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【私の研究足跡〔その1〕】

 皆さんは、ミハイル・S・ゴルバチョフ(1931~:上の写真)について、どんな印象を、お持ちでしょうか?                  第一、「そんな人、知らない」という方もいらっしゃるかもしれません。

 彼は、かつて、”コミッサール・ケネディ(赤いケネディ)”と呼ばれました。(「コミッサール」とは、「政治局員」という意味です。)     彼が、ペレストロイカ(「立て直し」)によって、官僚主義的で、極度に硬直化したソビエトの政治機構や、行き詰まった同国の経済を活性化しようと試みた時、世界中の多くの人々が、彼の政治手腕と不屈の行動力に期待しました。                               しかし、国家の崩壊は、個人の努力だけでは、如何ともし難く、結局、1991年に、ソ連は、崩壊します。

 唯、私は、ゴルバチョフとジョン・F・ケネディの、徹底した反「官僚主義」、マスコミへの高い関心、国民の意識の覚醒、開かれた対米ソ政策、世界平和観、それに自身の「民主的な性格」に着目して、この両政治指導者の共通性、あるいは類似性について考察しました。            そして、その成果を、『ゴルバチョフとケネディー指導者の栄光と悲劇ー』という著書に著わしました。(下の写真) 

拙著(2)

 私は、ゴルバチョフと、握手をしたことがあるんです。        正直、それは、夢の中でだったのですが。・・・                                       30歳代の後半、私は、東海大学の政経学部で教鞭を執っていました。その講義の期間中も、私は、本の制作に関して、彼のことばかり考えていました。まさに、病膏肓というものです。

 そんなある日、私が机に向かって書きものをしていますと、彼が、ドアをノックして、部屋に入って来ました。その時の、彼の輝く姿が、とても印象的でした。                             そして、彼と握手をした時、その手は大きく、とても温かいものでした。 正直、夢から覚めた後も、その温かい手の感触が残っていました。

そのゴルバチョフが、私たちに、こう語っています。         「心が変われば、態度が変わる。態度が変われば、習慣が変わる。    習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、人生が変わる」と。

 われわれの一人ひとりが、まさに、習慣や人格を変えることによって、自らの人生を、大きく変えることができるのではないでしょうか。正直、私自身の後半生は、彼との出会いによって、根本的に変わってしまいました。

 私は、彼との邂逅を通して、彼の人格の中にある「民主的性格」、そして、それを堅持した「民主的政治指導者像」を、追い求め始めたのです。

                            【つづく】

             

                                      


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