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~新しい取り組みで地域活性化~「かりとりもさくの会」の活動と軌跡

hitonari magazineでは今回、愛媛県西予市明浜町の地域活動団体さんをインタビューしました。

ご紹介する団体は、住民の課題解決・自主的なまちづくりを実践する「かりとりもさくの会」

記事中では以下をご紹介。

・団体の活動内容
・団体のこれまで
・参加方法

「地域活性化の活動に参加したい!」
「地域で、どのような団体さんが活動しているのかを知りたい」

このように思う方は、ぜひ、ご参考ください。


多くの新しい取り組みを実践してきた


インタビューに向かった先は、西予市明浜町の狩江地区。

柑橘栽培や真珠養殖などが盛んな海のまちです。

取材にご対応いただいた方々は、こちらのお二人。

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理事の宇都宮一郎さん(右)
普段は、地域で柑橘栽培を生業にしています。

理事の佐藤和文さん(左)
普段は、地域で真珠養殖をされています。

そんなお二人へ、かりとりもさくの会の活動内容をお聞きすることに。

佐藤「基本的には、明浜町狩江地区の地域づくりに関する活動をしています。

たとえば『段々畑ガイドの会』を組んで、訪れた方を地元の山に案内したり。

また、子育て中のお母さんのサークルや、青年会・壮年会などに予算を出すなど。」

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明浜町特有の「天にまで登り続ける段々畑」を、ガイドつきで楽しめるように活動。

7月12日 (一般のガイド業務)


外部の人に、地域を知ってもらえるよう取り組んできました。

かりとりもさくの会では、廃校になった旧狩江小学校を活用するため「学び舎再生委員会」を立ち上げ。

いまでは、校舎の中に地元の農産品企業・建設業者・お弁当屋さんなどが事務所を置いています。

また、お母さんのたちの子育て支援サークルにも、教室を開放しています。

閉校によって集まれる場所がなくなった子どもたちのため、教室内に遊具を設置。

いつでも遊びに来れる環境をつくり出しています。

かりとりもさくの会が多くの活動を重ねられたワケは、明浜町の風土にありそうです。


狩江地区は「よその人」が活発に訪れる地域


まちづくり活動が活発な、明浜町狩江地区の特徴をお聞きしました。

佐藤「このまちは「来る人は拒まずな気風があるので、移住者も多いんですよ。」

宇都宮「狩江地区の、人の良さは間違いないですね(笑)」

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一般的に地方・田舎といえば「よその人」と交流が少ない傾向にあります。

その中でも、狩江地区はひと味ちがうウェルカムな土地柄。

宇都宮「地域の農産品企業『無茶々園』で働いている方々は、半分以上が県外の人なんですよ。」

狩江には、京都・千葉・鹿児島など、他県出身の方が多く住んでいるとのこと。

地域には、移住促進のしくみも備わっています。

宇都宮「市営施設を活用して、1週間~1ヶ月くらいお試しで住めるように整えていて。
ここ2年ほどで、外部から10人以上が滞在しました。

そのまま移住した方もいます。」

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その絶景だけでなく、人の魅力で移住者を増やしている狩江のまち。

訪れる方は、日本国内の人だけにとどまりません。

佐藤「SUIJIプロジェクトという、四国3県の国立大学とインドネシアの大学生さんの交流活動を開催しました。

夏の明浜町に3週間ほど滞在して、地域を学んだり、住民と交流できるプログラムです。」

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明浜町の郷土料理をいっしょにつくる――
日本伝統の着物を楽しむ――
そして今度は、留学生さんの生まれた国の料理をつくる――

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日本文化に触れたい留学生さんとの異文化交流は、毎回好評の催しに。

地域には、農業研修のために来られた、海外出身の方も住んでいるといいます。

佐藤「地域に就農している外国人研修生を、まちが自然に受け入れて。

いまでは、いっしょに運動会やお花見をしていますね。」

国内外を問わず「よその人」を受け入れる風土は、いまよりも昔から根付いていたといいます。

宇都宮「もともと狩江は秋祭りが有名なんですよ。

お祭りの日は、それぞれの家でごちそうを用意するんです。
その日だけは、誰が家に入ってもいい「無礼講」で。
知らない人が家の中で食べているんですよ(笑)

