見出し画像

半年ぶりのリアルライブ~8/14 [Alexandros] THIS SUMMER FESTIVAL 2020~

新型コロナウイルスが蔓延して久しく、はや半年。
会場に足を運んでのライブも観ることができなくなり、良くも悪くもそんな生活に慣れ始めていた今日この頃。
無観客ライブの生配信も、無料のものや投げ銭システムから端を発し、最近では3000円前後の有料チケットでのものも主流になってきた。

そんな中、有観客でのライブに参加できるという、またとないチャンスが巡ってきた。
いや、そもそも"有観客ライブ"という言葉自体、あってはならない異常なものなのだけど…。

[Alexandros]のTHIS SUMMER FESTIVAL。
そもそもこの通称"ディスフェス"は、6年前まで彼らが自主企画していた対バンイベントで、名前とは裏腹に冬に行われていた。
今回、コロナ禍でことごとく夏フェスという夏フェスが延期・中止となり行き場を失っていた中で、
満を持して6年ぶりにこの2020年・夏に開催されることになった。

※以降、[Alexandros]="アレキ"として話を進めていく。"ドロス"の方が明らかに普及している気がするが、ひねくれ者の自分はもっぱらアレキ派である。今回、公式もアレキと略していたもんね!

さて、アレキは本来この夏に10周年を記念した「Where's My Tomato? Tour」を予定しており、そのファイナルが元々8/14・15にZepp Hanedaで開催されるはずだった。
自分も横浜・仙台と別会場で行く予定だったが、やはり中止となってしまい、途方に暮れていた。

その8/14・15のZepp Hanedaを使って代わりに行われることになったのがディスフェスだ。
しかも、有観客ライブと銘打って、今回は500人に絞り、初日を一般にも開かれた通常のもの/2日目をFC限定のものとして、観客を入れてライブすることが発表された。

発表当時の7月初旬、世間的にはコロナが再び第2波として猛威を奮い始めており、まだまだ彼らほどメジャーなバンドが観客を入れてライブを行うのは非現実的だった。
8月にやっと大阪城ホールで複数バンドが参加するイベントが行われたぐらいだ。

だがアレキは6月に"Party in ur Bedroom"と称した2daysの無観客生配信ライブを既に行っていたことを考えると、自ずと次のステップへ足が向いていたのかもしれない。

自分もそのライブを観ていたが画面越しでもライブ感を味わえた本当に素晴らしいものだったので、そんな彼らのライブが現場で観れるというのなら…と藁をもすがる想いで初日のチケットを申し込んだ。
自分もやはり2月以来、現場でのリアルライブから遠ざかっていただけに、どうしても行きたくて。

ただまさか本当に当たるとは……。
約3000人キャパのZepp Hanedaで、それでも激戦必至であろう中、さらに500人限定のライブ。
本当に貴重な機会なので、しっかりと楽しみつつ、コロナ禍の有観客ライブとはどういうものか、しっかりとこの目で見てこなければ、と使命感に駆られるぐらい恐れ多い。
だからこうして今、noteを綴っている次第。

チケットは1枚15000円。
従来に比べれば破格だが、3000人動員できる会場で500人しか入れないとなると、それでも主催側は赤字になってしまうんじゃないかと思うし、ほぼ全てのライブが中止・延期となり、これでもかと払い戻しを受けまくっていた自分にとっては安いもの。

政府の感染防止ガイドラインに沿って行うとアナウンスされたこのイベントでは、まずチケット当選者に注意換気のメールが送られる。
体調が優れない場合、体温が37.5℃を越える場合は来場を控えること、マスクを着用し消毒を徹底すること、また状況により公演中止もあり得ること…。

中でも印象的だったのは、「公演2週間前を目安に、接触確認アプリ"COCOA"をインストールしてください」というものだった。
早速、自分もディスフェス2週間前の7月末頃にスマホにCOCOAを入れたのだが、正直普及率は低いとはいえ、いざ使ってみるとそれまで以上に行動に慎重になるので、案外良いかもしれない。

もしCOCOAから「陽性者と接触しました」という通知が来たらどうしよう…せっかく当たったライブに行けなくなってしまうかも……とかなりビクビクしながら生活するようになるからだ(笑)

ただ幸い当日まで、そのような通知は来なかった。
実際はわからないけども、少なくとも厚労省推奨のアプリから、陽性者との接触は無いとお墨付きをもらえた気になるので、自信を持って会場に向かえる。

もちろん自分自身の体調に問題が無いことが前提だが、特に何事も無かったし、自宅で検温しても36.1℃とほぼ平熱だった。
それでも、無症状なだけの可能性も無きにしもあらずなので、油断は禁物なのだけど…。
そこは皆さんもご注意を。

