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前世が天使だった俺(夫目線)最終話

◇年の差なんて気にならないのに…

◇軽く載せたTwitter。新聞沙汰事件になる。

◇ギャンブルにはまる理由、
恋愛がうまくいかない理由、
人との接し方が分からない理由、
地上に降りられた目的は…。(妻目線の第3話にて詳しく語られる)

…第3話…

大学の時に、仲良くなった先輩に告白して音信不通になったトラウマがある。俺は告白することも怖くなっていた。嫌なことや苦手なことがあると逃げる癖も直せない。完全に腐っていた。

− そして誕生日が近付く頃 −

♪ピロリン♪…LINEが来る

《元気になったかな?誕生日が近いけど…出かける計画どうすればいい?!
一応声を掛けてみたけど気が乗らなかったら、それはそれで全然イイヨ!!》

あぁ〰…そりゃあ行きたい。。。
行きたいよ、でも〰!!

そして思い切った。

〈お久しぶりです!元気になりました笑

本当に元気はなかったんですけど、それ以外の理由があって。

実は…あなたのことを避けてたんです…。
多分びっくりすると思うし、全然俺に興味がナイことは分かっているんですけど…好きになってしまったんです。
ね、キモいって思ったでしょ?!
でも本当なんです。
あ。返事とかイイです!フラレたくないし傷つきたくないから、むしろしないでね!
今まで楽しかったです!!ありがとうございました!!
これからもイイ友達で、いさせてもらえたら嬉しいです〉

一方的に終わらせた。

ちょうど何の恋心もない職場の女性陣が飲み会を計画していて、断っていたけど参加することにした。
飲んで忘れてしまえばいいのさ。

…と、思っていたのに

《ちょっと待って。》

え?

《なんで完結してんのー???》

いや…だから…

《何か私も気になってるかもしれなーい 笑》

うそ?!もう一回読み返してしまった。

〈え?!マジですか?!そんな感じが1ミリも感じなかったですけど…。〉

《だって気がついたの最近の話(笑)》

…と、いっても今迄まともに付き合ったことがない俺。又どうしていいのかわからない…まさか、そんな答えが返ってくるなんて思わなかったから…。

《とりあえず、誕生日お祝いしよ!》

〈あ…はい。ありがとうございます〉

ヤッター!!!!完全に舞い上がる。
これから付き合うのに、もう俺は結婚することを考えていて「この人以外考えられない!この人と一緒にいたい!」と思ったのだった。

それは年が上だから責任とか、そんなこと一切関係なく。意外に一途なんだよなぁー

そしてところがどっこい会って話をすると「まだキミ若いから、とりあえず他に恋人が出来るまで付き合うことにするよー」なんて、意味の分からないことを言われた。

「どういうことですか?????全く意味が分かりません…!!!!!」

「周りの友達の彼女はみんな若いでしょ?こんな年上の女と付き合ってるなんて言ったらヤメとけって絶対言われるし第一、ママと年が近い奴が息子の彼女なんて即、別れなさいだよ」

「周りなんて関係ないよ!!好きなんだもん!!ずっと一緒にいてほしいよー!!」

…ちょっと間があいて

「おけ。分かったよ。じゃあーよろしくお願いします」

俺は、むしろ早く親に言いたかった。
早く会ってほしい!!と、思っていた。

仕事柄お互いに休みがあわず、時間なんてちょこちょこっとしか会えなかったし「バイバーイ」と、それぞれの家に帰る時は前から淋しかった。

つきあって2ヶ月後「結婚しようね!!」と、言ったら彼女は又凍る。

あれ?何故フリーズ?

「それって本気で言ってる?????」

特に返事をしてくれるでもなく、話を変えられてしまった。結婚してくれないのかなー?俺は早く結婚したいのに。。

−半年後

どうしても結婚がしたくて母さんに話してみた。このチャンスを逃したら俺は一生結婚できない!!!って思ってるんだ!

でも「母さんは、反対だな」と、一言。

…何で反対なんだよー!!
反対される意味が俺には全く分からないから納得いかずに彼女に話してみた。

「そりゃあそうでしょー?!前に言ったよー、カワイイ息子を若いコならまだしもコンナ…」
それ以上歳を気にしてることは言ってほしくなくて話を遮った。

「もう強行する」誰が何と言おうと。
いつになく、俺の意志は硬かった。

「え〰?!どうやって?!ウチだって反対してんだよ、誰も婚姻届に印押してもらえないよ」

そこからは、いろいろとありながらもどうにか親に会ってもらって、自然な流れで籍を入れられることになったのだった。

…第4話…

そこから3か月ぐらい経って空が青く澄んだ夏の日。俺は妻が絶対喜ぶ絶景スポットをみつけに出掛けたのである。いい写真が沢山撮れて、今度は連れて行ってあげたいなと思った。

