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【有料部分はラストのみ】研修病院選びについて、研修医の視点から」【医学部5~6年生向け】


学生〜初期研修まで4年間病院をみてきて医学生に伝えたいこと

自分の大学は関東圏にあって医局の勢力圏が割と県内でまとまっているといった事情と割と教育熱心な大学の教育体制といったこともあって、県内で10程度の病院を2週間から1ヶ月単位で高い解像度で見ることができました。また、学生の目線で病院を診てきてから、研修医になってからはまた違った目線で研修病院の良し悪しが目に入ってくるようになりました。その上で、ハイパー、ハイポ以外にどういった解像度で自分は初期研修病院を選ぶのが幸せか自分なりの考え方をこのノートに書こうと思います。
参考:北関東の某ややハイポ目な中規模病院研修医より

働き始めてから大事だなと思ったポイント

○流動性の少ないポイント

ずばりそう簡単には変わらないポイントについてです。簡潔にいうと、立地、指導医数、指導体制、雇用形態についてです。これらはあまりどの病院でも大きな変化が起きない限り変わることはかなり少ないかと思います。

・立地

これは、まず10年単位で変わることはないでしょう。重要なのは大都市〜地方中核都市までへのアクセスについて自分がどこまで許容できるか考えましょう。
東京まで1時間のエリアで絞るか、自家用車を使うのか、病院の周りの開発具合、鉄道、バスなどの公共交通機関の利便性についての自分の許容度に合わせた立地を選ぶといいと思います。どんなに理不尽なことがあっても、オフの時間に東京まで行ける、周囲のお店でリフレッシュできる余裕があるというのは個人的には大きいと思ってます。

・雇用形態

医学生で労働基準法について勉強している人は少ないと思います。各研修病院の雇用形態は千差万別です。基本的に研修医の身分として常勤、有機契約社員、期間職員、年度任用職員など色々な雇用形態があります。基本的に常勤、正職員として任用される方が、労働基準法に手厚く守られます。また、年間休暇、有給取得、残業代の支払いなどはまずよっぽどのことがないと変わらない(昨今の働き方改革で変化はしているが、変化後はそうそう変わらない)のでそれらについて確認することが大事です。病院の特に初期研修医に労働環境は、残業申請に上司の許可が必要だが認めてもらえない、有給取得を認めない、残業代の支払いが申請通りに支払われない、月残業時間が労基の上限越えなど、ブラックな体制なままであるところが少なくありません。上記太線のような労基違反のことがないかどうかは、地味に研修のモチベーションに大きく関わってきます。自分の労働の対価がきちんと反映されないということは、経済的にも、精神的にもつらいことだと自分も働いてから理解が深まりました。医学生の皆さんはなかなか労働、雇用についての視点から病院をみることは少ないかと思いますが、ぜひこういった目線で病院を調べることも働く上では重要です。

・指導医数

市中病院によっては、指導医数が診療科によって異なります。指導医数:研修医の数が多いほど研修のサポート体制は手厚くなるので、自分が特にがんばりたいと思う診療科の指導医数については確認しておくのがよいでしょう。個人的には、10~20年目の指導医が2~3人いるのであればだいぶ充実していると思います。ただ、各指導医によってやる気が違うので、教育に対してどれだけ熱心な人がいるのかは病院見学で確かめるうえで大事なポイントになります。ちなみに中小規模の病院だと各診療科2~3人といったこともあります。このような病院だと、指導医の数は少なく研修医に関する噂は指導医の間ですぐ広がってしまうムラ社会的な側面もあります。小さい病院だと手技の機会も豊富で症例も集めやすいですが、このようなデメリットがある場合もあります

・指導体制、救急体制

よくいう勉強会などです。研修医カンファや研修医症例発表などを決まった曜日に行う病院や恒例行事として救急対応について競う競技のようなものを実施する病院があります。たいていこういった勉強会やカンファといったものは病院ごとの伝統なので、連綿と受け継がれていることが多いです。真面目に取り組めば、実力はかなりつけることができるでしょう。また、2次、3次の救急の指定はほぼほぼ変わることがないでしょう。自分がどのような疾患を見たいのかによって選べばいいと思います。各病院によって研修医の当直回数などは違うので、その辺りは各病院への見学で聞きましょう。

○流動性の大きいポイント

個人的には、研修プログラム責任者の人格、研修病院の雰囲気です。個々にいきましょう

研修プログラム責任者の人格

プログラム責任者は本当に個々の病院ごとに違いますし、その時々によっても違うと思います。しかしながらプログラム責任者との関係は2年間の初期研修を過ごす上では超重要な因子になります。あなたが研修で困ったことがあった時、たとえば病気になった時や研修病院の外で行いたい活動があるとき、参加したい研修会がある時などこういった時にまず第一に対応するのはプログラム責任者、もしくは臨床研修担当の副責任者が担当者になります。病院の総務などの事務方が窓口にはなりますが、最終的にあなたがた研修医に関する物事に関する権限はプログラム責任者に帰結します。彼らが、親身に研修医に寄り添ってもらえるかどうかで、臨床研修の質はかなり違ったものになると思います。病院見学に行くとまずプログラム責任者と面談の上、名刺などもらえると思いますが、その責任者の器の大きさや研修医にどのように接しているか、見学先の研修医の話を聞きながらよ〜く見極めてみてください。自分の知っている範囲では、理解ある人の病院かどうかで、精神面のケアや労働環境の調整、院外の講習会の参加への調整など場合によってはキャリアに大きく関わった事例も見聞きします。逆に責任者次第で、パワハラで追い込まれたり、やりたいことをやらせてもらえなかったりといったことにも発展する可能性はあります。

・研修病院の雰囲気

よく研修医インタビューで聞く病院選びの決め手No.1の謳い文句です。
確かに雰囲気は大切な要素のひとつではありますが、不確定要素も非常に大きいです。初期研修2年間で関わるのは自分達の1つ上と1つ下の代との関わりになります。これはその年に入ってくる研修医の雰囲気に左右されることがほとんどです。この雰囲気といったもので変わらない部分が1つあるとすれば、それはプログラム責任者および研修医の教育担当者の雰囲気といったものだと思います。
なので、雰囲気は大事ですが、その年の同期次第の面が大きいので、あまり重視しすぎてもしょうがないと割り切ることも大切だと思います。ただし、周りの研修医を見て同じような雰囲気の人を採用しているということでもあるので、参考程度に見るくらいがちょうどよいのではないでしょうか?

○その他

・当直回数

自分がハイパーよりかハイポよりかによります。実際救急ローテを長くしたり、小さい病院では救急外来で暇な時に行ったりと積極的に動けば救急外来を回す能力は身につくと思います。そのうえで夜間の救急外来での回し方のようなものを身につけるために必要な機会の数を自分で決めていけばいいと思います。
ただし、救急外来で上級医の監督がしっかり行き届いていることは訴訟を避けるうえで大切なのでしっかり確認しましょう。

まとめ

いろいろ書きましたが、巷で言われているよなハイポがいい、ハイパーがいい、当直回数や給料以外にこういった見方もできるよ、という程度に参考になれば幸いです。上記でほぼほぼ伝えたい内容の95%は終わりです。
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内容は自分が病院調べの時に絶対に見ていた内容についてです。これは病院側の嘘偽りのほぼない資料なので、その内容について教えます。

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