っていける。
思えば今までもこれを繰り返して、Mr.Childrenのライブを一つの節目にしながら生きていた。
またそんな日々が戻ってくるといいけれど、その確かな希望をはっきりと感じさせてくれた。

- Mr.Children UNITE # 01 セットリスト -

01.Tomorrow never knows
02.GIFT
03.himawari
04.口笛
05.Everything(It's you) w/B'z
06.others
07.DANCING SHOES
08.SINGLES
09.Brand new planet
10.innocent world

ここで転換タイム。
ものすごいスピードでスタッフさんたちがテキパキとバンドセットを移動し、ステージ上に物凄い数のアンプがあらわに。
このスムーズな転換作業も、昨年ノーカットで流れるように行われた配信ライブ「5ERAS」で培われたものだろうか。

モニターに大きく「B'z」と映し出されると、稲葉さん、松本さんとバンドメンバーたちが登場し、炎が灯され、ガラっと変わる雰囲気のステージから、新曲『UNITE』を皮切りにB'zのライブがスタート。
何があるかわからないこの世の中、もはや嫌われてもいいから、今までやってこなかったことや人たちのもとに飛び込んでいこうというメッセージは、本当にこのUNITEという企画そのものを歌っている。

そして間髪入れずに『イチブトゼンブ』へ。
もう何年もLIVE-GYMでスタメンを担っているこの曲の安定感と安心感から、ようやくB'zのライブが始まったんだなぁという実感が込み上げてくる。

「どうもこんばんはー!お久しぶりです。皆さん元気でしたか?会いたかったよー!」
と、気持ちを溢れさせた稲葉さんの挨拶へ。
「叫んだり歌ったりできない分、手拍子をしたり、頭を振ったり、踊ったり、自分なりの方法で自己表現を…」
と、改めてコロナ禍なりのライブの楽しみ方を提示した後、
「B'z presents UNITEにようこそー!!」と、『love me, I love you』へ。
5ERASのときにこの曲を披露したときもそうだったが、この言葉数が多い曲を、あちこち歩き回りながら歌える稲葉さんはなぜ息が上がらないのだろうか…。

そしてリズムを刻むドラミングから『有頂天』へ。
何せB'zにとってもまた2年ぶりの有観客ライブで、しかもMr.Childrenとの初共演である。
まさに天にも登るような気持ちなのだろうなというのは、既にたくさん動き回りシャウトする稲葉さんのテンションを見ていても明らかだ。
松本さんのギターソロも絶好調である。

モニターに満月が映し出された『今夜月の見える丘に』では、聴かせるようなロックバラードのため一瞬そのテンションもクールダウンしたように見えたが、エモーショナルに畳み掛ける間奏ではまた情熱が溢れまくっていて、稲葉さんも頭を振りながらさらに気持ちを高ぶらせていく。

半分のキャパながらオーディエンスで埋まる会場を見て「この景色、なんて綺麗なんでしょう!」と感嘆の声を上げる稲葉さん。
当たり前のようにライブをしていた日々から、去年世の中の状況が一変して、それでも何とかなるだろうと気楽な気持ちでいたけど、なかなか一筋縄ではいかず。
そこで改めて、当たり前のようにやってきたことは当たり前じゃなかったと思い知らさた。
そんな中で、去年は何とか無観客のライブを開催し、そして今回、スタッフやMr.Childrenの多大なる協力があり、そしてルールを守って来てくれたお客さんがいて、有観客ライブが実現しているという奇跡。

そんな感慨に浸りながら、「本当にありがとうございます。今日は皆さんの前で音楽をやれる喜びを噛み締めながら、感謝の気持ちを込めて最後までやりきりたいと思います!」
と稲葉さんが語ると、続いて、時に繊細に、時に楽器全体が持ち上がるほどの強さで鍵盤を叩く独特のキーボード捌きから『LOVE PHANTOM』へ。

今まで幾度となく演奏されてきたこの曲も、そんなイントロのアレンジを経るとまた新たな命が吹き込まれたようだが、それもそのはずで、長年共にしてきたメンバーを一新した「NEW LOVE」のツアーから、また去年は再び配信ライブならではの、過去B'zのライブを彩ってきたメンバーが再集結し、そしてさらにまたこのUNITEでメンバーが一新されていた。

「聞こえますかー!」とマイクを通さないシャウトから始まったのは『Calling』。
相変わらず人間離れした稲葉さんの肺や喉のパワーには驚かされるが、もっと凄まじいのはアウトロの演奏のぶつかり合い。
ライブならではの少し長くなったアレンジなだけに、速さとパワーを帯びていくその様はまさに圧巻の一言…。
こちらは数ヶ月前にもスタジオライブの映像が公開されたのでぜひ観ていただきたい。

「手が腫れるかもしれませんが、拍手のやりっこしましょうか!」と拍手でのコール&レスポンスを始める稲葉さん。
こうしたやり取りももちろん2年ぶりのため、思わず「気持ちイッ!」と声を裏返していたのがまた印象的だったが、そのまま『BANZAI』へ。
先述の稲葉さんのMCとも重なるが、有観客でのB'zとMr.Childrenの共演の実現にはまさに、"ここまできたことを称えましょう"と言いたくなる。
あまりの嬉しさからか、歌唱中、お立ち台からジャンプしたときは思わず派手に転倒してしまった場面もあったが、そんなハプニングからすらも、今までに無いような喜びと感慨が滲んでいるように見える。

続く『ミエナイチカラ~INVISIBLE ONE~』では、歌詞が改めてグッと響いてきた。
5ERASで披露されたときも、"未来はそんなには暗くない"、"そばにいても離れていても""笑顔のあなたはいつでもこの胸にいるよ"というメッセージに勇気づけられたが、明るい照明を浴びたたくさんの観客たちの前でそのフレーズを歌っている様を見るとまた感慨深い。