当日、いざ会場のZepp Hanedaに着いてみると、かなり人はまばらで、全然ライブが行われる実感が無かった。
それもそのはず、今回のライブは全席指定となっており、密を避けるために座席列ごとに集合時間を分散させていたのだ。
新しくできたばかりの会場なので自分も初めて来たのだが、羽田空港手前の京急・天空橋駅が最寄りとなっており、東京の中心から少し外れた場所にあるため、ライブが無い限りわざわざ来る人が少ないというのもあるかもしれないが。

会場には写真のような張り紙が掲示されていた。

会場でのグッズ販売は無し。通販のみ。
ドリンク交換も無し。
スタッフと観客との接触を本当に必要最低限に留める徹底ぶり。
待機列はソーシャルディスタンスをとって並び(地面に目安となる印が貼ってある)、入場時の電子チケットのスワイプも、スタッフに身分証を見せながら自分でやるセルフ式。

もちろん、額にかざすハンディ機器で検温も。
消毒は設置されているアルコールで手を除菌しつつ、足元にも消毒液を染み込ませてあると思われるマットがあり、その上で靴も除菌するように指示される。
正直、手順が多くスタッフさんもテンパっていて、自分も手を消毒した後スマホに免許証も出さなきゃでかなり焦ってしまった。
まぁこれは慣れていくしかない。

そんなこんなでいくつかの関門をクリアし、無事入場。
自分は2階席だったのだけど、わりとゆったりした広さがあり、しかも前後左右1席ずつ空けているため、かなり開放的な空間だった。
しかも2列目の中央だったので、眺めも良好。

ステージにマイクスタンド、ギター、ドラム、ベース、鍵盤、アンプと機材が並ぶ光景は本当に久しぶりで、それを見た瞬間にやっと今日はライブなんだという実感がジワジワ湧いてくる。
ただいつもと違うのは、観客皆がマスクをしていること。
飛沫感染を防ぐため、会話も控えてくださいとの注意書きもあった。

開演時間が近づくと、いよいよ音出しが。
ジャーン!ズーン!とライブハウスいっぱいに鳴り響く、生のギターとベースの音。
その感じがもはや久しぶりすぎて、既に感動して泣きそうだった。

そしていよいよ開演。
一旦暗転した後、一筋のスポットライトが射したのは、そう、サトヤス。
ベストアルバムの発売とともに彼の勇退も延期になっていたので、このディスフェスでは2日間とも彼がMCを務めることに。

「今日私はスベることが確定しているんですね~。何故なら、何か言っても声が返ってこないから…」

そう、観客には会話も許されなければ当然、笑ったり歌ったり、声を出すことができないのだ。
これが今回、かなりツラいことなんだと後々実感することになる。
ただ、サトヤスの相変わらずのトーク力と持ち前の明るさで場は温まり、いよいよライブスタート!

初日のコンセプトはアレキVSしゃんぺの対バン。
しゃんぺってあのしゃんぺ?
そう、昔お酒の名前で問題になったあのしゃんぺ。
スクリーンに"Next Artist is…"と表示され、
出てきた名前は[Champe]!!
直後掲げられたロゴには[Cham…⚫⚫⚫]とモザイクで、あの名前と思われる文字の面影が。
そう、大人の事情で使えなくなってしまったので、
あくまで略式の"[Champe]=しゃんぺ"である。

そして『Burger Queen』をBGMにメンバー登場!
ようぺ、ヒロ、まーくん、そしてサトヤスの代わりにドラマーはリアド、鍵盤はロゼ。
すると次の瞬間、リアドのスティックカウントとともに流れていたBurger Queenがそのまま生演奏にスライド…!!
これには早速シビれました。
半年ぶりに聴いた生演奏というのもあり、
テンションが最高潮のまま『For Freedom』へ…。
この流れはもはや鉄板だ。

声は出せない分、いつも以上にボディーランゲージと拍手で沸き立つ会場。
2階からだと、たくさんの腕が上がり揺れているのがよく見えるので、より自分も上がる。

そのまま『Waitress, Waitress!』『Starrrrrrr』と雪崩れ込んでいくのだが、特にStarrrrrrrは本来ならコール&レスポンスが欠かせない曲で、改めて声が出せないことの苦しさを思い知らされる。

すると本来\イエーイエーイエー/と叫ぶところでようぺが胸に拳を当てて、"心の声はちゃんと届いてるぞ"と言うようにジェスチャーをしてくれた。
そこからサビに入ってギタードラムベースボーカルが一気に畳み掛ける瞬間、メンバーたちの想いもすごい勢いで入り込んできた気がして、めちゃくちゃに泣いてしまった。

そう、これなんだよライブは。
もちろん、声を出せるに越したことは無いが、それができなくても、客席とステージで想いと想いを交わすことはできるんだ。
それを実感して、めちゃくちゃ感動した。
ここがまず個人的に一つ目のハイライト。
その後も『Kids』から『Untitled』まで、懐かしの曲たちが、少なくシンプルな照明とアンプを駆使しながら披露されていった。

そんなしゃんぺのアクトが終わると、転換へ。
正直、ステージに立つのは同じバンド(←おい!)なのに、しっかりアンプの数を増やして最新のモードへとチェンジしていくこだわりっぷり。
そして再びBurger Queenで衣装もグレードアップしたメンバー5人が登場。
正真正銘、満を持しての[Alexandros]だ!