嬉しくてついでにTwitterにもアップ。

…でもこれが悪夢の始まりになるとは想像もしていなかった。

「ここって侵入禁止区域じゃないか?」と、騒がれ始めてしまった。
知らなかったけれど、その場所は立ち入りが禁止されているところだった。
俺は軽犯罪法違反(立ち入り禁止等場所侵入)で警察に呼ばれ、5時間に渡り取り調べを受けて書類送検となった。新聞には載るわ、ネットでは散々叩かれるわで精神状態がおかしくなった。また食事が一切喉を通らなくなり、学生の頃のようにガリガリになってしまった。職場の中でも噂になり仕事が出来る環境ではなくなった。
そして取材に来ることを恐れた会社は、俺が自分から退職願いを出すように誘導してきた。

もう家族だけが俺の支えだった…
そして結婚したばかりなのに、いきなり妻を泣かせることになってしまった。。。

幸い名前がでなかったので職探しに支障はでず、正社員で決まるまでアルバイトをした。

“喉元すぎれば熱さ忘れる”

少しずつ食欲が復活し、アルバイトで時間が空くと又パチンコ屋に行きたくなった。

学生時代に金融機関から借りたお金が20万残っていて、アルバイト代だけでは足りなかったのだ。勝つかも分からない勝負に行き、勝てばそのお金は返済にあて、負ければ言葉も話す気を失くすほど落ち込む。学生時代と、やっぱり変わらない。
別れたくないから妻には言えない。
騙してるつもりはないけど、全て返済して、なかったことにしてしまえば良いと甘く考えていた。

パチンコ屋に行っていることも妻は知らない。

俺は、お金の使い方が分からないまま大人になってしまった。

仕事を辞めたことで税金も滞納し始め、特別催告状が届き妻や世帯主の財産も差し押さえになると書かれていた。

死んだほうがいいのか…

解決出来ずに何日かそのまま放置して、ついに妻にバレた。
毎日ケンカになり離婚する!!!と。

いや、別れたくない…!!!
離婚しない条件は、まず借金を返済することからだった。
貯金なんてないから、アルバイト代を貯めてもらって一括返済。

どうにか離婚は免れた。

パチンコ屋に通うことに関しては、絶対反対と思ったが「パチンコ屋行っていいよ、但し都度渡すお金は1000円だけ。お小遣いの中で自分で計算してやりくりしてみて。それ以上お金はないからね」と言われた。

不思議と否定されないと、行きたいと思う日が少なくなっていった。

仕事も決まって再出発。

しっかり働いて土日休みのうち、疲れるから日曜日だけ行く習慣ぐらいになる。

そして妻から、お金のない俺に想定外の提案をされた。

「ねぇ、車買いなよ笑」

は???

っていうか何で笑ってんだ???

「愛着のない車は、汚くしても気にならない。ぶつけても気にしない。
でも、自分で一生懸命働いたお金でローンを組んで買う車は、きっと大切に乗るよ!早く自分の物にしたいでしょ?その為には、どうやったらお金が貯まるでしょうか〜???」

…クイズかよ

「パチンコ屋に行かなければ、お小遣いが残る…。」

妻の思い切った作戦は、効果抜群だった。学生時代から辞められなかったパチンコが、ピッタリ辞められた(今のところ…)のである。

…第5話…

俺は、こうして自分で自分が分からないことを悩みながら生きてきた。いろんなピンチの中で最終的には何とかなったけれど自分一人では、どうしようもできないことも多い。

妻は、度々大きなピンチが訪れると占いやら何やらに相談へ行き、少しでも良い方向へ向かうように考えてくれて、そのうち騙されるんじゃないかと思ったけれど…最終的に前世占いとかいう、うさんくさそうなものの結果に妙に納得し、急に寛容になった。

そこで俺は前世がなく、天使だったんじゃないか疑惑が発生。。。

ことあるたびに「人間界はネ…○○なのよ〜笑笑笑」と、完全にバカにし始めた涙

そこに母さんを仲間にして二人で俺をからかってくるから、俺も都合よく「天使だから分からな〜い」と、使うようになっていた…。

ちょっと頭がおかしい家族の会話だけど、感化されて『俺ってやっぱり人間界は初めてなのか?』と思い始めてしまった。(…いや、そんなこと絶対二人には言えないけど)

俺はまだ“人間界”での修行が必要のようだ。


※※夫目線では、俺の失敗をつらつらと並べたけれど妻目線で人間界での出来事を詳しく載せられてマス

それぞれの思いのすれ違いなど、両方読んでいただきますとストーリーが繋がりますので是非ご一読下さい^^※※



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