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神無月 大切な人の死


10月 神無月
としひろ兄ちゃんが死んだ。

私の叔父である
まだ65歳だった。

私がまだ小さかった頃、東京の実家の敷地には
祖母が建てた学生アパートがあり、父と母もそこで出会った。学生結婚だった。

としひろ兄ちゃんも、大学入学と共に
九州から上京し、祖母の学生アパートに住んでいた
当時でもボロくさかった四畳半一間位の部屋。

ニキビ跡がひどくて
天パで、おっとり喋る人

とても優しい人だった。
九州男児とはよく言うけれど、父もとしひろ兄ちゃんも、九州男児とは真反対のような人である。

幼き私の駆け込み寺

学生結婚だった両親は、日中働きに出ていたので
私は祖母に面倒を見てもらっていた。


真ん中が7歳の頃の私


私は祖母によく怒られた。
どんな悪さをしたのか?全く覚えてないが
祖母に怒られると、私は決まってとしひろ兄ちゃんの部屋に駆けこみ、助けを求めた。

そんな時、いつも優しく守ってくれたのがとしひろ兄ちゃんだった。
公園に連れて行ってくれたり
リカちゃん人形をプレゼントしてくれたり
きっととしひろ兄ちゃんにとって、私は一番なんだろうと
思っていた 笑


そんなとしひろ兄ちゃんが死んだ。

亡くなる数年前から、筋肉が萎縮していく難病に罹り
話す事も出来なくなっていたそうだ。
IT業界の一線を担っていたからか、ストレスも多く
精神的にも落ち込む事が多かったらしい。


ほんとうに久しぶりに、

落ちた、、、
ズドーンと深く、、、

しばらくは、泣けもしなかった。
泣くと、全てが溢れ出てきそうな感じがあって
涙なんて出せない。

軽井沢から埼玉の三郷市まで、新幹線と電車を乗り継ぎ
葬儀場までたどり着いた。


受付をしているのはけいたくん?
小さな頃の記憶しかないけど、あの眉毛は絶対けいたくんじゃない?と、駅で落ち合った弟とコソコソ…

そして
「由佳…ちゃん…?」と

としひろ兄ちゃんの奥さんが声をかけてくれた。

BGMには、生前としひろ兄ちゃんが好きだったサザンオールスターズの曲が流れている。

「わざわざ来てくれて、ありがとう」と
悲しそうな笑顔で


最後は何度も肺炎を繰り返して大変だったのよ、とか、
コロナ禍で面会が出来なかった事を話してくれた。

わがままを言わなかったのは


コロナ禍という事もあり、身内だけの小さなお葬式
でも、本当にとしひろ兄ちゃんを心から想う人達が集まった。

一人一人、
棺の中のとしひろ兄ちゃんに手紙を読んだり
感謝を伝え、最期のお別れをした。

息子のけいたくんが震える声で手紙を読む。

「あなたはきっと、僕の事を育てやすい子だと思っていたでしょう。

わがままも殆ど言ったことないし
困らせた事もなかったね。

でもね、僕がわがままを言わなかったのは、、、

わがままなんて言わなくて良かったのは、、、


わがままなんて言わなくてもいいくらい

あなたがたくさんの愛情を僕にかけてくれてたから、、、

僕は、わがままなんか言う必要もなかったんだよ!!」


泣いた、、

涙が止まらなかった。

けいたくんの想いがバイブレーションで
会場全体に響き渡った。

そうなんだよ!!
としひろ兄ちゃんって、そういう人だったんだよ!!

私も、沢山助けてもらったんだ、、、

あの頃、としひろ兄ちゃんがいてくれたから
今の私があるんだよ!

あの時、いつも守ってくれたから!!

小さい頃の私にとって、あなたは本当に本当に…

偉大な人だったんだよ!!!


あの"感覚"が襲って来た


火葬されてる間、用意された食事を取りながら
生前のとしひろ兄ちゃんの話で盛り上がる親族達。

さっきまで涙が止まらなかったのに
場が変わると、こうやって笑い合えるんだから不思議だ。

けいたくんがまだ独身だと言う。
「私だって、結婚したの37なんだから大丈夫よ!」そう言うと、

「由佳ちゃん、心強いよ笑
誰か、可愛いお友達紹介してね笑」なんて笑っていた。


何十年も会ってないのに
親族だという事でこの距離感になるんだから
本当に親族って不思議だ。

そして、火葬が終わり
骨だけになったとしひろ兄ちゃんと対面する


一つ一つ、これはどこそこの骨で
喉仏はこちらで、などと説明を聞く。

そんな中

また、あの、感覚が襲って来た。

胸の真ん中がひんやりして来て
ざわざわとしてくる。


指先が冷たくなってきて
またあの"怖さ"が襲ってくる。


私は、"死"が怖い。

"死"への恐怖が、子どもの頃から人一倍強くあるように
感じる。
自分や、自分の大切な人がいなくなる事を考えると
怖くて、怖くてたまらなくなる。

今でも、子ども達に寝る前の読み聞かせをしている
時なんかに
ふと、この感覚がやってくる。


それはきっと

"今"がとても幸せだから…
幸せ過ぎるから…

こんなにも
大切で、愛おしい人や世界に包まれているから

ずっと一緒にいたいから
ずっと愛していたいから


失うのが 怖い…んだ。


そう、大切だから。


でも、私
きっと何百回も死んで、生まれて、死んで、って
やって来てるはずだよ??

何でこんなに怖いの??


そろそろ本気で
見に行かなくてはいけない"ナニカ"があるように
感じていた。


そんなタイミングで、

アロマ音叉®︎セラピストのけいちゃんが
キロンのセッションを受けた衝撃をSNSに綴っていた。


ピン!と来た。


キロンとは1977年に発見されたばかりの
土星と天王星の間に存在する小惑星のひとつで
魂の傷を表す。


私の度々感じる"死への恐怖"と
新しく私が進む道に、何かキロンが絡んでいるような…
そんな直感が働く。


私は早速、けいちゃんにコンタクトを取った。




#大切な人の死 #神無月#キロン


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