ここは、そういう地域なんです。

もう何十年何百年も続いている文化なので。もともとウェルカムな気質があったと思いますね。」

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よその人が移住したくなる地域づくりで重要なこと……

それは、なんといっても「来る人を拒まないウェルカム精神」だと気付かされました。


地域に魅了される県外出身者・Uターンも多い


積極的に活性化活動を続てきた、かりとりもさくの会。

団体が盛り上げてきた狩江には、魅了される人がたくさん。

「毎年、県外から行事に来てくれる人もいるんだ」といいます。

佐藤「狩江が本当に好きで『地域の人のためになにか還元したい!』と、自費でプロの音楽家を呼んでくださる方がいらっしゃるんですよ。

ピアノやチェロ、ソプラノ歌手など、日本中から呼んで。

『本物の演奏』を、地域のみなさんに喜んでいただいてます。」

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「大きなお金をかけてでも、大好きな地域のために面白いことをしたい。」と思えるほど、狩江は魅了される場所。

お二人のお話を聴いている中で、地域が持つエネルギーを感じ取りました。

かりとりもさくの会は2020年10月1日、地区にある狩江公民館の活動と一体化。

行政が運営する公民館と、民間団体が融合してまちづくりを進める例は、全国的に希少とのこと。

狩江は、西予市内の一体化モデル地区第1号。

会の理事さんが「うちが一番最初のモデルになります!」と手を挙げてはじまったプロジェクトです。

行動的なキーパーソンたちがつくり出す、地域の未来が楽しみな狩江地区。

まちには、県外からUターンしてくる人が多いとのこと。

佐藤「子どもたちが狩江に帰ってきて、家業の後継者になるケースは多いです。

西予市の人口は減っているんですけど、狩江は意外に減っていない。
逆に、子どもは増えているんですよ。

わたしの小学校の同級生が7人だったんですけど、いまの子ども世代では、多いときに1学年9人。

子ども世代の方が、多い年代がありますね。」

IMG_9579(取材先提供)

子どもが多い理由は、Uターンする若い世代、そして移住者が狩江で家庭を築いているから。

いまはまちの外に住んでいても、秋祭りには必ず帰省する人も多いとのこと。

帰ってきたいふるさと、狩江――

少子高齢化が叫ばれて久しい日本の中で、大変明るい話題をお聞きしました。



かりとりもさくの会がこれから予定している活動


つねに新しい活動に取り組み、地域を盛り上げてきた、かりとりもさくの会。

お二人に、今後のご活動について尋ねてみました。

佐藤「わたしたちの活動は『みんなが楽しく笑って暮らせる地域にしたい』という気持ちがベースになっています。
なので、狩江のみんなが楽しめる行事を考えたり、サポートすることが今後のテーマになりますね。」

宇都宮「子どもたち世代につなげたい行事を、継続できるように活動できたらと思います。」

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何世代も続いてきた行事を、未来に継承させる――

そして、新しい活動を起こして、若い世代がさらに「住みたい!」と思える地域へ――


かりとりもさくの会がいっしょに活動したい新規メンバー


最後に「新規メンバーを募集するなら、どのような人物がいいか?」と尋ねてみました。

宇都宮「『地域のことを守りたい!』という想いあって、明るく前向きな人であれば、みんなついてきてくれますね。」

佐藤「団体の運営を専属でできる人ですね。

わたしたちを含めて、メンバーは本業と並行しながら会の活動をしているので、まだまだ負担の大きいところがあって。
日中に運営事務のできる人がいると、いまよりさらに持続的な活動が可能になってきます。

2020年10月1日から立ち上げた事務局で、仕事をしていただけると大変助かりますね。」

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ウェルカム精神ある優しい人たちと、絶景が待つ西予市明浜町の狩江地区。

何度も通うリピーターが多い狩江地区を盛り上げている団体が、かりとりもさくの会です。

参加は、西予市明浜町以外からも大歓迎。

「活動メンバーとして参加する」
「自分ができることで、団体をサポートする」

などなど、どのようなカタチでも。

地域を笑顔にする活動へ、あなたが加わることを心待ちにしています。


執筆:櫻庭 航(さくらば わたる)

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