【2023.0】



ということで、
1月中旬(3週間くらい前)に、定期刊行短歌誌『エリア解放区』の0号が出来上がりました。

京都文フリ(今回の寄稿者の一人である奧村鼓太郎氏が関わるブースがあり、取り扱いいただきました。
ブース関係者の皆さま、ありがとうございます)や、そろそろ通販のほうも落ち着いてきて
既に今お手元にある方々は、お読みいただいていますでしょう。

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基本的に、
他に活動の場があり、多かれ少なかれ、その現場も垣間見えるような
とはいえ、各々の現場を紹介するに留まらないようにはしつつ
けれど、ふつうに現場の一つにはなりえてしまうし
場合によっては、任意のページや企画・特集などにおいては主現場の一つとして機能もするのだけど
という、いささか抽象さはありますが
あらゆる現場の媒介となる、良質な内容での媒体づくりを試行していきたいと考えています。

   ▽

今号のに関する、
目次順での、前情報……的な、私感テキスト

【短歌】1/1/2/2 田中大貴
現代短歌2023年1月号に掲載された候補作八首で俄然、興味を持っていて
似たような(見た目での)統一感での一首は、近ごろ何人か見受けられるものの
言葉が、一首を通して未来のほうに向いている(必ずしも人的な、将来性というようなニュアンスではなく)ように見える
という勝手な、私的な期待値があるところ。


【歌人論】おもしろくなる客体-内山晶太試論- 奥村鼓太郎

2021年、夏の「我妻俊樹を読む-短歌と川柳の接地点-」/2022年、夏の「『渡辺のわたし』から『人の道、死ぬと町』へ-斉藤斎藤試論-」を経てきて今……みたいなところとか。
今回のは↓と、両面みたいにもなってます。


【短歌連作】記憶の連 杉本茜
以前『早稲田短歌 四十九号』で読んだ連作「メタ・フィクション」2首が今まだ、ある地点のようにあるのだけれど
あるいは同じ誌面に載っている散文「断章 虚構へ 誰にも宛てない短歌論」が今、本人にとって
どのくらい軌道修正が必要な内容なのか、それとも不要なのか、全くの過去になっているのか……
しかし、それよりも何よりも(いささか語弊があるかもしれないが)アカデミックな視座?があり、そのような側面への関心が高くある。


【短歌連作】不凍港 榊原紘

個人誌「それは、とても広いテーブル」の、あとがきやタイトルで言おうとしている内容・ニュアンスを、支持できる
のだけれど、それはそうとして
近ごろ榊原短歌に、あるゾーンにおける高まり始めつつある精度と
なにより一首に確実に意気が込んであるように観測している、今のところ。


【読解】「KILLING TIME」~作者という存在の復権~ 唯織明
だいたい一年くらい前から持て余していた、瀬口真司「KILLING TIME」の読解文の公開が
今のタイミングなところ。


【短歌12首】逆裏ギャルピース 仲井澪
自己言及的な意味内容の短歌が、どちらかというと自己規定のほうで
しかし、それが嫌味っぽくなく「それはそうとして、その上で何かする/次に移行するための」みたいな志向があり
なおかつ自己規定的な意味内容の短歌よりも、もっと外部を見ている短歌とかのほうが
ちゃんと、おもしろげだったりするというところの稀有さがあるように思えるところ。

【2周目! 木下龍也】渚にて――木下さんと「戦争」 伊舎堂仁
伊舎堂仁の書くものに対して、メンタルよりもバイブスのほうに興味がありつつ(メンタル/バイブスは、抽象的なニュアンスだけれど……)
2022年11月に出たばかりの『わたしが2012年から2022年の間でビリビリときた短歌は これだ』通称『これだ』は、意味内容の(伊舎堂仁にとっての、と思う)手堅さがあり
なおかつ文章そのもののバランスーースタンスの、ラフさ/ガチさ。筆致≒声音の、ウェットさ/ドライさ。ーーみたいなところのバランスに、バイブスが妙にフィットしている。その巻末にある「65首の紹介」は巻末に載るなら尚更、一首でも多く「紹介」に留まらず散文部も読みたいという今のところ。





B6サイズ/52ページ/頒価600円





























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