解散

○議長(大島理森君) ただいま内閣総理大臣から、詔書が発せられた旨伝えられましたから、朗読いたします。
    〔総員起立〕
  日本国憲法第七条により、衆議院を解散する。
    〔万歳、拍手〕
    午後一時三分

衆議院を解散することは、天皇陛下の国事行為であるので、日本国憲法第7条に基づく。
同じように、大々的な国政選挙のお知らせも天皇陛下の国事行為であるので、告示でなく「公示」である。
小規模な国会議員の補欠選挙のお知らせは告示となっている。

今回の解散は、あらかじめ首相が時期を示し、選挙日程をも明らかにする珍しい解散だ。
それゆえ、14日13時開会の衆議院本会議は、のっけから「解散するんですね」という空気で官房長官を待ち、そのまま既定の流れとなっている。

国会の慣例で、衆議院の解散を伝える詔書が朗読されたあとは、大声での万歳三唱と拍手を行う。
これは与野党を問わない。
いわばクビを言い渡されて「やったったーのたー!」という具合である。
その理由は定かでない。
歴史は、明治の帝国議会まで遡るのだが、野党を中心に解散を嬉しく思ったのか、詔書を発せられた天皇陛下に向けてなのか。

中でも印象深かった万歳三唱は、フライングした過去である。
調べてみると、2014年11月の衆議院解散時のようだ。
詔書を読み終える前に万歳三唱が起こってしまった。
(なお、このときは紙を読まぬ形で議長は散会を宣言しているが、「万歳はここでしてください」という議長の発言を含め、会議録への記録はない。)

これは飛沫もへったくれもないことは想像に容易い。
発声を伴う云々を控えるよう求める中、国会がこれなのだ。
考え方によっては、新規陽性者数や重傷者数、病床使用率などが改善傾向にあり、社会活動の再開に向けた1つの行動緩和と見ることもできる。
したがって、これを機に一般の社会活動についても、大声による発声を伴う云々を認めてはどうか。
オールドメディアのテレビも、感染対策をしているからと、マスクをせずに進行しているのだから。

ついでに新人議員の登竜門:議事進行係にも触れておこう。
これも流行り病があっても、何のその続けられているのを見て、少し違和感があった。
この議事進行係は、議事日程の動議を大声で提出する名物だ。
これも慣例で叫ぶことになっている。
「ぎちょぉおおおお⤴」と適度に叫び倒す。
そうすると議員の諸先生方から「よしっ」とお褒めのつぶやきをいただけたのち、議長が指名してくれる。
そうしたらば、「~については、その手続を省略して、議長において指名されることを望みまぁああああ⤴す。」などと、何かを大声で望む。
これに議長は、「何某君の動議に御異議ありませんか。」と議場に諮るので、「異議なし!」と先生方が叫ぶ。
これによって、めでたく「御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。」となるわけだ。

話を戻そう。
通常、このあとの議事日程を予定する衆議院本会議では、「この際、暫時休憩いたします。」(あえなく再開できなかったときは会議録に「〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕」と付される。)と宣言する。
また、このあとの議事日程を予定しない衆議院本会議では、「これにて散会いたします。」と宣言する。
なお、国会を終了するときも、散会を宣言する。
今回の場合は、衆議院を解散したあとなので、何らの宣言もせずに、みな一様に立ち去るわけだ。

なお、いずれも衆議院と参議院において、議長のお定まりのセリフは異なる。
参議院の方が幾分上品な物言いだ。

国会やら政界に限らず、日本には慣例でそうなっていることは多々あるだろう。
それはそれで面白いので放置しても良いとは思うのだが、何か別の理由があるときは、そのときだけ変えるべきかを考えても良いと思う。

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