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どうしても働きたくないと思っていた話

小学校5年生のときイジメにあった。もうあまり覚えていないけれど、夜中に怖い夢を見て毎日のように泣いていた記憶が残っている。
中学生になってうまく友達ができなかった。どうしてそうなったのかよく覚えてないのだけれど、気づいたらもうグループができていて、ひとりぼっちだった。部活でかろうじて友達ができたけれど、クラスではあまりなじめなかった。
高校生になった。中学で私しかその高校に行く人がいなかった。当時の私は全く異なる環境になったら、友達も新しくできて楽しい生活を送れるのではないかと思っていた。でもコミュ力がなかったので(当時は気づいてなかった)もちろん友達を上手く作ることができなかった。それに加え、自分の頭のレベルギリギリの高校に行ってしまったので、自分より頭がいい子ばかりで勉強についていけず、いつも劣等感を感じていた。なんで私は何もかもうまくできないのだろうと思った。
それでなんだか疲れてしまって何も感じないように感情を消した。なにも感じないなにも感じないと唱えながら通学していたのを覚えている。そして逃げるように卒業した。
大学生になった。ちょっと特殊な大学に行ったので仲間意識が強く、大学は初めて集団生活を少しだけ楽しいと思えた。
この頃には、自分が人と関わる事が苦手だと気がついていた。空気が読めないし、相槌も下手だし、なんて返事をすればいいのかわからないし、会話を続けることも苦手だった。
いつも笑顔を貼り付けて賢明に生き延びようとしていた。でもそうしていたら自分のことがわからなくなって、自分が何を望んでいるのか何をしたいのかわからなくなってしまった。
就活が始まった。自分が何をしたいのか全く分からなかった。強いて言うなら働きたいと思えなかった。中身は高校生の頃から何ら変わっていないのに、社会人になるなんて想像すらできなかった。友達が将来のことについて話しているのが怖かった。なんでみんな自分のことをしっかり理解しているのか不思議だった。全然前向きになれなかった。

人生で感じてきたことは、何事も人並みにできないもどかしさと劣等感、そして先の見えない不安感だった。普通に毎日シにたかった。生きてるだけで偉いと思いながら生きることでしか、自分を生かしてあげられなかった。
だから、つらい思いを続けていくだけの人生に絶望していたし、生きていくために半ば強制的に行わねばならい労働に価値を見いだせなかった。
このつらい世界に勝手に産み落とされて、生きてるだけで偉いから、労働なんかしたくないと思った。
もちろんそれでは生きていけないのだけれど、生きているだけで偉いから働きたくないは、私を成している根幹にある考えだった。

何故働くのか、生きてる意味はあるのか、なぜ頑張らないといけないのか。そんなこと深く考えずにみんな生きてるんだよと言われても、考えずにはいられなかった。
だって生きづらいのだ。自分ではどうしようもない生きづらさがある。だからなにか答えが欲しくて、意味を求めてしまう。この生きづらさに耐えてまで頑張る意味が欲しかった。
でも見つからなかった。
だからどうしても働きたくなかった。
でも当時の私はお金がないので、勿論働くしかなかった。

そして8年半働いてみたけど、やっぱり働かないことを諦められなくて、お金を貯めて、お金にも働いてもらうようになって、今やっと仕事をやめても生きていけそうだよってあの頃の未来に絶望しかなかった私に教えてあげたい。


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