それは稲葉さんもきっと同じで、「物凄い愛情を感じながらライブをすることができて、本当にみんな、みんな最高でしたー!」と締め括ると、本編ラストとなるのは『兵、走る』。
ここまでも往年のヒット曲たちを畳み掛けてきたが、それらと並んでも劣らぬくらい、早くもアンセムになりつつあるこの曲は、ミスチルファンにとってもラグビーW杯のテーマ曲としてお馴染みだろう。
"ゴールはここじゃないまだ終わりじゃない"という力強いメッセージは、UNITEのさらにその先も突っ走っていくのだろうなという期待を感じさせてくれる。
個人的には「令和版の『RUN』」と勝手にこの曲を位置付けているが、2年後にあると信じてやまない35周年の「Pleasure」でも、重要な曲となるのではないだろうか。

圧倒的なパワーでまたステージを塗り替えたB'zのライブもあっという間に本編を終え、アンコール。
一新されたサポートメンバーを改めて紹介した後、ここでついにまた再び歴史的なセッションタイムへ。
「from Mr.Children、桜井和寿ー!」と稲葉さんが呼び込むと、もはや隠し切れないような笑顔を浮かべながら、「もう最高!」と言って桜井さんが飛び出してくる。

そして、エアーハグをし、「今日が最後なんて…」「さみしい!」というやり取りを交わしている2人を見ていると、5月に公開された対談からすっかり仲良くなっているなぁという微笑ましさがあり、見ているこちらまでほっこりした気持ちになる。
本当に両ファン冥利に尽きる、嬉しい瞬間。

「B'zの中にゲストボーカルが入って一緒に演奏することは初めてで、その第一人者が桜井さん」、「コロナ禍以降、我々が初めてお客さんの前で演奏したのは『Everything(It's you)』なんです」と明かす稲葉さんに、目を見開きながら「凄いじゃないですか!」と喜ぶ桜井さん。

そのテンションのまま「(一緒にやる曲を)選ばせていただきました!いきますよ?さまよえる、蒼い、弾丸ー!」と高らかに宣言し、『さまよえる蒼い弾丸』のセッションへ。
意外な選曲だったが、全身から楽しさと喜びを放出させ、イキイキと身体を動かし、飛び跳ね、歌い踊る2人のパワーに圧倒されるとともに、もはや無条件にテンションが上がり、めちゃめちゃ元気を貰えた。
この日一番とも思える会場の沸き上がりも、配信でも伝わってくるほど。
そんな幸せな時間も弾丸のようにあっという間に過ぎていき、"もっと!"、"もっと!"…の掛け合いからは名残惜しさが滲み出ていた気がしたけれど、「また何かあるでしょう!」という稲葉さんの言葉を信じてもいいだろうか。
またこの2組の共演が観たい。
桜井さんの去り際、「ジャンプが違うな!」と呟く稲葉さんには思わずクスッとしてしまうが、こうしてこれからも互いに刺激し合う存在でいて欲しい。

そして、この奇跡のような一夜のラストを飾るのは『ultra soul』。
もはやこの曲で飛ばないとB'zのライブは終われない。
「あそこでジャンプね!」と稲葉さんが初見のミスチルファンにも分かるように説明してくれたが、きっと会場だけでなく、時空と場所を越えた先の配信のオーディエンスも皆、\ウルトラソウッ!/\ハイッ!!/で喜びのジャンプを飛んだことだろう。

- B'z UNITE # 01 セットリスト -

01.UNITE
02.イチブトゼンブ
03.love me, I love you
04.有頂天
05.今夜月の見える丘に
06.LOVE PHANTOM
07.Calling
08.BANZAI
09.ミエナイチカラ~INVISIBLE ONE~
10.兵、走る
en1.さまよえる蒼い弾丸 w/桜井和寿 from Mr.Children
en2.ultra soul

B'zがすべての演奏を終えると、ステージには再びMr.Childrenの4人が集結し、冒頭にも触れたあの写真を撮る、記念撮影タイムへ。
この一幕までちゃんと配信映像に入れてくれているのは実に嬉しい。

「マスクしてるお客さん皆さんが、写真だと桜の花びらみたいに見えるんですよ。」と表現する桜井さんに、すかさず「さすがですね!」と誉める稲葉さん。
そして写真を撮る度にポーズを決め、「イエーイ!」と楽しそうに叫ぶメンバーたち。
なぜか稲葉さん松本さんに挟まれ、「贅沢だ」と照れるJEN。
この、両グループメンバーが入り交って並んでいる画がたまらない。

「またあるかな?」「またどこかで!」
そう固く誓いを交わし合って、Mr.Childrenはステージを去っていった。
そしてこちらも忘れてはいけないB'zのライブ恒例の儀式、\せーの、おつかれー!!!!!!/を終え、「経験したことのないこと、感じたことのない喜びをたくさん味わうことができた、このUNITEがエンターテイメントの次のステップに繋がればいいと思います。」と稲葉さん。
そして松本さんは「本当にライブっていいんだなぁと感じました。」と一言。
もうそれだけで伝わってくる。

配信でも、本当に幸せな時間だった。
生きていればこんな夢みたいなことがあるのかと。
そしてまた何かあるかもしれない。
稲葉さんも「ちょっとしたきっかけでいろんなことが起こせるということに気付かせてくれました。」と語っていたが、観てるこちらもまた、人生のヒントというか、生きがいを見つけることができたし、こんな時代でも音楽にまた一つ、希望を見出だすことができた。

本当にありがとう、Mr.Children、B'z。
2年間、ライブの無い日々を乗り越え、メンバーも、スタッフも、両ファンも皆、ここまできたことを称えましょう。