ここでもまた、Burger QueenがBGMから一気に生演奏に切り替わる。
この瞬間は何度観てもカッコいい。

そして1曲目はさっそく合唱でお馴染みの『Adventure』。
するとスクリーンにTwitterや配信媒体のコメント欄が表示されて、会場にいる自分たちが歌えない分、配信を観ている皆さんが全国から文字で一緒に歌ってくれたのだ。
おかげで会場のキャパ以上に皆で盛り上がってる感があってグッときた。
これが二つ目のハイライト。

そこから『Run Away』で一気に加速していく。
『ムーンソング』『月色ホライズン』と、月にちなんだ流れを演出した後、『Dracula La』で再びスクリーンに配信で観てる方たちのコメントが。
2階だったから正直視力的に細かい文字までは見えなかったけど、トレンド入りしてもおかしくない勢いで #おーおーおー と全国の皆が羽田に向けて叫んでくれているであろう盛り上がりが伝わってきた。

『Girl A』『Mosquito Bite』でこれぞアレキサンドロス!と言わんばかりの風格を見せつけながらあっという間に本編を終え、アンコールへ。
MCでようぺが語る。

「今日、本当に皆来てくれると思わなかったよ、ありがとうございます。正直、いろんな声があって開催を迷う部分もありましたが、うちらのファンなら大丈夫だろう!と、開催することに決めました。
10年間いろいろあったけど、ファンには恵まれたバンドだなと思います。」

本当に誇らしかった。
もうこれは、しゃんぺとアレキと、そしてその両ファン達の完全勝利だなと!
1ミリも声を出せないというルールを現地の誰一人として破らず、皆が守り、その分配信の視聴者さん達が盛り上げてくれた。

"全員集合"と銘打たれた通り、本当に全員で作り上げたディスフェスだなと。
その後『rooftop』で「また会えたら~」と語気を強めて歌うようぺからも、今度はこの皆でもっと大きな会場に集まり、楽しみたいなという想いが伝わってきた。

新しい時代という考え方も大事だけど、前みたいに皆で笑い合える場所を取り戻したい。
そう、自分もやっぱり同じ気持ちだなと、改めて強く思った。

そんなわけで、無事ディスフェス初日終了!
帰りも密を避けるため、規制退場にてZepp Hanedaを後にした。

今回、しゃんぺも満を持して初めて観ることができて嬉しかったし、やっぱり何よりその場で音を浴び、皆で盛り上がる…これに勝るものは無いなと。
声は出せなかったけど、マスクの奥で泣き笑い、心の中でめっちゃ叫んだ1日だった。

 [Champe] セトリ
1.Burger Queen
2.For Freedom
3.Waitress, Waitress!
4.Starrrrrrr
5.Kids
6.Kill Me If You Can
7.city
8.Don't Fuck With Yoohei Kawakami
9.Untitled

 [Alexandros] セトリ
1.Burger Queen
2.Adventure
3.Run Away
4.ムーンソング
5.月色ホライズン
6.Dracula La
7.Girl A
8.Mosquito Bite

en1.Thunder(Bedroom ver.)
en2.rooftop
en3.ワタリドリ

そして、2日目のリクエストライブは自宅から配信を観ていたけど、こちらも無事に終了!
本当に有観客ライブ、成功して良かった。
500人といえど、Zepp Hanedaで観客を入れてやるのは今回の[Alexandros]が初めてだったとのこと。
一番最初のお客になってしまったよ!!
そして一番最初に客前に立ったのはサトヤス(笑)

まぁ何はともかく、これはマジで今後の音楽業界の希望になると思うし、ここからまた始まっていくんじゃないかと信じて、このディスフェスを胸に刻みたい。

最後に改めて、コロナ禍の有観客ライブにおけるポイントを振り返っておく。
是非これからのご参考に。

・接触確認アプリ「COCOA」のインストール
・会場での物販はなし
・ドリンク交換なし
・全席指定で、座席列ごとに集合時間を区切って入場
・入場前に検温実施(37.5℃以上の場合は入場できず)
・入場待機列はソーシャルディスタンスを意識
・入場直後は手足(靴)を消毒
・電子チケットは身分証を提示しながら自分でスワイプ
・マスク着用必須(演者のみマスク無し)
・会場内での会話や声出しは控える(その分拍手やボディーランゲージで気持ちを表現!)
・配信で観る場合はコメント欄やTwitterで応援!!

以上、半年ぶりに体験したリアルライブについての記録でした。
[Alexandros]とスタッフの皆さん、そして2日間イベントを盛り上げた現地組・配信組のファンの皆さん、ありがとうございましたー!!!
本当にお疲れ様でしたー!!!!